寒さが和らいだと感じた2週間ほど前。
春が近づいてきたかなと思ってたら、岡山でもまた雪です。
夏もしぶといけど、冬も案外しぶといもんですね。
全国的にまた冷え込んでいるみたいですね。
みなさまお身体にはお気をつけて、雪害にも注意してください。
ということで、こんにちは。
CASANOVA&COの野口です。
2月も後半戦に入り、さまざまなブランド様から立て続けにデリバリーが届きました。
なので、ご紹介は全然追いついてないですが、店頭は一段と春夏らしい空気感になってまいりました。
直近では、
COMOLIから、そろそろ履きたい気分になってきた細めのコーデュロイ5PパンツとシーズンNo.1(だと僕は思っている)のレザー。
アムステルダムをブランドの拠点として、イタリアで生産を行うBESTIAIRE。
CASANOVA&COではお披露目のシーズンですが、かなりやばいです。
新たな感覚を与えてくれそうな予感がプンプン。
そして、先日店頭での販売を開始したIRENISA。
こちらはまた後日スペシャルな企画を設けようと思っていますので、そちらも楽しみにしていてください。
さらにさらに、今週末にはまた新たなブランドが加わる予定。
その名も”FOUNDOUR”。
今シーズンがデビューですが、ご存知の方はご存知だと思います。
物質的にも情報的にもトゥーマッチなこの時代に「良い服とはなんだろうか」と問いかけてくれるような存在です。
商品が届いたら、またきちんとご紹介させてください。
今ここで書けることだけでもこれくらいあります。
脳みそプチパニック状態。
なので、今日は心を落ち着かせるために、nonnotteのヘビーブロードシリーズをご紹介させてください。
ブランドでは以前から定番的に展開されている素材で、杉原さんの洋服づくりには欠かせない素材なのではないかと感じます。
今シーズンは当店では以下の通りのラインナップです。
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nonnotte
Draping Shirt Type A
color _ Tidal Foam
size _ 3,4,5
nonnotte
Draping Shirt Type A
color _ Blue Granite
size _ 3,4,5
nonnotte
Draping Elastic In Tuck Wide Trousers
color _ Tidal Foam
size _ 3,4,5
nonnotte
Draping Elastic In Tuck Wide Trousers
color _ Blue Granite
size _ 3,4,5
以上の4種。
まず生地のことを少しお話しさせてください。
素材はコットン100%。
織りはブロード。つまり平織り。
シャツにおいてよく耳にするブロードですが、一般的に上質とされているブロードとはベクトルが全く異なるもの。
静岡県掛川市に位置するカネタ織物さんによって織り上げられたこのヘビーブロードは、名前の通り”ヘビー”なブロード。
一般的なブロードでは細番手のコットンを用いることで上質さの追求を図ることが多いのですが、このヘビーブロードはとても太番手のコットン糸を使用しています。
そしてそれを超高密度に織り上げている。
そうすると、生地も硬くなりカジュアルな印象になるのが普通なのですが、ただ高密度に織り上げるだけではなく密度の比率にまで目を向け、糸質などにも細心の注意を払い、カネタ織物さんの抜きん出た技術で製織することによって、凛とした印象と圧倒的なタフさを兼ね備えるヘビーブロードは出来上がります。
生地を見ただけでも目が整っていて美しい生地であることが一目瞭然だし、何より触れるととても心地良い。
生地の段階だけでも僕もとても大好きな生地。
このヘビーブロードのハリ感が、杉原さんのドレーピングをアシストしてくれるのと同時に、迫力のあるシワを生み出します。
細番手のブロードではクシャッとしたシワが入り、ノンアイロンで着るにはなんだか憚られてしまうものも多いですが、このヘビーブロードはその点も解決してくれます。
だから洗いざらしのノンアイロンでOK。
僕自身も、今までアイロンをかけなきゃいけないシャツ(そんなシャツ本当はないと思っているんだけれど)は着るのが億劫になってしまうことが多かったので、これはとても嬉しいポイント。
なんなら新品の状態よりも、より良いタッチと風合いが期待できると思います。
そしてこれも魅力的ポイントなのですが、今シーズンのカラーリング。
当店では新色の2色をご用意しています。
今シーズンの着想の源泉となったアフリカの大地や情景をヒントにした素敵カラーリング。
このTidal Foamは、黄色味がありつつもスモーキーなベージュで、ヘビーブロードの艶がとても映える生地。
この色で太番手コットンの平織り生地だったら普通はめちゃくちゃカジュアルな印象になってしまいそうなところですが、ヘビーブロード生地とのバランスでとても色気のある表情に仕上がっています。
そしてBlue Graniteは、アフリカの大地に差し込む朝日に着想を得たnonnotte流のサックスブルー。
言葉を尽くしてもなかなか伝わらないこの色味は、ぜひ着て試してみてください。
驚くほどに我々日本人にとても馴染む色合いです。
着るとこんな感じ。
こちらはご覧の通りTidal Foamで、
これがBlue Granite。
どちらも他ではあまり見ない色ですが、めちゃくちゃ肌馴染みがいい。
身幅はとても広く、アームの形状はnonnotte以外では見たことがないような独特な形状。
ブランドではDraping Shirt Type Aとして継続的につくられている象徴的な1着です。
ただ、今シーズンは肩周りのパターンに修正がかかり、今まで以上に着やすくなりました。
腕を広げた時には異様な設計が見て取れるのですが、腕を下ろしていくとアームが脇の中に隠れていく。
そして直立すると、シャープなシャツのように見えるほど印象が変わる。
脇の部分に生地が立ち上がって身幅のボリュームを隠すようになっているのが見ていただけると思います。
横から見るとこんな感じです。
アームも身頃も体から離れたところにコントロールされたフォルム。
造形、生地、そして縫製仕様などが高次元で噛み合った時にしか生まれないものです。
背中側に確保された余白は、動いた時には程よい丸みを生み出します。
nonnotteのドレーピングシャツは、日常の動作の中で美しさが宿ります。
街中のガラス張りの建物に、歩く自分の姿が映ったとき。(岡山にそんな洒落たビルないけど)
地下鉄に乗り、扉の前の立ったとき。(岡山に地下鉄ないけど)
イオンに行ってトイレから出る時の姿見に映ったとき。
日常の些細な瞬間の中で、「素敵だなぁ」としみじみ美しさを感じる。
これは決してナルシズムの類のような自惚れではなく、洋服がヒトに与えることのできる感覚の中で最もプリミティブで替えの効かないものだと思います。
研ぎ澄まされつくられた洋服にはそのような感覚を与える力が宿ると思いますし、それがなぜ宿るのかを尽くせる限りの言葉とビジュアルを尽くしてお伝えするのがこの場の役割だと思っています。
話は逸れてしまいましたが、セットアップで着用するのも無茶苦茶おすすめです。
パンツはウエストにタックを設けたワイドトラウザー。
nonnotteのパンツに関してはまた後日、別生地のものできちんとご紹介できればと思っておりますが、やっぱり杉原さんの造形がとても効いてるんです。
シャツと合わせると繋がりも抜群に綺麗。
ウエスト帯にはゴムが入りますが、ベルトループも完備。
内側にはドローコードも付くので、ウエスト位置を固定したくてたまらない方には至れり尽くせりの仕様です。
裾は8cmほどの幅を持たせてまつり縫いです。
シャツもパンツも、生地が生地なのでガシガシ洗ってラフに着ていただくのがとても素敵だと思います。
気にしていただける方には、ご覧いただけましたら幸いです。
本日はヘビーブロード素材に絞ってのご紹介でしたが、また後日今シーズンの象徴的な生地を使用したシリーズをご紹介させてください。