こんにちは。
CASANOVA&COの野口です。
昨日までは3日間、山内の2025AW展示受注会を開催しておりました。
ご来店いただけました皆様、誠にありがとうございました。
僕個人としても、山内の洋服、山内セールスの小坂さん、そしてお客様の皆様から様々な気づきや学びを頂いた3日間でした。
かなり連続してイベントを行ってきましたが、これにて小休止。
といっても、来月は毎年恒例の”あれ”がありますが。。。
今日は、FOUNDOURをご紹介させてください。
店頭での展開開始からはだいぶ遅くなってしまいましたが、当初からマイペースにやれたらいいかなと思っていたし、ちょうどあったかくなってきたのでいいタイミングかな。
この春夏シーズンにデビューしたFOUNDOUR。
なので、もちろんお取り扱いは今シーズンからです。
ブランドのことについては調べれば情報はいくらでも出てくると思うので改めてここでご説明する必要すらないのかもしれませんが、このブランドの背景への理解が有るか無いかで洋服の見え方は大きく変わってしまうと思うので、簡単にご説明を。
ブランドを司るのは、金子恵治氏。
ご存知の方も多いでしょう。
当店CASANOVA&COでは、4年ほど前に当時金子さんがディレクションしていたブランドのイベントで在店いただいたこともある。
もちろんそのイベントの遥か前から金子さんのことは存じ上げていたし、僕たち販売員と呼ばれる仕事をしている人なら知らない人はいないほどの存在。
まさか自分がこのタイミングで金子さんのつくる洋服を伝える機会をいただけるとは、その当時は思ってもみませんでしたが。。。
このFOUNDOUR、金子さんは”イチから洋服を作らない”ことを大前提としている。
この辺りに関しては、このようなブログなどのテキストベースの媒体では非常に伝わりにくい部分なので店頭にてお話しさせていただければと思うのですが、めちゃくちゃ乱暴な言い方をするとしたら、
「超いい生地使ってます!」
って感じの洋服づくりではない。
ただ、もちろん決して粗悪な生地ということでもない。
あくまで一般的に流通している生地を用いることがほとんどで、その上で着想源とするヴィンテージのアイテムに対して意外性のある生地選定を行い、ベースとなるアイテムの持つ空気感から大幅に逸脱しないように留意しながらきちんとしたパターンと縫製で洋服をつくる。
みたいなイメージ。
そのようにして出来上がる洋服は、ある意味とてもキャッチーに見えるけど、ある意味とても難解な洋服。
別に「この服、難解なんですよー」とか言って敷居を高くするつもりは全くありませんが、この独特なバランス感覚がめちゃくちゃ面白いし洒落ていると思うので、僕はFOUNDOURの提案が提案する内容にとてもワクワクする。
ただ、言葉で説明しようとしすぎると、その独特なバランスが故の難解さが誇張されすぎてしまう気がするので、FOUNDOURのアイテムに関しては、ベースとなるヴィンテージの洋服のことをお伝えしつつ写真中心でご紹介できればと思います。
なので、今回のブログのタイトルは単純に撮影した日の日付。
これもなんにも意味深なことはないです。笑
ただ撮影してからこのブログを書くまでに僕の中で色々な予定変更があったのと、イベントが続いてて書けるタイミングを逸していただけ。
だけど改めて写真を見返してみたら、この日の僕の気分や感覚が反映された格好をしているような気がしたので、過去の自分を俯瞰してみます。
FOUNDOUR
MOUNTAIN PARKA
color _ BEIGE
size _ 2,3
別の格好をして一度撮影していたけど、なんか違う気がして撮影し直したのがこれ。
完全に細めのパンツが履きたかっただけなのだと思う。
まだ少し寒い日だったように記憶していますが、WONDER ROOMのWHALEのスウェットの上からならっちょうど良いくらいでした。
今くらいの暖かさならシャツやカットソーの上からで十分だと思います。
ベースとしているのは、70年代ごろのSYNERGY WORKS。
僕はそれなりに古着っ子だったのでシナジーワークスのことは知ってはいましたが、古着をお好きな方じゃないと知名度は低いと思うし、正直古い現物は僕は見たことがありません。
当時のシナジーワークスはGORE-TEXなどの機能素材のアウトドアブランドの先駆け的存在であった印象ですが、今回のFOUNDOURではコットン100%で無双仕立て。
袖はラグランだけど傾斜はあまりない。
元々がアウトドアブランドだから、こういうバランスだったんでしょうかね。
フードは変わったつくり。
真っ赤なアジャスター。
おもちゃみたいで可愛い。
白いアウターって本来難しいものたと思うんです。
「オシャレしてます」感というか、なんだか気恥ずかしさがある。
普段CASANOVA&COで見ていただいているような超絶的につくり込まれたものでその感覚を打ち消すというのも一つの手段ですが、このFOUNDOURは面ファスナーとか先ほどのアジャスターとかで程よくガチャガチャと抜けがあってキメキメ感が出ない。
それを洒落てると取るかどうかはお任せしますが、僕はなんかこういうバランスの取り方を「いい服ってなんだろう?」って自問自答する時に必要としてる。
FOUNDOUR
COVERALL JACKET
color _ BLUE
size _ 2,3
※サイズ2は完売いたしました
なんでこんな合わせ方をしたのかは覚えていないが、このMidorikawaのラメ入りコットンネルのパンツが、昔よく着てたFIVE BROTHERのネルシャツの生地みたいに見えて、
「カバーオールにはネルシャツっしょ!」
みたいなアメリカ魂溢れる思考回路だったんだと思う。
このカバーオールは40年代ごろのCarharttのカバーオールを参考にしているそう。
いわゆる大戦モデルと呼ばれるやつです。
なのでポケットは片胸片裾にしかつかない。
、、、ただ、様子がおかしい。
一般的に胸ポケットは左胸に来ることが通例で、大戦期の左右非対称に設定されたポケット配置も”左胸右裾”になる。
だけど、これは逆。
”右胸左裾”。
なぜそうなっていいるのか。
それは、
”その方が面白そうだったから。”
こんなに純粋で最高な理由なかなかないでしょ。笑
そしてこのポケット配置、使いにくいったりゃありゃしない。
多くの右利きに人にとっては右胸のポケットに右手を入れようとすると手首を変な角度に曲げないといけないし、右裾にポケットがあった方が利き手でスマホなどを取り出せるからそのままの動作の流れで操作できてスマートなはず。
ただ、そのような不便さがあったとしても”右胸左裾”の方がいい。
だって”その方が面白そうだから”。
ナス紺カラーで使いやすいと思いますよ。
FOUNDOUR
COVERALL JACKET
color _ PINK BEIGE
size _ 2,3
こちらが色違い。
ワタリの広いIRENISAのクレープ素材スラックスを、敢えてシルバータブみたいなイメージで履いたどうなるかなって思って、ほんの出来心でこうなってしまいました。
でも悪くはないと思ってます。
シャツはT.Tの泥染めアロハですね。
胸ポケットのロゴ入りオリジナルボタンは楕円形。
”FOUNDOUR”という文字列を入れようとしたら正円じゃ無理だったから楕円になったと金子さんが仰ってました。
でもなんかCarharrtをベースにしているからこそ、歪な形のボタンに勝手にこちらが整合性を見出そうとしてしまいそうになる。
FOUNDOURの洋服、まだまだあるので不定期にこのようにご紹介させていただければと思います。
お好きな方には楽しんでいただけると思います。
気にしていただける方は見てみてください