こんにちは。
CASANOVA&COの野口です。
今日も14日から開催する、daisuke tanabe "syvash"に関してです。
昨日Instagramに掲載したこの写真。
これが、2025AWシーズンで使われているムートンです。
これ、まっじでヤバい。
信じられないような軽さとしなやかさ。
そして見たことのない表面のテクスチャ。
実物はとても感動していただけると思います。
少しご紹介させてください。
daisuke tanabe
atlas
color _ blonze blue
size _ 2,3 (sample size 3)
まずはこちら。
ムートンを贅沢に使用したジャケット、atlas。
このdaisuke tanabeのムートンジャケットは、世の中に多く流通しているムートンジャケットとは異なる点がある。
それは、
”服用のムートンを使用している”ということ。
え?当たり前じゃないの?
と、思った皆さん、僕も同じことを思いました。
例えば、ムートンのブーツで有名なあのブランド。
あのムートンはオーストラリアの原皮を使用しているそうです。
その、オーストラリア原皮のムートンの特性としては、タフで頑丈。
だからブーツやカバンに使うにはとても適しているそう。
反面、洋服に使用して今回のようにジャケットをつくろうと思うと、どうしても重くて硬い仕上がりになってしまう。
無骨なスタイルを提案するブランドでは、その重さや硬さを育てていってください的なノリで良しとされているのですが、daisuke tanabeではそうではない。
では、何が違うか。
具体的に言うと、daisuke tanabeのムートンでは”フランス原皮”のムートンが使用されている。
この、フランスというのが肝。
フランスは、オーストラリアと同様にラム食文化が根付いている。
ファッション産業で使用されるレザーの多くは食肉に加工される動物から頂いているので、このような食文化とも密接に関連しているのですが、オーストラリアとフランスで羊肉として好まれる生体の大きさに差があるそう。
オーストラリアでは他の国に比べ大きな個体のラムが一般的で、フランスでは比較的子羊に近い小さな個体のラムが流通しているのだとか。
この個体の大きさの差がとても重要。
どんな種類のレザーや獣毛でもそうですが、生まれて間もない状態から成長し個体が大きくなると次第に皮膚や繊維が頑丈になる。
このdaisuke tanabeが使用しているフランス原皮のムートンは、フランスの食文化に基づいて流通する小さな個体の原皮なので、皮がまだ分厚くなっていなくて、とにかく軽くてしなやか。
ただ反面デメリットもあって、それが何度も言うけど、個体の小ささ。
個体が小さいということは、一頭の原皮から使える分量の革が少なく、用尺を稼ぐことができないので、製品をつくる時には必然的に価格が上がる。
尚且つ、小さいからと言って流通価格が下がるわけではないので、これまたコストがかかる。
これが、フランス原皮のデメリット。
だから、みんなあんまり使わないそうですよ。
ただ、そこにこだわってつくり上げたdaisuke tanabeのムートンはその分すごいものになってると思いますよ。
フロントはジップアップで、ネックを立ち上げて首を覆うことができます。
極寒の真冬でもマフラー要らずでしょ。
ネックを立ち上げた時に見えるこの縫製の質から、daisuke tanabeがどのように洋服づくりしているのかは感じていただけると思います。
かなり厚みのあるムートンですが、この辺りの運針も超細かい。
安心して着ていただけると思います。
ロゴとかは映していないですが、ファスナーはririです。
daisuke tanabeの洋服は基本的に全部ririジップだったと思います。
そして、ファスナー横とネック周り、アームホール部分はレザーのテープが配置。
こんな感じで。
ムートンの毛足も申し分ない密度とクオリティ。
こんな感じで原皮自体のクオリティや洋服としての完成度の高さは本当に素晴らしいのですが、さらにコレクションのテーマが反映されたムートンでもあるのです。
それが、冒頭でお伝えした”表面のテクスチャ”。
昨日のブログの通り、25AWのテーマは”syvash”。
荒廃した世界において、生命が動き出したシーズン。
その荒廃した世界に遺された人工物と、生命とはじめとする自然の鬩ぎ合いが表現されているコレクション。
特にわかりやすいのはこの写真。
ムートンジャケットの表面が、まるで金属かのように光っている。
ムートン、つまり羊のレザーは毛の付いている方が銀面で、ラムレザーなどのスムースレザーでは毛を取り除いて鞣しを施しレザーにする。
そのため、洋服や靴にムートンを用いる際には、本来のスエード面が表として使われることがほとんど。
スエード面だから、基本的にはスムースレザーのように光ることはないはず。
しかし、daisuke tanabeではスエード面(洋服としての表面)にブラッシングを行い摩擦を与え、レザーの内側にある光沢を持った層から”銀を浮かしている”。
さらに、染色をブラックとグリーンの2段階にすることで、表面のグリーンの隙間から浮いたブラックの”銀面”が覗いている。
詳しい話は田邉さんに直接聞いた方がよさそうな気がしますが、とにかくこんな加工が施されているムートン見たことない。
そして純粋に見た目が超かっこいい。
このムートンは原皮と同じくフランスのタンナーさんにお願いしているそうですが、イメージとして古い青銅器の写真をタンナーさんに送ってコミュニケーションを取っていたそう。
こんな感じのテクスチャにしてくれって。
人工物と自然物にフォーカスする中で金属的な表情を持つものに魅力を感じ、ムートンで上記の方法を用いればそれが表現できるかもしれないと。
田邉さんすげぇ。
光の当たり方によって、金属のように光る部分とムートン本来のスエード的表情のコントラストがめちゃくちゃハッキリ出る。
何度も言うけど、こんなムートンは見たことない。
これで超軽いんだから反則でしょ。
このムートンが活かされているのがもうひと型。
daisuke tanabe
poseidon
color _ blonze blue
size _ 2,3 (sample size 3)
これ。
広げると長方形のムートンのブランケットみたいな感じなんだけど、ボタンがついていて、巻きスカートやマントのようにして羽織ることができる。
表にも、ボタン。
裏にも、ボタン。
原皮が小さい分、接ぎを入れないとこの大きさにはできないのですが、そのシームを使ってポケットをつけてくれてる。
写真は撮ってないけど、袋布もムートンの超贅沢仕様。
「巻きスカートとかマントみたいにって言われてもハードル高いよ」という方もいらっしゃるかもしれませんが、単純にめちゃくちゃあったかいのでアウター代わりになるし、使わない時は車の中でブランケットにしちゃってください。
まずはジャケットの着用写真。
178cm60kgでサイズ3を着用しています。
サンプルサイズは3しかご用意はございませんが、175cmくらいまでの方ならサイズ2、それ以上ならサイズ3というくらいのイメージです。
サイドビュー。
しなやかなムートンだからこそ、嫌なもたつきが感じられないと思います。
ムートンでこの形の精度はすごい。
ネックを立ち上げるとこんな感じ。
動きの中で煌めく青銅ムートンは絶品です。
そしてposeidonのマントバージョン。
ブランケットや大判のストールをアウター代わりにする感覚で使っていただけると思いますよ。
スタイリング的な意味でも自由度は高くなりますし。
ボタンの位置を肩口に持ってくることで、片腕の動きは完全にフリーになり、動きが制限されるということもそこまでなさそうです。
金属的な光沢があるので、ムートンの鎧みたいに見える。
巻きスカートバージョン。
これもむちゃくちゃイケてると思います。
セットアップだと無敵の暖かさとラグジュアリーさ。
明日から店頭でご覧いただき、オーダーいただくことができますので、ぜひ見てみてください。
あと、今回はオーダーいただく際には基本的に50%のデポジットをお支払いいただく形とさせてください。
プライス的にも決して安くはないので、検討していただきやすくなると思います。
そして、そうこうブログを書いていたら決まったのですが、急遽ムートン以外のラインナップも見ていただけることになりました。
25AWのフルラインナップとまではいきませんが、daisuke tanabeを知っていただくには十分なボリュームだと思います。
ちょろっとチラ見せしますね。
シルク100%のdaisuke tanabeオリジナルテキスタイル。
ジャケットやコート、ハンチングなんかもあります。
イタリア製カーフのライダース、
草木染めのトスカーナムートンストール、
イギリス本国ベンタイルの中で最も高い”本物のベンタイル”のアウターやパンツ。
かなり特殊なアプローチのニット。
これら全てをオーダー頂けることとなりました。
もちろんムートン以外のラインナップも超daisuke tanabeしてるので、期待してください。
明日から、皆様のご来店をお待ちしております。
土日は田邉さんと一緒にお待ちしておりますね。