求める"財布"とは

 

 

 

昨日、お知らせしたPETROSOLAUMとの財布。

 

 

オーダー期間のスタートまで、まだもう少しだけありますが、早速お問い合わせのご連絡を頂けた方々もいて、ありがとうございます。

 

 

昨年、一年前にお披露目した財布ですが、昨日もお伝えした通り、自分自身が求める財布を見事に形にしてもらったもの。

 

 

PETROSOLAUMの荻野さんの感覚は、抜群だから。

 

 

こちらの要望を見事に形にし、使い続けた先への期待もすごく高い出来のものをつくってくれてるんですよ。

 

 

 

そもそも、当店では、昨年から変わらず、現状では"財布"というものの通常取り扱いがほぼないのですが、それは昨日も書いた通り、自分で心から納得できる財布に出会っていなかったからです。

 

 

だから、つくってもらった。

 

 

僕の場合は、"自分でつくる"というよりは、

 

 

"信頼できる自分以外の人に形にしてもらう"ということが非常に重要なんですよ。

 

 

では、僕は、どのようなものを求めていたのか。

 

 

 

・革の質感

 

・フォルム

 

・用途

 

 

この3つのバランスで、心の底から満足できるものに出会えていなかった。

 

 

まず、"革の質感"について。

 

 

このことは、やはり僕は、生粋のおじさんだから、"使っていくと自然に変化をするレザー"ということが大事だった。

 

 

だって、ほぼ毎日、必ず使うものなのに、使っていっても何も変化していかないのは、寂しいじゃないですか。

 

 

もちろん、世界の名だたるブランドが発表してる財布も良いとは思うんですよ。

 

特にみんなが知ってるようなヨーロッパの方のブランドのとか。

 

実物を見ても、やはりお金かかってるな〜。って思うし、すごく均整が取れて、高級感に溢れてるじゃないですか。そういう財布って。

 

ただ、そういうブランドの財布って自分のスタイルには合わないなって思っちゃうの。

 

 

日頃、自分が洋服着てる感じからすると、親和性がなくて浮き過ぎちゃうと思うし。

 

なんか、中学生の時に、少年なのに、財布だけハイブランドのパチもん持ってるみたいな感じに思っちゃう。

 

 

かと言って、伝統を重んじて変わらぬ革で、変わらぬ製法でつくっています。みたいな感じのメーカーの財布は、全く興味がないし、通常流通してるようなドメスティックブランドのものだと、使った先が容易に想像できちゃう。

 

 

だから、そうなるとまず、革の鞣しは、クロムではなくて、複合鞣しでもなくて、必然的に"ベジタブルタンニン鞣し"になる。

 

 

天然原料。

 

 

ただ、PETROSOLAUMのコードヴァンバットは、"100%"ベジタブルタンニンで、"フルベジタブルタンニン鞣し"となる。

 

 

更には、それだけではなく、フルベジタブルタンニン鞣しのレザーでも、その方法が2つあるの。

 

・ドラム鞣し

 

・ピット鞣し

 

この2つ。

 

世界的に見ても、そのほとんどが"ドラム鞣し"だそうですよ。

 

ドラム鞣しというのは、その名の通り、大きなドラムをグルングルン回して、その中で鞣していく感じ。

 

鞣し成分を原皮に叩き込むみたいな感じですね。それなりに短時間で、タンニン鞣しも完了するそうです。

 

 

 

対して、"ピット鞣し"。

 

 

これは、世界的にも、PETROSOLAUMがコードヴァンバットを開発する新喜皮革さんと、もう一社くらいしか持っていない、"ピット槽"という大きな浴槽のようなもので、原皮を鞣し成分に、何日も何日も、濃度を変えて、漬け込んでいく方法。

 

 

これは、時間はとてもかかるけど、革に負担がかからず、ゆっくりと鞣し成分が浸透する上に、繊維質がとても密になる方法だ。

 

 

もちろん、PETROSOLAUMのコードヴァンバットは、これ。

 

 

"ピット槽"による、"フルベジタブルタンニン鞣し"なのだ。

 

 

それでいて、単なる革ではない。

 

 

"コードヴァンバット"という革。

 

 

一般的に流通してるような牛革でもなく、いわゆるコードヴァンでもない。

 

 

世界でも唯一のレザー。

 

 

PETROSOLAUMの荻野さんと新喜皮革さんが開発した、オリジナルの革なのだ。

 

 

もう、そうなると完全なる未体験のレザーであるわけですよ。

 

品質は絶大な信頼を置いてるし。

 

コードヴァンのキメ細かさと、徐々にグラデーション状に、スウェード面が現れる見た目。

 

誰が見ても高級感があるレザーであり、それでいて、全然単調じゃないの。

 

 

この革、ホンッットすごいから。

 

 

見た目も触り心地も、自然で無理のない変化も。

 

 

こういう革を財布に求めてたんですよ。

 

 

 

 

 

ただ、革だけでは、一つに特化しただけ。

 

それでは、良いものとは言えないと思う。

 

 

大事な"フォルム"。

 

 

つまり、形状ですね。

 

 

僕は、日頃から鞄を持ってることが多いから、財布も鞄に入れるのですが、それでも時には、手ぶらであることももちろんある。

 

 

そうなった時には、必ず洋服のどこかのポケットに財布を入れる。

 

 

通常、洋服のセオリーで、ポケットというのは、大体15cmくらいはポケット口の幅があるの。

 

 

その幅に、財布の厚みが加わることになるから、財布本体は、横幅で10cm以下であることが理想。

 

 

ただ、財布の内部には、カード類がきちんと入らないといけないから、一般的なカードの横幅は、8.5cm。

 

8.5cmの横幅のカードがスムーズに出し入れできるようにするためには、数ミリの余白が必要となる。

それが一つのカードポケットに複数枚入れることも考えると、もう数ミリの寸法を加えないといけない。

 

大体5mmくらいかな。トータルで。

 

つまり、8.5cm+5mm=9cm。

 

洋服のポケットに入れようと思うと、10cm以下。

 

この"1cm"の横幅のバランスでどこをとるのか、財布の全体像を見ながら、ベストバランスをとっていかないといけないの。

 

 

カード、お札、小銭など、そういうものがコンパクトでありながら、きちんと収納でき、それらを入れても、形が崩れないことが重要。

 

 

よく、コンパクトな財布でありがちなのが、店頭に陳列されている空っぽの財布では、形も綺麗だし、良く見える。

 

ただ、それには気を付けないといけないの。

 

マチ幅が設定されていないと、中身を入れた瞬間に残念な現象が発生してしまうことが頻発するから。

 

 

そういう残念な財布ってとても多いと思う。

 

 

だから、きちんと中身を入れることができ、そうしても、フォルムが新品を見た時の好印象から変わらず、それでいて、手のひらにも、ポケットにもすんなりと収まってくれるコンパクトさ。

 

 

これが非常に大事だと思うんですよ。

 

 

ただ、そういうものって案外見つかるものじゃないんですよ。

 

 

 

そして、最後に"用途"としてのこと。

 

 

僕は、洋服ももちろん、財布であっても"道具"だと思ってる。

 

 

身に付けるもの、使うものは、全て"道具"。

 

 

"道具"というのは、美しいものでなくてはならない。

 

 

これは、民藝の言葉ですね。

 

 

"美しい道具"というのは、使われる原材料はもちろん、先ほどのフォルムもそう。

 

 

そして、それが誰によって、どれだけのことが考えられているのかということ。

 

 

加えて、使い続けるにあたっての強靭さということも忘れてはならない。

 

 

そう思った時に、僕がこれまで出会ってきたものは、その姿から、100%信頼できる財布っていうのはなかったの。

 

 

これをお客様方に心から紹介したいなって思うものが。

 

 

必ず、どこか些細なことでも気になってしまったんですよ。

 

 

PETROSOLAUMの荻野さんは、当店とのこのMountain Fold Walletをつくるに当たって、1年以上の時間を費やして、考えに考えてくれました。

 

 

そして、僕自身も、昨年のオーダーイベント前から使って、最後の最後まで検証してた。

 

 

でもね、完璧だったの。

 

 

とても良くできてる。

 

 

そのことは、自分でとても実感してるんですよ。

 

 

だから、僕は、この先、財布を買い替えることがあっても、また同じ財布かな。

 

 

そう思える財布です。

 

 

"革の質感"・"フォルム"・"用途"この3つが、凄まじいほどにハイレベルで組み合わされたものだと思います。

 

 

PETROSOLAUM × CASANOVA&CO

Mountain Fold Wallet

 

 

 

もう間もなく、再び皆様方に見てもらえる機会がやってくる。

 

 

 

また追って紹介しますね。

 

 

 

 

 

 

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