こんにちは。
中山です。
今回は以前にもご紹介させて頂きましたFAUVESです。
ラインナップとしては2型。
カーペンタージャケットとパンツ。
当店ではパンツのお取り扱いは初となりますね。
それぞれに使われている生地はデニム。
ご存知の方もいると思いますが、デザイナーはOLDE HOMESTEADERやYE OLDE AND NEWMANなどを手がける福原さん。
福原さんのことだからデニムももちろん普通じゃない。
痺れるようなざらつきと高密度かつ綺麗に整列された生地組織からなる独特なハリ感。
美しいこの生地を写真越しでも感じていただけるように撮影した渾身の生地写真を見てください。
これです。
表と裏。
そしてもう一色。
表と裏。
糸を強く強く撚ることで今にも弾けそうな経糸の凹凸感。
乱れることなく整った美しい見栄え。
裏側の整列具合。
機屋さんの丁寧で卓越した技量と熱量を感じますよ。
カラーリングはEURUとLIGHT BLUEです。
組織としては左綾のデニム。
裏側の写真を見て頂くと分かりやすいのですが、
ECRUのカラーは経糸にECRU、緯糸にネイビー。
LIGHT BLUEのカラーは経糸にLIGHT BLUE、緯糸にECRUに近い色味。
変形組織というわけでもなく、ただただデニム生地を追求した先で誕生した強烈ファブリック。
そんな生地でのカーペンタージャケットとパンツ。
ジャケットは上半身、パンツは下半身。
それぞれで体の動き方が違うし、洋服のフィット感や心地よいと感じる箇所の何から何まで違いますがそれぞれにきちんと生地のポテンシャルが発揮されています。
これはすごいことですよ。
それだけ生地が完成するまでの過程であらゆることが考え抜かれ、前人未到に挑戦した方々がいて、こんなにも(敬意)凝縮されたポテンシャルとなっているということですから。
まずはカーペンタージャケットからご覧ください。
FAUVES
CARPENTER JACKET
size _ 7
color _ ECRU
今回お取り扱いするのはブランドで展開する最大サイズのsize 7。
サイズ的にハーフコートのような丈感になる方がほとんどになるかと思います。
ジャケットの形と生地のポテンシャルに感動的相乗効果が生まれています。
好き好みは分かれると思いますが、僕はとてもいいと思っています。
大きな理由はこれ↑
インポートブランドばりの立体的シルエット。
各所のゆとり感と生地の独特のハリ感が高次元にシンクロ。
腕を下げた時にかま底が身頃の生地を押して、後身頃に生地が自立しているアウトラインを作り出すんです。
もっともっと見て欲しいから、どんどん載せていきますね。
生地の張りはあるけどドレープは柔らかな感じで、近くで見ると強撚で表面も強烈タッチってなんか不思議な感じがしませんか。
これがこの生地のポテンシャルのひとつ。
強烈タッチでありながら、ハリ感がしなやかなんですよ。
だから、余白となる生地が動作に応じて追従し、直立の時にもきちんと収納され生地が自立し洋服がきちんとアウトラインを描いています。
前身頃もそう。
肩の頂点から脇下に潜るように生地が自立しています。
このサイズでこそが生地のポテンシャルが最大限に引き出されている思うんですよ。
デザインとしてはカーペンタージャケットの文脈を踏襲しつつも端的な仕上がりとなるように工夫されています。
福原さん的にデザインディテールは極力排除したものを目指されたらしいです。
さらに、このサイジングで着用頂くことで、洋服のキャラ立ちが中和されスタイリングとしても余白を持ってくれていると僕は思います。
いつものように履いているデニムにパッと羽織って頂いたり。
あと、襟を立ててもいい感じ。
はたまた、タックとプレスの効いたクラシカルなスラックス。それも良い。
色々な洋服と着用して感じたのは洒落た仕上がりにしてくれる洋服だなと。
僕(身長165cm、体重50.2kg)はカフスをワンロールさせていつも着用しています。
洗濯させて手の甲が程よく隠れるくらいになりました。
そして、スタッフの仲(身長176cm、体重57kg)が着用するとこんな感じです。
色味もそうなのですが、やはりこのサイジングによるアウトライン。
足元も革靴で合わせてあげるとかなりエレガント。
端的な仕上がりを目指されてつくられているのにも納得です。
しかも、そのデザインの考えのもと細部のこだわり方がとーーーーってもマニアック。
縫製部分を見てください。
遠目で見ると2本のステッチ。
で、縫われているように見える。けど。
もっと近くで見ると、、、
ネイビーの縫製糸とECRUの生地と同色の糸を使ったトリプルステッチ。
デザインのコンセプトと生地の色味に合わせてわざわざトリプルステッチの色味を変えているんです。
しかも、よく見るトリプルステッチの糸よりも細い糸を使っているんじゃないかと思います。
襟やパッチポケットの縫製は2本針のステッチになっているため、トリプルステッチが下手に主張する事もないようになっていますね。
ボタンは前回もご紹介させて頂いた練りボタン。
通常の作り方とは異なるそうです。
なので、まじまじと見てください。
着用と洗濯を繰り返すことで新品状態よりも艶やかになってきます。
僕はこのボタンがとても好き。
水牛ボタンや貝ボタンに負けない有機的な表情に惚れ惚れしてしまいます。
初めはマッドな質感から、磨かれていき大理石のように透明感のある模様となりますよ。
僕自身もこのFAUVESを堪能しているわけですが、なかなか見かけることのないこの練りボタンがほんとFAUVESの洋服にはバッチリハマっているなーって最近改めて思ったんですよ。
ヴィンテージらしくメタルのボタンだとそれっぽすぎてFAUVESらしいエレガントさが消えてしまうし、コートに着くような水牛のボタンなんかもムードがなんか違う、ムードが重すぎる。
FAUVESの洋服はもっと着る人の解釈次第に楽しむことができる幅の広さを持っている。
だからこそのオリジナル練りボタン。
このボタンにたどり着いたことに素直にすごいなと思いました。
そしてもうお気づきかとは思いますが、こちらのFAUVESのデニム。
余裕で洗えちゃいます。洗濯機でガシガシOK。
1月から着用して既に3回洗濯機で洗われたものを僕は着ているのですがゆっくりと生地の感触が変わってきますね。
洗濯時の工夫を含め、僕の私物の現状は最後にお見せしますので、続いてパンツに参りましょう。
当店では初登場。
FAUVES
RANCHI Ⅱ DENIM
size _ 3,4
color _ ECRU
FAUVES
RANCHI Ⅱ DENIM
size _ 3,4
color _ LIGHT BLUE
RANCH Ⅱ。
FAUVESのパンツのラインナップの中でワイドストレートなシルエットです。
先ほどのカーペンタージャケットに関してはアームや身頃の造形に生地が見事にマッチしていました。
こちらのRANCH Ⅱは。。。
はり感がありつつもしなやかさを持った生地の腰とお尻に対するフィット感。
つまり、
ここ。
腰やお尻の丸みにフィットしたホールド感は気持ちいいです。
着用しているものはバリバリの新品のなので、生地のポテンシャルはまだまだこれからではありますが、この生地がよりしなやかに変化をしたとき、もう一度このパンツに感動するのではないかと思います。
僕が着倒しているカーペンターも洗濯2回目くらいから、おやおやと生地のしなやかさが強くなりました。
そうなった時の肩へのフィット感がびっくり。
自分の肩がハマってくれる部分ができているの。
生地が、肩の丸みに、添ってくれる。
つまり、初めはざらつきも強くハリも強いですが着用して揉んで、洗濯して揉んでを繰り返すうちに人体の丸みに添うしなやかさになってくるということ。
これが、パンツの腰やお尻に。
ここから履きまくっていくことでより寄り添ってくれる。
さらにさらに、ここを見て欲しいのですが。
パンツの後身頃を縫い合わせている部分です。
ECRUだとわかりづらいので、LIGHT BLUEでもう一度。
ここもトリプルステッチ。
ここの縫製部分って、生地を重ねてミシンで縫い合わせているので生地2枚重ねにステッチの縫製糸が入るので硬くなるんです。
しかもトリプルステッチだからなおのこと。
その縫製部分がお尻にグッとフィットしてくれて、高密度なこのデニム生地のはき心地とシルエットを両立してくれています。
そして、このパンツの太さ。
とても適度かと思います。
冬のコートやニットの重衣料にも、夏のカットソーやスキッパーシャツにも。
こんな感じで履いて履いて履きまくる。
そのうち気が付いたらとりあえずこれっていうパンツになってくれていると思いますよ。
パンツのみカラーリングは2色。
ECRUとLight Blue。
スタイルに合わせてお好きなカラーリングでいいかと思います。
それぞれの洋服を洗濯した際の寸法変化の目安としてはこちらのような感じです。
CARPENTER JACKET
ゆき丈約-2cm
着丈約-3cm
身巾約-1.5cm
RANCHI Ⅱ DENIM
股下約-2.5cm
*その後 さらに2CMほど縮みます。
生地の特性上、洗濯し水を含んだ状態になるとかなり硬くなります。
そのため、洗濯の際はタオルや他の洗濯物も一緒に入れてあげることをお勧めします。
僕自身も家の洗濯機でCARPENTER JACKETを洗濯していますが、タオルや下着たちと一緒に洗っています。
洗濯槽から取り出すと自立させれるくらい生地が硬くなるので、ハンガーにかける前に形を整えてあげる方がいいですね。
乾いたら元通りになるので安心してください。
LIGHT BLUEの生地は洗濯時の摩擦の色あたりを抑えるためにも裏返しにしてネットに入れてあげることでFAUVESの変化をご堪能頂けます。
着用と洗濯を繰り返していくことでゆっくりと特有の表情が現れてきて、寄り添ってくれる洋服へと成っていくFAUVES。
この洗濯のひと手間もFAUVESの洋服を楽しむひとつだと僕は思っています。
洗濯が終わって取り出す時にはきっと笑っちゃいますよ、こんな洋服・生地は出会ったことないなって。
そして、最後に僕の私物CARPENTER JACKET。
僕としてはFAUVESを楽しむひとつとして福原さんが生み出す唯一の生地が、生活の中でどのように育ち、変化していくのかを未知の状態からドキドキしながら味わってもらいたいと思っています。
FAUVESは想像を超えてきてくれるので。
ですが、コットンのデニムだしどのようになっていくのか気にされる方もいるとも思っています。
なので、ここからご覧いただくか否かはお任せいたします。
ただ、この生地に関しては見た目での変化はさほど大きいものはなく、ハリ感がしなやかになったり経糸がふっくらしたりととてもマニアックです。
でも、その変化が着込んでいった先でのフィット感につながってくるのです。
非常に分かりづらいので新品との比較でご覧ください。
それでは、洗濯したものがこんな感じです。
新品が一枚目。洗濯後が2枚目。
よーく見ると経糸に少し膨らみが出てきているのが分かりますでしょうか。
密度は変わらずミッチミチ。
着るとこんな感じ。
洗濯後は洗いざらしの状態で着ています。
生地のしなやかさも増すためか洋服の表情としても柔らかくなりますね。
後身頃のゆとりの現れ方も硬さがなくなり自然な形状で収まる所と自立する所に生地が動く。
こうなってくれる方が動きに対しての追従性も柔らかくなるので断然着心地が良くなりますね。
横からみると生地の自立具合がわかりやすいですね。
肩の丸みに添った自然な膨らみになります。
あと、肩の頂点の部分を見比べて頂くと生地のつっぱり具合が違うのがわかりるでしょうか。
洗濯後のものの方が肩の頂点に当たる部分が丸い。
これが、肩に寄り添ってきてくれている所なんです。
ここに、肩が、ハマるんです。
光の具合で写真では色が変わっているような感じになっていますが、色味に大きな変化はありません。
他にもマニアックに変化してくれている部分とかもあるのですがキリがないのでこのくらいまでにしておきます。
洗濯するたびに洋服にまじまじと向き合って、着心地をいつもより研ぎ澄ませて変化していく様を楽しんでいって欲しいのがFAUVESですね。
ご覧頂けますと嬉しいです。