こんにちは。
CASANOVA&COの野口です。
気がつけば、もう9月もほぼ折り返し地点。
かなり秋らしい店頭になってまいりました。
あとは気温が追いついてくれるのを待つのみ。
様々なブランドからのデリバリーが日々到着するので、なかなかブログでのご紹介が追いついていないのが現状ですが、本日はその中からKAKANの秋冬シーズンをご紹介させてください。
まだ25AWのKAKANは全てが納品されたわけではありませんが、これぞKAKANと言えるようなアイテムから、迫力満点のパワーピースまで幅広いラインナップでご覧いただけます。
今日はその中からパワーピース2着にフォーカスしてご紹介したいと思いますが、ひとまず現状届いているKAKANの25AWラインナップを簡単にご紹介しますね。
KAKAN
WG HIGHNECK DRESS
color _ Bitter Red,Dark Brown
size _ 2 (womens)
まずはKAKANらしいニットのドレス。
ハンドスパンのニットが代名詞的なKAKANですが、その対局とも言えるようなホールガーメントのニットアイテムも毎シーズン展開されています。
流石に僕は着れないですが、展示会の時にデザイナーの花観さんに着用してもらって、それがとても素敵だったのでオーダー。
商品名の”WG”は”Whole Garment”の略ですね。
ハイネックですが、ゆとりがあるのでピタッとしたタイトなフィット感ではないです。
少しクシャッと柔らかさのある印象。
袖口や裾の端は、編み地の特性を活かしてカーリングした状態。
これもドレッシーになりすぎなくて可愛いポイントだと思いますよ。
あと、最初の写真から微妙に分かるのですが、このドレスは腰回りの部分で少し細くなるようにつくられています。
これによって、上からベルトなどを締めなくてもウエスト部分にブラウジングして溜まりを出してあげることができるので、バランスのとりやすいニットドレスだと思いますよ。
KAKAN
WG ZIP CARDIGAN
color _ Bitter Red,Dark Brown,Black
size _ F (unisex)
そして、同素材のジップアップのカーディガン。
こちらはコンパクトめですが、細身な男性なら着用できると思います。
もちろん女性にも最高です。
ジップからは、ながーいレザーコードが垂れています。
いい感じの長さに切っちゃてもいいです。
そしてこのジップ、よくよく見るとほんのりとS字に蛇行している。
これは僕も展示会の時に言われるまで気づいてなかったんだけど、こういう”主張しない違和感”を与えるのはとてもKAKANらしいと思う。
ジップカーディガンの袖や裾はリブ編みに切り替えてあります。
そして逆開。つまりダブルジップ。
花観さん自身、ニットを得意としていながら、本人はマスキュリンなスタイルをしていることが多いように思う。
だからこそ、ブランドでも必ずテーラードアイテムをコレクションに加えているのですが、イメージ的にはこのジップカーディガンはそういうテーラードの中に着用してほしい。
今シーズン当店ではKAKANのテーラードは無いけど、IRENISAとか相性抜群だと思いますよ。
そして何よりそのスタイルは男性がやっても女性がやってもカッコよくハマる。
サイズ的に合う人はぜひ試してみてください。
KAKAN
CREWNECK MOHAIR PULLOVER
color _ Black
size _ F (unisex)
こちらは名前の通り、モヘアを使用したクルーネックのニット。
秋冬シーズンでの展開ですが、イメージ的にはサマーニットのイメージの方が近いかも。
こんぐらいの透け感。
気温30度ならタンクトップの上からとかで全然着れるし、もう少し冷えてくる頃にはレイヤードするようなスタイルの中で自由に使い方を楽しんでもらえると思う。
178cm63kg(ちょっと太った)で、これくらいのサイズ感。
サイズのカバー範囲は結構広いと思います。
タンクトップの上から着ると分かるのですが、このモヘア、相当良質なものだと思います。
モヘアって普通はウールなどよりも硬いのでかなりチクチクとするのですが、これは素肌に触れても、へっちゃら。
むしろ肌離れが良くて通気性もあり、それでいてどのようにレイヤリングするか次第で保温力も発揮してくれるだろうから、かなり万能な1着。
ニットを通して、作品的なものづくりから日常に寄り添ったものまで、多方面にアウトプットできるKAKANならではです。
そしてここからが、今シーズンのKAKANのパワーピース。
それもデビューの時から継続されているハンドスパンではなく、もっと新たな表現。
今シーズンのCASANOVA&CO全体のバイイングの中でもかなり強烈に心を打たれた2着です。
ご紹介させてください。
KAKAN
LONG RUCHED COAT
color _ Floral
size _ 2 (unisex)
まずは、こちらのコート。
ただならぬムードを持った超ロングコート。
花柄のプリントが施された、毛足の長いポリエステルフリース。
毛足の乱れによってプリントの表情にも動きが生まれ、まるで印象派の絵画を着ているかのよう。
美術のことは全然わかんねけど。
形自体にも動きがあり、フロントとバックともに上から引っ張ったかのように分量をコントロールし、自然と外側に逃げるようなドレープ生まれる。
着丈が135cmほどあるコートなので、まっすぐに裾までストンと落ちるシルエットだとどうしてものっぺりとした印象になってしまいがちですが、このように生地を動かすことによって着用した時の印象を美しくまとめ上げています。
フロントはボタンで閉じることができ、一番上のボタンを開けておくと襟元が綺麗に返ります。
ここも、これだけ長いコートなので顔周りにどのような印象を持たせるかは全体のバランスを整える上でとても重要になると思うのですが、とってもいい感じ。
着るとこんな感じ。
ムチャクチャかっこいい。
”超ロングコート×総花柄”というめっちゃくちゃハードルの高い1着なはずなのですが、ここまで来るとそうやって頭で考えてももはや無駄なのかもしれません。
なんでこんなに1着のコートとしてまとまってるのか分かんないけど、凄い危うくて儚くて美しいバランス。
こういう表現もKAKANらしいなって思います。
襟の返り、スッキリとした胸まわり、そして裾にかけての生地の流れ。
エレガント極まりない。
普通に歩くだけで絵になるコート。
ウールやコットンのコートでこれだけの分量に動きがあると着ていて疲れてしまうこともありますが、ポリエステルフリースという素材の軽さがここで活きてくる。
着ていて肩が凝ることもないし、極端な言い方をすればそのまま寝れるくらい柔らかい。
裏地はキュプラ100%のスモーキーなピンク。
バッサバッサ揺らして裏地チラ見せしながら歩いてください。笑
足捌きにも全く問題なし。
ちゃんとポッケもあります。
誰しもが着れるコートではないのかもしれませんが、一目見ただけで魅了する力を持った洋服だと思います。
KAKAN
KITE DRIVERS COWICHAN
color _ White
size _ F (unisex)
そして、最後はこちら。
”IT'S OK TO SAY NO”
花観さんが大切にしている言葉を背中に刻み込んだハンドカウチンニット。
ハンドニットのカウチンというだけで垂涎ものですが、それだけじゃない。
写真では見えづらいけど、ベースとなるウールの糸に巻きつけるようにして、ポリエステルのモール糸を編み込んでいる。
こんなの初めて見たし、多分ハンドニットだからできる所業なんじゃないかな。わかんないけど。
これによってハンドニットならではのデコボコ感がより一層強調されるのと、ハッドニットのデメリットである重さを圧倒的に軽量化することができる。
さらに形の保形にも一役買っているとのことで、かなりユニークでありながら理にかなっている。
ただ、デメリットを挙げるとすれば、やはりポリのモール糸なのでチクチク感はあります。
けどこんなヘヴィーなハンドカウチンを素肌の上から着る猛者はいないだろうと思うので、僕の中では実質デメリットでもないですね。
それにそんなことが吹き飛ぶくらいカッコいい。
着用。
NEWMANのUNDER、SARTOのシャツ、calmlenceのパンツというかなりつよつよな布陣。
でも、こういうバランスが素敵だと思っている。
こちらもダブルジップなので、ドライバーズニット的なイメージでもいけますね。
ジップを閉めずに着用すると、フロントが裾にかけて外に逃げるような設計。
あとハンドニットということもあり、最初は着用した時に肩がハマるポジションが見つからずモゾモゾした感じがありますが、次第に形が出来上がっていくので、己の体でつくっていくスタイルでイメージしていてください。
写真で着用しているのは僕の私物で、少しずつ自分の体に馴染ませながら着ているので、だんだんと肩にハマる感覚が出てきました。
そして、左胸には”凧”。
最初「なんで凧?」と思ったのですが、ちゃんと理由がありました。笑
英語圏の幼児向けのアルファベットの学習帳みたいな本のなかで、”A”は”Apple”、”B”は”Bee”、”C”は”Cat”みたいな感じでイラストが描かれていたそう。
その本の中では”KAKAN”の”K”は、”Kite=凧”の”K”だったことから、「なんか可愛いし、お正月を連想させて縁起がいいじゃん」的なマインドで凧が採用。
KAKANのこういうノリが僕はとても好き。笑
いつか”K”のページが”KAKAN”になる日が来るかもしれないし。
かなり迫力あるバックスタイル。
ハンドニットでこんなメッセージを背負えるとか、もう最高。
モール糸の存在感が遠くからでも分かるくらい有機的な表情をしています。
後ろ着丈は少し短めで、前下がり。
この感じもむちゃくちゃカッコいい。
小柄な女性が着てもモタっとしちゃわずにクールに着れると思います。
前下がりな身頃と、シャープで立体的なアーム。
360度どこから見ても完璧。
あくまでカウチンなので、ジップは務歯も荒めで引き手もアナログな感じ。
ちゃんと付属の選定までこのバランスに着地させるのが素晴らしいよね。
こういうワクワクする服は、無条件に良い。
細かいことを気にするよりも、心が高鳴る洋服に本能的に手を伸ばすことで得られる感覚があると思うし、KAKANはそれに気づかせてくれるキャラクターを持っていると思います。
男性も女性も、お好きな方はぜひ見てみてください。