こんにちは。
CASANOVA&COの野口です。
本日も、THE NULABELとのこちらのイベントについて。

THE NULABEL × CASANOVA&CO
NU-ORDER - Indigo as a Living Process -
2026.01.17(SAT) - 2026.01.21(WED)
昨日のブログでご紹介した藍屋テロワールさんでの参与観察もそうだったんだけど、ハイパースリリングなスケジュールで様々なことを進めてきた今回の企画。
僕が1度目の染色を行ったナイロン素材のカーゴパンツが、今日なんとか到着してくれました。
各工程で間に合わせてくれた皆様に感謝してもしきれません。
ちなみに本当は今日サラシの製品の全型ラインナップをご紹介できればと思っていたのですが、全て揃っていない状態なので、今日は先に染まり上がったカーゴパンツを見て頂いてTHE NULABELの空気感を感じ取ってもらえたら嬉しいです。

JACKET :
WORK JACKET
material _ SILK NOIL
color _ CHOCOLATE
process _ BLUR (有松鳴海無地染め)
PATNTS :
CARGO TROUSERS
material _ BIO NYLON
color _ NATURAL INDIGO
process _ BREATH (藍染め)
ジャケットに関しては26SSでブランドにおいてインラインで展開されるアイテムのサンプルなのですが、今回のイベントにおいても生地/染色の組み合わせ自体はお選びいただけるので、参考として合わせて着用しております。
ただ1点、”縫製の糸”がちょっと変わるのですが、この点はまた明日ご説明させてください。
パンツはまさに今回のイベント仕様で製作したもの。
これ、いい意味で、かなりヤバいと思う。


アイテム名の通りの”カーゴパンツ”なのですが、このラインの美しさ。
しかも製品染めですよ。
かなりソリッドでドレッシーな顔つきでしょ?。

全方位、どこから見てもパーフェクトです。
めちゃくちゃ軽いナイロン素材でもこういうフォルムになるのがTHE NULABEL。



研ぎ澄まされたキレッキレのフォルムにプラスして、タクティカルな一面もある。
ただし、フランス軍のM41のような野暮ったさは皆無で、ソリッド&タクティカル。
ウエストポケットはririジップで、カーゴポケットと裾のスナップはCOBRAXスナップ。
今日は写真を撮っていないけど、カーゴポケットの底面にヘリンボーンテープを当てていたり、スナップがつく部分には芯材などで補強を入れている。
これによりポケットにかかる負荷を分散できるし、スナップを勢いよく外した時にも生地へのダメージを軽減できる。
まぁ、スナップボタンは勢いよく外さないほうが絶っ対に良いんだけど。笑
でも、THE NULABELは、こういう”転ばぬ先の杖”的な見えにくいディテールをとても大切にしているブランドだと思う。
”ユーザーの行動を先読みした緻密な設計”から、濱田さんのデザイナーとしての合理的な側面と、優しさや思いやりが込められていると思う。
そしてそれはTHE NULABELが目指すものが、自己表現の作品的な世界ではなく、洋服という道具への美しさを追求していることを感じさせる。

そしてなにより、皆さんが気になっているであろう、藍屋テロワールさんでの藍染めの仕上がり。
これは、もう言葉を失った。。。

藍の色が何層にも重なり、とても薄いはずのナイロンの生地に平面にはない拡がりを感じる。
”色のムラ”や”深み”といった言葉では形容しきれないほど幻想的な色合い。
紅葉した葉っぱや夕焼けの空から感じる美しさのような、自然物からしか感じることのない”不均一さ”が確かに存在していて、「やっぱりあの日みた藍の循環は生きていたんだ」と強烈に思った。
そして同時に、洋服から微かに藍の匂いが感じられて、「この藍は、いまもまだ生きているんだ」と感じさせられる。
THE NULABELでは、それぞれの染色プロセスに対して固有名詞を与えており、この”藍屋テロワールの藍染め”は”BREATH”と名付けられています。
ちなみに、有松鳴海無地染めは”BLUR”。
これは、「THE NULABELが向き合う製品染めはただの着色を目的としたプロセスではない」ということを意味します。
染められる布ないし洋服が、時間・染料・職人とどのように関わったのか。
その記録としての”色”。
だからこそ、それぞれの染色プロセスにおける関わり方を象徴した名称をつけている。
そして、その”色”を持った洋服が着用者の手に渡り、日常生活の中でガシガシと使い込んでいただくことこそが皆様ひとりひとりが循環に参加するということだと僕は考えています。
さらに、その度重なる使用によって変化した”色”もまた、THE NULABELが向き合う”染め”と”人”が関わったことによって引き起こされる再現性のない”色”のプロセスなんじゃないか。
、、、なんだか壮大な話のように聞こえるかもしれないけど、ある意味とてもシンプルでもあって、
気に入ってくれたら、とにかく着る。
そこに対しての”転ばぬ先の杖ディテール”は先回りして濱田さんがやってくれてるし、着れば着るほど勝手に自分のものになっていく。
これを読んでくださっている方や、店頭にお越しいただける方は、それだけでもうすでに僕たちが提示している循環の入り口に立ってくれているので、あとは着るだけ。
それは、”消費”ではなく”循環への参加”として。

人の手による生きた天然染色だから生まれる”不均一さ”と、濱田さんの設計からくる”緻密さ”。
洋服的な話をすると、この2つがTHE NULABELをTHE NULABELたらしめる核の部分だと、僕は思います。
そして、THE NULABELの唯一性だとも思います。

パンツのことばっかりになってしまっていますが、WORK JACKETもヤバいです。
写真全然撮れてないから明日改めてご紹介させていただきたいのだけれど、チェンジボタン裏の金具の部分の仕様とか、本当に超変態仕様。笑
THE NULABELの洋服は、直接手に取って見るとそういう見たことのないディテールが「道具性のためですよー」みたいな顔して当たり前に搭載されていて、めちゃくちゃ興味深い。

パンツは先述した通り、ブランドではBIO NYLONと呼ばれている生地。
THE NULABELを象徴する生地で、濱田さんもとても気に入ってよく使用しているナイロン素材。
BIO=バイオ、という名前の通り、生分解性を備えたナイロン。
実際に土に還す人はいないと思うし、ブランドとして別にSDGsがどうだとかでこの生地を使っているわけではない。
ただ、染色した時の独特なタッチ感と、それぞれの染色プロセスによって異なる印象に化ける感じは、あまり他には体験したことの無い感覚でした。
そしてジャケットの方に使用しているのがSILK NOIL(シルクノイル)。
元々は製薬会社が薬品の液体を濾過するために開発したシルク生地。
確かに以前、化学薬品の変質や反応を防ぐために、ポリなどの化学繊維ではなく天然繊維であるシルクを用いているというのは聞いたことがあります。
ただし、衣類に用いる想定ではなかったため、圧倒的に生地幅が狭い。
最も一般的な”ダブル幅”と呼ばれる生地幅であれば150cm前後の幅で織られており、その分少ないメーター数で1着の洋服をつくることができますが、
今回THE NULABELが使用するシルクノイルは、生地幅なんと83cm。
ダブル幅(150cm前後)のほぼ半分なので、1着に使用するメーター数は超単純な計算でも約2倍。
さらには生地の地の目の方向なども考えたら、幅が狭いことによって取り都合も悪くなるし、もう最悪。
ということもあって、生地に対するコストは半端ないけど、その分得られる恩恵も半端ない。

着用しているシルクノイルのジャケットは、有松鳴海の無地染めを施したもの。
サラシの状態でも一般的なシルクの光沢感とは異なるボソボソとした凹凸感があるのですが、これが染めのプロセスを経ることによってよりドライなタッチに。
スエードのような毛足感と、シルクならではの軽さと放湿性、着込むごとに変化する風合い、そして何より天然染色とは抜群に相性がいい。
昨日、シルクノイルの染色サンプルとして染めてもらった”藍染めシルクノイル”の写真を送ってもらったのですが、腰を抜かすほど美しかった。
さぞ自然光の下で見たら美しいんだろうなぁと思っている。(まだ届いてない。)
明日のブログでご紹介できると思うので、楽しみにしててください。




明日はサラシの製品ラインナップをご紹介しようと思っているのですが、多分実際にオーダーをご検討いただける方にとってはサイズ感を確認して頂くためのサラシ製品といったイメージになるかと思います。
イベント時にはそれぞれBIO NYLONとSILK NOILで5種類の染色サンプルを展示しますので、ぜひそちらを身に纏ってみてイメージを膨らませていただけましたら幸いです。
また明日、サラシの製品と染色のラインナップをご紹介しますね。