こんにちは。
CASANOVA&COの野口です。
本日はタイトルの通り、Olde H & Daughterをご紹介させてください。
今シーズンのOlde H & Daughterで最も心震えた1着。
Olde H & Daughterらしさが爆発していて、それでいてとてもニュートラルな洋服だと思いました。

Olde H & Daughter
SILK HEAVY WEIGHT PLAIN STITCHES KNITTING P/O
color _ OFF × NAVY
size _ 10

Olde H & Daughter
SILK HEAVY WEIGHT PLAIN STITCHES KNITTING P/O
color _ BLACK × IVORY
size _ 10

Olde H & Daughter
SILK HEAVY WEIGHT PLAIN STITCHES KNITTING P/O
color _ BROWN × BLACK
size _ 10
フレンチ的なスタイルの定番アイテムとして”型”が出来上がっている”バスクシャツ”。
その”型”は無理やり崩す必要はないほどに完成されていて、世の中に浸透しているものだと思います。
でも、だからこそ、僕個人としてはわざわざ着る理由が思い浮かばないアイテムでもありました。
代名詞的なブランドのバスクを着用するほどそのようなフレンチスタイルに傾倒しているわけでもないし、かといってアヴァンギャルドに”型破り”なことをやっているバスクが良いかと言われるとそういうことでもない、、、というか。
一言で言えば、自分の、ひいては店のスタイルに対して精神的にしっくりくるバスクに出会ったことがなかった。
それは、一個人の野口としても、バイヤーとしても。
ただ、今回のOlde H & Daughterのバスクシャツは、完璧でした。



まずは言わずもがな、素材。
綿ではなく、シルク100%
こういう”型”があるアイテムほど、「アッパーな素材に置き換えました〜」みたいなアプローチが多いと思うけど、Olde H & Daughterからはそういう下心みたいなものが一切感じられない。
あくまで、「Olde H & Daughterがバスクをつくったらこうなるよね」という自然な成り行きに感じる。
ただ、やはりシルクを用いることで、明らかな違いが生まれている。

綿と異なり、ほっこりとした毛羽立ちが無い分、ボーダーの境界線がハッキリする。
さらにシルク特有の濁りのない発色によって、綿のバスクと比べるとブラウン管のテレビと4Kテレビくらいボーダーの見え方が違う。
これが良いかどうかはその人が求めるもの次第かもしれないけど、王道フレンチスタイル以外でのバスクがどうしても”外し”的な役割の域を出なかったのはこういうところなんじゃないかな。
Olde H & Daughterはブランドとして得意とする上質なシルクを、ブランドとして得意とする度目を詰めたニッティングで編み立てることで、自然とその域を超えた。

ネックラインは表にステッチが露出しないように、ひと工夫。
これだけで着用した時のネックラインの見え方が全く違う。

袖や裾の部分も、一般的なバスクとは異なる始末。
袖や裾の端部分で折り返して、生地が二重に重なっている状態。
リブに切り替えているかのような幅がありますが、その部分だけが二重になっているということです。
細かな話ですが、ネック、袖口、裾の3箇所がこのような仕様になっていることが、この1着の完成度を陰で支えていると思います。

超ヘヴィーなシルクにしか出すことのできないしなやかな生地の動き。
はっきりとした濁りのない発色。
ヌメりのある光沢感。
気を衒ったわけではないバスクシャツの見た目なのに、明らかに違う空気を持っている。

いつもの”OLDEスタイル”なので、袖付けに傾斜はなく、身頃とT字の角度になります。
その分肩周りに特有のドレープが出ます。
着用を重ねるうちに肩周りの馴染みは出てくるかと思いますが、この辺りはOlde H & Daughterのバスクならではのフォルムと言って良いでしょう。


”This is バスク”なOFF × NAVY。
超王道配色が故にコテコテ感が出てしまうかと思いきや、さすがOlde H & Daughterのバスク、良い意味で普通じゃないし、それが最もよく表現されているのはOFF × NAVYだと思う。
シルクだからこそ、粗野な印象のパンツと合わせた時に輝きます。



シルクやカシミヤの黒はとてもよく映えるので、必然的にOlde H & Daughterの黒はカッコ良い。
僕個人としては、本流のバスクシャツにおいて最もどうやってやって着たらいいか分からないのがブラックベースにアイボリーボーダーの配色なんだけど、これはとても自然体。


圧倒的王道のOFF × NAVY、その”ウラ”的立ち位置のBLACK × IVORYに対して、、、

少しマニアックなBROWN × BLACK。
こちらも素材の良さがとても際立っていると思います。


濃色×濃色なのに、ぼやけることなくとてもシャープに見える。



シルクには天然の調温調湿機能が備わっているので、1年を通じて様々な着方で楽しんでいただける1着だと思います。
今の時期にはウールやカシミヤのニットの代わりに着て上からアウターを重ねればそこそこ暖かいし、3〜4月にはシルクニットの感覚で、5〜6月には長袖カットソーの感覚でショーツとか合わせればそれでOK。
色によっては春らしく感じるものもあるかもしれませんが、基本的には真夏以外1年通して着ることができるんじゃないかなと。
別に僕はフレンチスタイルを提案しているわけではないので、お手持ちのパンツに合わせてもらうだけで大丈夫です。
それで完成するので。

冒頭にも書いた通り、これはOlde H & Daughterが、そして藤林さんがつくるバスクとして、とても必然的なものだと感じました。
「型破りなことをしてやろう」みたいな、市場を見渡した時に特殊な立ち位置になることを意図したものではなくて、もっとOlde H & Daughterや藤林さんの内面の部分から滲み出て生み出された感覚が近い。
だからこそデザインにも素材にも仕様にも無理がなくてとても自然体でありながら、素晴らしく上質で特別感のあるものに仕上がっている。
このバランスは、それを意図すればするほどそこから離れていくジレンマを孕んでいると思う。
だから、人格の内面からものづくりをしている人にしかできない洋服だと思うし、そのようなものに出会ったときにしか感じない高揚感を展示会の時にめちゃくちゃ感じました。
Olde H & Daughterをご覧いただく上で、間違いなく新たな発見を体感して頂ける洋服だと思います。
傑作です。
気にかけていただける方は、ぜひ実物を見てみてください。