こんにちは。
CASANOVA&COの野口です。
昨日までWONDER ROOMのイベントを開催させていただきました。
ご来店いただいた皆様、誠にありがとうございました。
店頭では、生地開発における圍さんの”脳内”をご覧いただけたかと思います。
僕は圍さんと岡本さんから今後のネタバレ的なことを聞いたのですが、WONDER ROOMはまだまだ披露していない引き出しがたくさんありそうです。笑
10回目のコレクションくらいまでは、すでにやりたい生地が決まっているとかいないとか。。。
それだけつくりたいものがたくさんあるというのはすごいことだと思います。
ぜひ、今後のWONDER ROOMも期待していてください。
そして、このイベント期間中にも、さまざまなブランドから秋冬シーズンの納品がありました。
nonnotteや山内やFOUNDOURなどが店頭に並び、まだ出していないけどGERNOT LINDNERやPETROSOLAUMも到着しています。
まだまだ続く怒涛の入荷ラッシュ。
こちらも期待していてください。
その中で、本日は、calmlence。
実は7月末くらいに入荷していました。
店頭ではすでにご覧いただいていて、ウールシルクのイージーパンツはすでにラス1になってしまっていますが、そのcalmlenceの中から今日は”白シャツ”と”スリーピース”。
クローゼットの中では普遍的な役回りの洋服となりうるものですが、しっかりcalmlenceのムードを漂わせながら、地に足つけた堅実さもある洋服です。
それぞれご紹介させてください。
calmlence
REGULAR COLLAR SHIRT
color _ WHT
size _ 1,2,3
見紛うことなく、白シャツ。
誰がどう見ても、白シャツ。
ただ、calmlenceの白シャツとしての圧倒感はこの写真からも感じていただけると思います。
素材はシルク100%。
絹紡糸のシルクです。
140双の絹紡糸シルクブロード。
白シャツ、というかシャツというジャンルにおいてブロードという組織自体は全くもって珍しいものではありませんが、この”絹紡糸のシルク”でやっているというのはあまり見たことがありません。
無地で白シャツとなると織り傷なども誤魔化しが効かないし、平織りとなると生地の厚みを出しにくいから、シルクの平織のシャツ地はもっとペラペラの薄手のものがほとんど。
その点、ツイルのシルクの方がまだ目にする機会があると思う。
ただ、calmlenceオリジナルのこの生地は、しっかり目が詰まっていて、通年で着用できる肉感を備えています。
写真ではトップボタンを開けていますが、ネクタイを締めてもサマになる設計。
calmlenceのシャツの中でも最も普遍的で、だからこそ最も贅沢なシャツだと思う。
熊谷さんの手洗い&天日干しによるテクスチャとシルクの光沢。
その生地のニュアンスに対して少しリラックスしたフィッティングにすることで、真面目すぎずキザすぎず、硬すぎず抜けすぎず、の絶妙なムード。
語弊を恐れずに言うと、すごく程よいんですよね。
もちろん素材は突き抜けているし、縫製もバチバチなんだけれど、全然押し付けがましくなくって、とっても自然体。
白シャツって良いものになればなるほど日常の生活から乖離してしまう傾向にあると思うのですが、僕はこの白シャツならカレーうどんでも二郎系ラーメンでも勢いよく啜れる。
それくらい自然体。
汚れたり汗をかいたりしたら優しく洗ってあげればいい。
それでもきっといつかは襟裏や袖裏に汚れがついたりもするけど、それを忌み嫌うのは不老不死を望むのと同じくらい不健全だと僕は思うから、自然と汚れていく姿も受け入れてあげたい。
でもやっぱり綺麗なシャツも欲しいよねって時が来るとは思います。
その時にはきっとまた熊谷さんが素晴らしいものを用意してくれていると信じて。
研ぎ澄まされた自然体。
calmlenceとして提案する白シャツは、クローゼットの中の選択肢の一つとしてではなく、自身のパートナーとして関わってくれるような、もっと私たちとの距離感が密接なものになりうると思います。
calmlence
NOTCHED LAPEL SACK COAT
color _ BLKST
size _ 1,2,3
calmlence
WORKERS GILLET
color _ BLKST
size _ 1,2,3
calmlence
SINGLE PLEATED WIDE PANTS
color _ BLKST
size _ 1,2,3
ノッチドラペルのジャケットにワンタックのトラウザー、そしてベスト。
ブランドがデビューの時から継続されているスリーピース。
これも普遍的な立ち位置ではあるけど、きちんとcalmlenceらしいムードがムンムンです。
こちらは素材はウール100%。
撚糸の際に撚る方向がそれぞれ逆となるS撚りとZ撚りの糸を掛け合わせ、経と緯に配置。
それぞれがかなりの強撚糸なので、洗いをかけると糸に撚り戻りが起こり、生地の表面にデコボコとした表情が生まれる。
このデコボコと強撚糸だからこそのドライなタッチで、秋冬シーズンの3ピースですが春でも全く問題なし。
だからこのスリーピースがあれば、いつどんな季節にパーティーに呼ばれても大丈夫。
僕はパーティーに呼ばれたことはないけど。
ジャケットにはいつも通りホックがついているので、ホックだけを留めて襟を立てて着用することもできます。
先日開催されていた26SSのcalmlenceの展示会の際に、熊谷さんに「このホックをつけているのはなんでなんですか?」と今更アホのふりして聞いてみたのですが、
「テーラードとか、ジャケットの襟を立てて着るのが昔から好きなんですよね」
と、熊谷さん。
シンプルでこれ以上ないアンサー。
喰らったっす。笑
そう言われてしまったら、そう着たくなっちゃう。笑
パンツはいつも通りサイドにはアジャスター。
内側もいつも通り流石のつくり込み。
腰へのホールド感が桁違いです。
ベストもジャケットも、裏地はいつものフラワージャガード。
ベストはフロント5つボタンで、ポケットが付く。
今回、後身頃も表地の生地なので、ベスト単体としての着用もしやすくなりました。
これは嬉しいポイント。
スリーピース。
もちろん中は、”白シャツ”で。
もうここまで来ると好きとか嫌いとかそういう話じゃないくらい男性における普遍的な服装ですが、そのような普遍的な服装に規範があるとすれば、きちんとその規範の中でcalmlenceらしい乾いた色気を感じる。
あたりまえなんだけど、360度どこを見ても隙がない。
でも、このスリーピースも”衣装”になってしまうようなキメキメ感は全くない。
これで岡山駅にいても「結婚式にお呼ばれした帰りかな」とか、
これでイオンを歩いてても「これからパーティーなのかな」とか、絶対にならない。
ただただ「ムチャクチャかっこいい人がいるなあ」となるだけ。
でも、もちろんそのような華やかな場にもきちんと対応できる”華”はあると思います。
calmlence流に崩すなら、こう。
ホックを留めて、襟を立てて、本切羽のボタンを2つ開けてロールアップ。
合わせてシャツのカフスボタンも開けちゃって、襟も片方だけベストに引っ掛けちゃったりして。
ドレスの規範においては廊下にバケツ持って立たされる激おこ案件かもしれませんが、私たちは生活はカジュアル、いや、ストリートですからね。
もちろんシンプルにジャケットとパンツでも。
ツーピースで崩す感じも悪くないと思います。
今度はベスト×パンツ。
もうこうなったらパンツ単体が魅力的じゃないわけがない。
全パターン超魅力的。
やりたいことが広がるスリーピース。
あれもしたい、これもしたい、もっとしたい、もっともっとしたいになっちゃう。
全体的なサイズ感としては、178cm60kgの私で全てサイズ2を着用しております。
私物のcalmlenceのパンツはサイズ1ですが、形や生地によって選び方を変えているので、その辺りは店頭やメールなどでご相談いただけましたらと思います。
普遍的であるが故に当店では並ぶことの少ない”白シャツ”と”スリーピース”ですが、calmlenceの洋服だからこそそのような立場を任せられると思いオーダーし、ご紹介させていただいた次第です。
ぜひご覧いただけましたら幸いです。