Araki Yuu "Atelierシリーズ"

 

 

 

 

 

bengt parisのイベント開催中。

 

 

 

 

明日、27日(日)で、最終日となりました。

 

 

 

 

その中で、僕にとっては待望の登場。

 

 

 

 

 

Araki Yuu。

 

 

 

 

 

今年の納品は、今日紹介する2つのものと、12月頃に、同じ生地での4B jerkin jacketと、knicker bockersを予定しています。

 

 

 

 

 

 

 

まずは、その生地から紹介しますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

混率は、リネン52%・ウール48%という生地。

 

 

リネンがブラウン、ウールがブラックの色合いで、どちらもが作用し合ってダークブラウンとなるカラーリング。

 

 

 

 

生地には、比較的間隔の広いストライプが入ります。

 

 

 

 

このストライプは、ご覧のように、色が変わって出来上がるストライプではなく、織り組織が変化することでストライプが構成されるというもの。

 

 

 

 

そして、そのストライプそのものには、一定の間隔でひし形のような模様が入ります。

 

 

 

 

Araki Yuuを知って頂けている方には、なんとなくこれまでとの共通項を感じて頂けると思いますが、細かすぎることなく、少し曖昧な織り柄を表現するためのドビー織機というもので織り上げられた、古い時代のムードが漂う生地。

 

 

 

 

似ている織機でジャガード織機というものがありますが、それだと柄が細かすぎて、グラフィックっぽくなってしまいますからね、Araki Yuuでは、ドビー織機でブランドの特有のものをつくっている印象です。

 

 

 

 

 

また、この生地は、織り上げられる生地の段階では、"ボーダー"で織り上げられます。

 

 

 

そのため、生地段階では、経糸がウール(ブラック)・緯糸がリネン(ブラウン)という配置ですが、洋服に構成する際には、それを横使いしている。

 

 

 

 

だから、服として完成をしたものは、経糸がリネン(ブラウン)・緯糸がウール(ブラック)となります。

 

 

 

 

これ結構重要だと僕は思っていて、洋服のフォルムの出方や、今回のもので言うと特にトップスの方で、それがポイントになってるディテールがあります。

 

 

 

 

生地のタッチとしては、すごく独特なドライタッチしてるんだけど、オールドムードと高級感がすごくって、乾いてるのに、素材の良さ、生地の良さが確実に感じられるものですよ。

 

 

 

 

 

 

その洋服、2つを紹介しますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Araki Yuu

 

Atelier Tops

material _ LINEN 52%,WOOL 48%

color _ DARK BROWN

button _ BRASS BUTTON

size _ 0,1,2

※サイズ0と1は完売致しました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Araki Yuu

 

Atelier Pants

material _ LINEN 52%,WOOL 48%

color _ DARK BROWN

button _ BLACK BRASS

size _ 0,1,2

※完売致しました

 

 

 

この2つ。

 

 

 

いつも新型が登場するようなブランドではありませんが、その中でも、Atelier Topsは、新たな形となりますね。

 

 

 

 

Atelier Pantsは、こちらも最近登場したばかりのものですが、前回まではNew Classic Pantsという名前でした。

 

 

 

今回、Atelier Topsの登場により、パンツもトップスも、どちらもが"Atelier"と名前の付くものになりました。

 

 

 

 

順番に紹介しますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"Atelier Tops"。

 

 

 

フロントに4つのポケットが付いた、プルオーバータイプのAtelier Tops。

 

 

 

 

これは、全ての洋服をアトリエでデザイナー自身が生産をするAraki Yuuならではの洋服で、アトリエでの製作作業中に、Araki Yuu自身が必要と考えるディテールを搭載したというもの。

 

 

 

 

僕は、日頃は"プルオーバー"系の洋服は、ほぼCASANOVA&COで取り扱うことがなかったんですよ。

 

 

 

 

ハイネックのプルオーバーや、胸元やお腹付近までボタンが付いてるようなものを除いて、こういう丸首っぽいのは、あんまり惹かれるようなものがなくて、全然取り扱ってこなかった。

 

 

 

 

 

でも、これは、"本能が叫んでた"。

 

 

 

 

 

 

衝撃的なカッコよさを感じたこと、自分が感激したディテール、縫製仕様が搭載されてるの。この"Atelier Tops"。

 

 

 

 

 

 

クルーネック系のプルオーバーの服ってどうしても可愛い感じになっちゃうから、あまり得意ではないんですが、これは、別世界に存在してた。

 

 

 

 

 

だから、サンプルで存在したものをそのまま"サンプルズバリ"で、オーダーしたもの。

 

 

 

 

 

この衝撃。

 

 

 

 

 

皆様もご体感ください。

 

 

 

 

 

って言っても、フルサイズでオーダーしたけど、全然数量がないんですけどね。笑

 

 

 

 

 

ホンット、凝りに凝ってるから、貴重な洋服ですよ。Araki Yuu。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

丸首のプルオーバー。

 

ネックのエッジは、コットン100%のシャツ地でパイピング処理がされてる。

 

 

前身頃は、左右それぞれ一枚ずつの身頃で構成され、その切り替えを利用したネックのスリットを形成しているAtelier Tops。

 

 

 

 

そして、ネックの留めは、オリジナル真鍮パーツをブランドで製作したもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上に記載の通り、ネックの開きの形成は、身頃の切り替えを利用したもの。

 

 

 

 

開き止めには、手縫いのカンドメを施し、補強。

 

 

 

 

ただ、表にお目見えした生地端をよくご覧ください。

 

 

 

 

これすごい。

 

 

 

 

生地端が黒いのが分かると思います。

 

 

 

 

これは、緯糸のウールが見えてるということ。

 

 

 

 

つまり、経糸のブラウンのリネン糸を左右の生地端、それぞれを均等に"抜き取って"、ブラックのウール糸が端にくるように処理してる。

 

 

 

 

単純な断ち切りではなく、経糸を抜いた断ち切り。

 

 

 

 

こうすることで、フロントは糸が噴き出すぎないようにしてるんでしょうね。

 

 

 

 

あとは、首周りには、ブラックのコットン100%でパイピングが施される。

 

 

 

 

生地の端は、同じブラックの色合いで統一されてるけど、異なる仕様での処理。

 

 

 

 

これにより、Atelier Topsの構造が際立ち、ディテールの輪郭が浮かび上がる。

 

 

 

 

プルオーバーだからこそ、構造そのもので"洋服クオリティの差"が生まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボタンの止めは、オリジナル真鍮パーツ。

 

 

 

小ぶりな真鍮ボタンは、これまで見たことがあったけど、ボタンを止めつける真鍮パーツは初めて見た。

 

 

 

これ、Araki Yuuのインスタグラムのストーリーに載ってたから楽しみにしてたもの。

 

 

 

 

それを、手付けで縫いとめていますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

肩は、身頃と袖との縫い代の重なりを軽減させるための断ち切り仕様。

 

 

 

こちらは、フロントとは異なり、噴き出る断ち切りの糸。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、これ見て。

 

 

 

"首のパイピング"、"前身頃と後身頃の縫い合わせ"、"アームホール"。

 

 

 

この3箇所は、それぞれ表から2本のステッチが見えるのですが、どの箇所も2本のステッチの幅が異なるの。

 

 

 

分かりますかね??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アームホールと、前後の身頃の切り替え線のステッチ間隔も異なる。

 

 

 

2本のステッチの間隔が箇所によって違うなんて、どうでも良いかもしれないけど、全然どうでも良くないですからね。

 

 

 

こういうところでも、洋服の違いは生まれるの。

 

 

 

縫製工場生産では、なかなか実現できない仕様。

 

 

 

あとは、アームホールの断ち切りも、雰囲気重視の断ち切りとかじゃないですからね。

 

 

 

Araki Yuuで考える洋服のアウトラインが綺麗に見えるように、縫い代の厚みを軽減することを考えてるもの。

 

 

 

効率重視であれば、接ぎ合わせの縫製箇所は、当然のように同じ仕様になるものですが、Araki Yuuではそうじゃない。

 

 

 

 

現状では全然流通できないけど、それでも限られた流通数の中で、ご覧頂ける洋服のレベルは、どこをどう見ても、僕にとっては感激ものなの。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Atelier Topsの特徴的なディテールのポケット。

 

 

 

これはAraki Yuuの荒木さんが、アトリエで作業をする際に、縫製道具をフロントポケットに入れておくためのものだったと思うけど、アトリエで作業をしない我々でも、これは街で非常に使える箇所。

 

 

 

 

身頃に生地が当てられ、本縫いと手縫いのシルクカンドメで、4つに区切られたもの。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかもね、このポケット。

 

 

 

何がすごいって、内側。

 

 

 

こういう外付け仕様のパッチポケットって、普通なら、内側に折りたたまれた生地端の糸がポケットの内側で噴き出して、バラバラとほつれちゃうじゃないですか。

 

 

 

 

でもね、Araki Yuuはそうじゃない。

 

 

 

 

内側も外側も、どこを見てもポケットの生地の端が出てないの。

 

 

 

 

だから、ポケットそのものがボロボロになってしまうことなく、糸くずがポケット内部に溜まる煩わしさもない。

 

 

 

 

通常なら、2つ折りにしてポケットを外付けで取り付けるところ、Araki Yuuでは、丁寧にアイロンで3つ折りにたたんで縫い付けてるの。

 

 

 

 

まあ、ポケットの内側は、写真撮ってないけど。

 

 

 

 

 

所有者に対してのこの"思いやり"。

 

 

 

 

実物でご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、ポケットの底は、このようになってる。

 

 

 

生地端が出ていないのはもちろん、ものがちゃんと入れられるようにマチっぽくなってる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バック。

 

 

着脱、着用時のゆとりを考えた大きめのボックスプリーツが入るのですが、、、

 

 

 

生地のハリがある分、このボックスプリーツがめちゃイケ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柔らかくも、はっきりと、左右対称に整って演出される"美し過ぎるボックスプリーツ"。

 

 

 

これは、製作時のアイロンワーク、縫製の際に、とても丁寧に工程を積み重ねられてるから。

 

 

 

量産的にスピーディーにつくられる洋服は、こういうのが左右対称じゃないですからね。

 

 

 

 

 

そもそも設計時に"左右対称ではない"というものは、凝っている洋服では時折あるんですよ。

 

 

 

でも、世の中の数多くの洋服が、半身をつくって、それを反対側にそのまま反転させたものがほとんど。

 

 

 

 

にも関わらず、量産時に、結局ズレが生じて左右非対称になってしまっているものはとても多い。

 

 

 

 

 

やはり、技術ある職人が、時間をかけて丁寧につくりあげたものっていうのは、出来上がったものを見てると全然違う。

 

 

 

 

 

Araki Yuuの洋服は、日本のその最高地点だと僕は感じてる。

 

 

 

 

だから、そのような洋服からは、手にして着てみると、とても得られることがあるものです。

 

 

 

 

それが"洋服の力"というものだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

袖口は、ブルゾンカフス。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、この裾。

 

 

 

このAtelier Topsで、洋服構築の観点から、ハンパなく感動したポイント。

 

 

 

これは、サンプルを見た瞬間から、今まで頭の中で鮮烈に記憶に残ってたディテールが搭載されてるの。

 

 

 

 

Atelier Topsは、Araki Yuuで着用時に、ユニフォームのような機能的ディテールを重要視している洋服。

 

 

 

ただ闇雲に、"新作"という洋服を発表するのではなく、"つくる意味がある"洋服をつくってるのがAraki Yuu。

 

 

 

 

だから、ご覧のように、パンツポケットにアクセスしやすいようにということで、裾の脇は、一般的なトップスに比べて、斜めに大きく開いた設計です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後ろから見ても、こんな感じ。

 

 

 

裾脇が真っ直ぐに斜めに開き、裾そのものは直線。

 

 

 

 

これを実現させるための仕様が、僕は初めて見たから感激。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これ、裏から見たもの。

 

 

分かりますかね??

 

 

 

"裾脇の裏の折り返し"。

 

 

 

その幅が、脇の開きに合わせて変化し、そして、裾に合流すると額縁仕立て。

 

 

 

 

通常のこのようなシャツだと、裏の処理の折り返し幅というのは、一定となります。

 

 

 

 

それが、目指す洋服の形を実現するために、このように他の洋服では、見たことのない仕様にしてる。

 

 

 

 

物理的に考えると、縫う前のアイロン工程も複雑になるから、効率重視の工場生産のものでは、ほぼ不可能なはず。

 

 

 

 

ただね、僕はこのディテールから、すごく感じたことがあったの。

 

 

 

 

それは、これまでAraki Yuuでは、シャツの裾は、多くのものが断ち切りであり、その仕様の際には、"見返し布"という表地と同じ生地を裾の形状に合わせて縫い付けていた。

 

 

 

 

また、そうではない場合でも、通常のシャツと同様に、"一般的な幅"の裾の折り返しなんですよ。

 

 

 

 

でも、このディテールは、他のブランドでも、Araki Yuuの中でも、これまで見たことがない仕様。

 

 

 

 

つまり何が言いたいのかというと、現代では、物価高はもちろんだし、そこからいろんな影響があり、洋服に関しては、"誰も見ていない"と思われるようなディテールというのは、全くアップデートされることがなくなったように思う。

 

 

 

 

 

だから、世の中のほとんどの洋服が見たことある仕様ばかりでつくられていると僕は思う。

 

 

 

 

 

でも、Araki Yuuは違う。

 

 

 

 

 

以前に、チラッと聞いたことがあるのが、「荒木さんが洋服づくりの技術を向上させようと、ずっと努力してる」ってこと。

 

 

 

 

 

もともと、ただでさえ複雑で時間がかかるAraki Yuuのコレクション製作を行いながら、自分自身の技術が向上するように地道に仕事に向き合ってる。と。

 

 

 

 

 

 

そんなふうに洋服をつくってる人って、この世の中にどれくらいいるのだろうか。

 

 

 

 

 

一般的には、"誰も見ないディテール"だと思うけど、これまでに出会ったことのないディテールであり、そして、一着の洋服というのは、そのようなディテールの集合体なんですよ。

 

 

 

 

 

自分自身で磨き上げてきた縫製技術と、それに伴って生まれた仕様。

 

 

 

 

 

僕は、つくり手のこのような仕事にとても心を惹かれるし、そのような洋服にこそ、人の心を動かせる力があると信じてる。

 

 

 

 

 

だからこそ、僕はAraki Yuuの洋服は、隅々まで見て自分が感激するし、実物をご覧頂ける方、所有頂ける方には、見てもらいたい、知ってもらいたいと心の底から思うんですよ。

 

 

 

 

オーダーしてからすぐには届かないけど、納品してもらったAraki Yuuの洋服を見てると、自分の仕事への向き合い方っていうのもすごく考えさせられる。

 

 

 

 

こういう領域の洋服は、ただ着るだけではなくて、見る人、着る人の"心に作用する"ものがあると思う。

 

 

 

 

 

まあ、色々書いたけど、こういうものづくりは誰もが続けることができないからこそ、そういうことをやり続けてるAraki Yuuのようなつくり手を知ってもらいたいと思うワケです。

 

 

 

 

 

で、結局、出来上がってる洋服がカッコいいんだから、もうね、神がかってるわ。Araki Yuu。

 

 

 

 

 

あっ、そうそう。

 

 

 

 

 

"神シリーズ"で言えば、もうそろそろMOTHER HAND artisanも登場しますからね。

 

 

 

 

楽しみにしておいてくださいね。笑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、裏。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウラ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

URA。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裏。 

 

 

 

 

 

いや、もはや"一級品の表"だ。

 

 

 

 

 

あまりにも綺麗すぎる裏側の仕上がりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

肩の裏側。

 

 

 

 

 

 

 

 

アームホールの裏側。

 

 

表は、断ち切りだったアームホールの縫製。

 

 

 

裏は、こう。

 

 

 

それにね、一般的な工場生産の洋服よりも、生地端からのステッチ幅が狭く、とても綺麗で見事な縫製だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先述の通り、裾裏もカンペキだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これほどにまで精緻であり、カッコよさを誇る洋服が他にどれだけあるだろうか。

 

 

 

既にお持ちの方も、そうではない方も、更なる磨きがかかったAraki Yuuの洋服をご体感頂けたら嬉しく思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、もう一つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"Atelier Pants"。

 

 

 

こちらも生地は、先ほど同様。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フロントノータック、ワタリ周りが気持ちゆったりしたストレートのパンツ。

 

 

 

一見シンプルですが、Araki Yuuですからね。

 

 

 

とてもよくできていますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイドはこんな感じ。

 

 

 

まず、特徴的なのは、ウエスト帯。

 

 

 

フロントから、後ろに行くに従って幅が変化し、またバックがグッと高くなる構造。

 

 

 

バックが高いのは分かるのですが、ウエストベルトの幅が変化するのはAraki Yuu以外では僕は見たことのない設計です。

 

 

 

多分ウエストのフィッティングを高めるための構造だとは思うけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バック。

 

 

先述のウエスト帯は、一続きでグルリ一周ではなく、背中心にはシンチバックでウエストをアジャストした際に、非常に収まり良くなるためのマチが配置されてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このマチの構造も、通常では見ることがない形状をしてる。

 

 

 

ただでさえ、丸みが強いお尻周りの箇所に、両サイドがカーブした独特の形状のマチを見事に縫ってる。

 

 

 

これ、裏もめちゃくちゃ綺麗だから、あとで写真掲載しますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、こちらがシンチバックでウエストをアジャストした状態。

 

 

マチとして設けられた生地パーツが無理なく素直に折り畳まれる。

 

 

このウエストのアジャストは、かなり幅が広く、どれだけウエストが細い人でも、シンチバックでアジャストすれば、ウエストがフィットし、かなり心地よく穿くことができるほど。

 

 

 

体が華奢でウエストがとにかく細いパンツ難民の方でも、サイズ0であれば、OKだ。

 

 

 

身長167cm、体重52kgの僕でもノーベルトで穿くことができるパンツでもあり、非常に許容範囲が広いのも、このAtelier Pantsの大きな特徴である。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、いつも通りの針シンチ。

 

 

今回は、真鍮黒塗り。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Atelier Pantsは、バックが壮絶。

 

 

先述のように、Araki Yuuの洋服縫製のレベルが磨かれているのを目に見えて物語る箇所がバックポケット。

 

 

 

表にステッチが出ないカーブしたフラップポケット。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フラップを中に収めるととても分かりやすい。

 

 

Araki Yuu以外、他にやってるブランドは知りません。

 

 

 

"南京玉縁 (なんきんたまぶち)"

 

 

 

今では、このようなポケット口の両玉縁や片玉縁でさえも、省略されたり、工程に手間がかかるため、代替案で形成されたりすることが多い。

 

 

 

 

しかし、Araki Yuuは、その中で、"最もハードルが高い玉縁仕様"でつくり続ける。

 

 

 

 

ポケット口の端が三角形になってるのが写真で分かると思いますが、上下それぞれの玉縁布をアイロンを駆使して、手で内側に折りたたみ、形づくる方法。

 

 

 

そして、それを補強するために手縫いのカンドメ。

 

 

 

もはや今の時代では、なくなってしまった古い洋装テクニックですが、それを一つ一つ丁寧につくり続けてる。

 

 

 

 

しかも、Atelier Pantsについては、"南京玉縁 + フラップポケット"という仕様だ。

 

 

 

 

それが、Araki Yuuでも、南京玉縁を洋服に取り入れたのは、3年前か4年前くらいの話で、それまでは、通常の両玉縁仕様でつくってたんですよ。

 

 

 

 

つまり、Atelier Topsでも記載した通り、Araki Yuuの洋服のレベルが高まっているということ。

 

 

 

 

 

数が流通できていないのであれば、普通なら、

 

 

"生産性を高める = 簡素化して量を流通させる"

 

 

という選択肢をとるのが、日本のビジネスの一般的な考え方だと思う。

 

 

 

 

 

でも、Araki Yuuは、工場生産に移行して、仕様を簡素にして、生産量を上げて、というような"数の勝負"を選択してない。

 

 

 

 

全ては、Araki Yuuの洋服を手にしてくれる方のことを思ってつくり続けてる。

 

 

 

 

僕もこのブログでは、書けないエピソードがあるんですが、それを聞いた時には、「嘘でしょ」って感じ。

 

 

 

 

Araki Yuuで世の中に存在してるものは、一着一着がすごいものだと思いますよ。

 

 

 

 

こう、ブログを書いてて思い出したけど、京セラの創業者の稲森さんが、京セラを創業した際に、従業員の方に常に言ってたそうです。

 

 

 

「手の切れるようなものを開発しろ」と。

 

 

 

このことを分かって頂ける方がどれくらいいるか分かりませんが、僕はAraki Yuuの洋服を見てると、そのような稲森さんの本に書いてあった言葉をよく思い出すんですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

非常に複雑な技法が満載な後身頃。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フロントは、黒塗り真鍮のボタンオープンです。

 

 

 

ボタンホールも、手縫いのボタンホール。

 

 

 

Atelier Pantsは、股上が深めであるため、ボタンの間隔は広めですね。

 

 

 

 

 

 

 

でね、もうちょっと近づいて、これ見て。

 

 

 

 

 

 

これ。

 

分かりますか??

 

 

 

ウルトラ美しい前立て裏。

 

 

 

手縫いのボタンホールはもちろん、丁寧に角が折り畳まれたウエスト見返し布。

 

 

に加えて、前立て見返し布を1mm控え、あまりにも真っ直ぐ過ぎるアメージングコバステッチ。

 

 

そして、前立て端のパイピングとそのステッチの揺るがない精緻さ。

 

 

 

 

マジで、綺麗過ぎて、穿いててもボタン開けてずっと見てたくなるレベルですよ。これ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ということで、裏。

 

 

 

Araki Yuuでは珍しく洒落たブルーストライプの裏地を使ってる。

 

 

 

前身頃側だけの裏地です。

 

 

素材は、キュプラ100。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後身頃側の裏。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこをどう見ても、身震いするほどウルトラきれいな出来してる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、たくさんの縫い代が重なるため、こんなところまで手まつりしてた。

 

 

分かりますかね??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裏の構造はこういう感じ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、このAtelier Pants。

 

 

股の箇所にも、切り替えたマチ付きなんですが、その裏のパイピング処理もヤバヤバ。

 

 

 

 

見てこれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真で見えるかな??どうだろ。

 

 

Atelier Pantsを形成するそれぞれの線が、途轍もないレベルで交錯する様子。

 

 

 

 

あとは、まあ、なかなか他ブランドでは、ここまでのレベルではできないだろうな。って思うのが、こういう箇所。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしても、生地の重なる枚数が多いし、非常にステッチの歪みが出やすいアウトサイドシーム側のポケット周辺から、足回りにかけての箇所。

 

 

それが凄まじいレベルで真っ直ぐ縫われてる。

 

 

 

この箇所は、縫う時に、とにかく神経を使わないとこのレベルでは不可能だと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな難しい箇所も、この見た目。

 

 

 

凄過ぎ。

 

 

 

これ見てると、一着にどれだけの時間かかってるんだろうなって、果てしなく思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裾裏でさえも、パイピングです。

 

 

でも、手まつりではなく、裾の止めつけはミシンで叩いてる。

 

 

 

その仕様なのにパイピングというのは、とても珍しい仕様。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着用。

 

 

身長167cm、体重52kgで、Atelier TopsもAtelier Pantsも、どちらもサイズは0。

 

 

 

着てる写真では、少しバーガンディーっぽく写ってるけど、もう少し茶色いかな。実物は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちゃんと使えるポケット。

 

 

 

まあ、大体着てる写真はこんな感じです。

 

 

 

 

Araki Yuuの洋服づくりが詰まった"Atelier シリーズ"。

  

 

 

 

お好きな方は是非、見てみて。

 

 

 

 

 

 

 

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