こんにちは。
CASANOVA&COの野口です。
連日各ブランドのAWシーズンを締めくくるアイテムたちが到着しています。
そろそろ秋冬シーズンもクライマックスですよ。
ただ、そんな中で、まだそれなりにデリバリーを控えているのがCOMOLI。
COMOLIは春夏シーズンと秋冬シーズンを含めると12ヶ月間常に何かがデリバリーされる。
それはアイテム数が多いからというのもありますが、季節の変化に応じて少し先回りしたアイテムたちを届けるようにしてくれているから。
だから基本的にはCOMOLIのデリバリーで、大きく季節から外れていることはほとんどない。
最近寒くなってきたよねということで、この冬の大本命とも言えるアウターたちが登場し始めました。
その中でも、COMOLIとは何たるかを体現する、弩級のヘビーアウター。
これはCOMOLIが好きな人に限らず、洋服が好きなら一度見てみてほしい。
COMOLI、本当にすごいですよ。


COMOLI
ラムレザー カナディアンコート
color _ BLACK
size _ 1,2,3
まずはレザー。
ひと目見るだけで重厚感が伝わってくる。
革はラムレザーで、以前から使用しているラムと一緒だったはず。
以前はカーコートとかで使われていたかな。
まぁ、とにかく良いラムです。
適度に厚みを残しながらも、着用していて苦しさや動きずらさを感じない程度に漉いていると思います。

衿にはボア、ウエスタン調のヨーク、フラップポケットとハンドウォーマーポケット、ポケット口の三角の補強など、カナディアンコートとしてのディテールはフル装備。
かなり男臭いし、COMOLIというブランドを深く理解しないと意外と思えるほどにフォークロアなムードもある。
ただ、こういうものを自分たちのテリトリーに引き摺り込むのがCOMOLIの上手さ。


あんまり見えないけど裏地は腰位置で切り替わります。
腰より上はウールフリースなので、かなり暖かい。
腰より下と袖裏はキュプラです。


ボタンを留めるループは、レザーの編み込み。
こういうところもめちゃくちゃ手が込んでる。

あまり色々写真で見せすぎるのも野暮だから裏っ返したりはしてないけれど、縫製のクオリティや革質はこの写真でなんとなく察してもらえると思う。
申し分なく、ヤバい。
そして縫製の仕様面でも、かなり丁寧なつくり込みをしていると思うけど、ちゃんとカナディアンコートのような洋服が本来持つ”おおらかさ”みたいなものを無視していないと思うの。
バキバキの仕様でつくり込みまくることはCOMOLIにとって難しいことではないかもしれないけど、目指しているのはそこではないのが小森さんのスタイルだと思う。
あくまでCOMOLIのスタイリングのアウターを担う洋服として、そしてカナディアンコートというアイテムの持つ空気を壊さないままで取り入れることができるように。
ただ、もちろん素晴らしいつくりの洋服である必要はある。
その狭間で生み出すCOMOLIの洋服は、とても独特な魅力を持っているといつも感じる。
日本の都会的な洗練された印象も、ヨーロッパの土着的な要素が強いインポートブランドのような印象も、参照元となる洋服が持つ固有の空気も、すべてがちゃんと混ざり合った上で”COMOLI”という替えの効かないものになっている。
COMOLIの中でも振り切ったアイテムからしか感じることのないそのような感覚を、このカナディアンコートからも感じました。

178cm63kgでサイズ2を着用しています。
合わせているシャツはカシミヤシルクの製品染め、パンツはブラックデニムのベルテッドです。
もはやここからは言葉は必要ないと思うので、写真で感じてください。




写真だと光沢がかなり強く見えるものもありますが、実際にはそこまでビカビカしているわけではありません。
ただ、それでもかなりの迫力はあります。


苦しくなく手を突っ込んだりできるくらいにはしなやかなレザーです。

好き嫌いはハッキリと分かれる洋服だと思います。
ただ、これだけのクオリティでこの空気感に着地できるブランドは他にはないと思います。
スウェットの上下とかにサラッと羽織るような感覚でラフに着てもらうのがかっこいいと思います。


COMOLI
コットンシルク ミリタリーフーデッドジャケット
color _ BROWN
size _ 1,2,3
僕個人的には、今シーズンでNo.1でした。
いわゆるN2-B型のフライトジャケット。
これはホントにえげつない。
かっこいいポイントが多すぎるのと、COMOLIの中ではとてもマニアックで難解な洋服だと思うから書き始める前から伝わらないかもなと挫折しかけているけど、歩み寄って読み取ってください。笑


まず、N2-Bらしいところとしては、ここ。
フードは割れます。
元々はコックピットに座った時に邪魔にならないようにこのようになったと聞いたことがあります。

フードのファーはカシミヤ。
肌あたりと保温性は抜群。
ボディには機能芯の中綿が入るので、日本国内ならこれを着ていて寒いことは無いんじゃないかな。

フードの端の折り返しを戻すと、ジグザグステッチがこんにちは。
本当に細部にまで行き届いた仕事です。
あと、全縫製箇所がそうなんだけど、もはやドレスシャツかのような運針。
中綿入りのミリタリージャケットですよこれ。
ちょっと異常な程の縫製クオリティ。
このような軍モノというジャンルではありえない縫製のレベルにまで引き上げることによって、”軍モノ”という言葉が相応しくないほどの異様なムードが生まれている。



ただ、本当にヤバいのはここから。
そのレベルの縫製に引き上げた上で、表面にはあえてパッカリングが走るように縫い上げられている。
コットン70%シルク30%の超高密度生地に、窮屈そうにピリピリとシワが走る。
これだけの生地と縫製ならバシッと美しく仕上げちゃいましょう、ってなりかねないところを小森さんはちゃんとN2-Bらしくあろうとしている。
表だけは、ね。

裏側。
ネックのタグ付近。
表地と同じ生地を使う無双仕立てなくらいではもはや驚きません。笑
裏は縫製仕様を変えています。
もちろん裏側もドレスシャツみたいなピッチなんだけど、この仕様によって縫い代の厚みや硬さを抑えているのだと思います。
カーブのきついアームホールなども含めて全てこの仕様。
だから着脱の時に引っかかったりすることもないし、中綿が飛び出すリスクも無いでしょう。
すげぇつくり込み。
実物見るとかなり圧巻です。

フロントのフラップ裏。
ここもジグザグ。

ジップはriri。
だけど、艶消し。
ニクいよ、ここまできたら。


こちらも僕でサイズ2です。
中のニットはカシミヤコモリニット、パンツは5Pデニムパンツです。
個人的にはこの5Pデニムも素晴らしいと思っている。
ヒップの収まり方と膝下は絞らないバランス。
男は1着持っておくべきパンツだとすら思っている。
、、、話が逸れてしまうので、ミリタリーフーデッドジャケットに戻りましょう。



細身なデニムにフライトジャケットを合わせるのは永遠の男のスタイルでしょ。
でもめちゃくちゃCOMOLIの哲学が注がれている。
決してアメカジの延長線上ではないところで、COMOLIとしてこのようなスタイルを提案している。

フードを割るとこんな感じ。
僕は昔からフードは割らないほうが好きです。笑

カシミヤファー、コットンシルクの光沢、バチバチの縫製などが相まって気品がダダ漏れなのに、ちゃんと男臭さは根っこに残ってる。

ちゃんとボリュームがあるアーム。
こういうところを削ぎ落としちゃうと必要な男臭さまで綺麗さっぱり無くなっちゃいますからね。
やっぱりこういうバランスがCOMOLIだと思う。


あとこれ、写真じゃ伝わらない点として、無茶苦茶軽い。
見た目の無骨さからは想像できないほど着ていて快適。
むっちゃ暖かいと思うし、コットンシルクが鬼のように高密度だから多少の雨もへっちゃらだと思います。
ただそういう使いやすさはあれど、カナディアンコート同様こちらのミリタリーフーデッドジャケットも好き嫌いは分かれると思います。
それでも、ご覧頂けるとCOMOLIのかっこよさとスタイルを感じていただけると思います。
ブランドとして影響力を持っているし話題になることも多いからこそ、こういうCOMOLIの姿にフォーカスが当たると今まで見えなかったものが見えてくる。
世の中の評価やパブリックイメージに囚われると、靄がかかっちゃいますから。
ワクワクさせてくれると思いますよ、COMOLIの弩級のヘビーアウターは。

COMOLI
カシミヤ コモリニット
color _ CHARCOAL
size _ F
番外編。
今日は先ほどの2着のつもりだったけど、最近COMOLIの5Pデニムをよく履いていて、細身なパンツにゆるっとしたトップスや着丈の長いシャツなどを合わせるのにハマっているの。
だからこんな感じのスタイルも、そろそろいいんじゃない?ってので。

コモリニットは身幅を極端に広く取ったカットソーみたいなバランスのニットなので、こういう軽い感じで合わせてあげると◎。


寒がりでやたら品のいいヨーロッパのスケーターみたい。
ヨーロッパ行ったことないけど。
、、、以上番外編でした。
とはいえカシミヤコモリニットもとても素晴らしいです。
実物を見てみてもらうと感じていただけると思います。
激ヤバなヘビーアウター達と併せて、ご覧いただけましたら幸いです。