先日お知らせ致しましたように、8月10日(土)よりnonnotteのイベントを開催致します。
今回も、これまでのようにnonnotteデザイナーの杉原さんに在店してもらう予定ですので、ご来店頂ける方は楽しみにしてもらえると嬉しいです。
そして、今週末の10日(土)に先立って、皆様にご覧頂くnonnotteの"コレクション"と、"別注"を紹介しますね。
でもね、今回のラインナップでは、当店は、色違いも含めると24バリエーションくらいあるのですが、まだ全然揃っていません。笑
当店にあるものは、まだ6種類のみ。笑
でも、杉原さんをはじめ、縫製工場の皆様に尽力を頂き、10日(土)には、その"ほとんど"が揃う予定です。
出来れば、当日までに全ラインナップを紹介したいと思っているのですが、もしかしたら無理かもしれません。
ただ、こちらも頑張ろうと思ってる。笑
ですので、今日は、まず先に納品してもらってる6種類のものを紹介しますね。
nonnotte
Draping Pullover Turtle Shirt
material _ COTTON 100%
color _ Raisin
size _ 3,4
まずこれ。
ご覧のようにプルオーバータイプのシャツ。
生地は、我らがカネタ織物さんの平織り生地。
原料は、コットン100%ですが、インド超長綿ですね。
強烈な生地のタッチと、nonnotte杉原さんが持つ膨大な色合いレシピの引き出しから出来上がったカラーリング、Raisin。
ネックは高めの設計で、抜群のネック寸法してると思います。
ご覧のようにバックにボタンが4つ付属します。
着用時のネック寸法があまりにも狙いすまされた大きさであるため、着脱時には、4つのボタンを全て外して頭を通さないといけないですがね、着た時には、抜群。
身幅の分量に対して、袖は比較的シャープな印象を感じてもらえると思います。
"Draping (ドレーピング)"シリーズはね、杉原さんのテクニックをもの凄く駆使した構造をしてますので、初めて見る方には、その構造がどうなってるのか、すぐに理解するのは難しいと思います。
シャツであっても、セオリー通りの身頃、ヨーク、袖がつくのではない。
このような構造こそ、nonnotteの杉原さんのドレーピング技法(立体裁断)を感じてもらえると思いますよ。
カネタ織物さんの平織り、ヘビーブロードと名付けられた生地は、nonnotteの設計したフォルムをとても明確に出してくれる。
あとは、洋服の構造線も、パキッと出て、非常に際立ちますね。
分かりますか??
右の後身頃に出た"ツノ"。
"ツノ"。
"ツノ"。
既成服でありながらも、サイズさえ適正で合わせれば、nonnotteで設計したアウトラインが生まれるという洋服の設計。
"ツノ"や"ドレープ"。
このような"洋服の生地"が着用者の身体から離れ、それが意図した場所に、意図した空間で出来上がるという"革命"。
この洋服構築こそが、nonnotteの杉原さんが10年以上かけて導いたドレーピングテクニック。
この技法は、日本の洋服教育では教えられないこと。
教育の現場で教えられても、少しベクトルが違ったものですからね、杉原さんは、パリという場所で、自分で実務で習得し、そこから更に磨きをかけて、発展させたもの。
だから、お持ちの方は、他のブランドと洋服の形が全然違うのを体感頂けていると思います。
それが、nonnotteの杉原さんの実力です。
"唯一性"が極めて高く、他のブランドでは、再現できない洋服づくり。
だからこそ、そこに価値があると思います。
まあ、そんな杉原さんは、パターンだけではなく、デザイン画もめちゃくちゃ上手いし、素材開発をやってたし、今もやってるから素材のプロ中のプロだし、その上、服を縫うのがめちゃくちゃ好きだそうですからね。
そんな超プロフェッショナル、滅多にいない。笑
バックヨークを起点にし、nonnotteで狙った生地が体から離れる"ドレープ"。
前から見ても、後ろから見ても、横から見ても、その彫刻的な美しさを体験してもらえるのがnonnotteですよ。
特に、女性は、洋服を着た際に、ご自身が"どう見えるのか"ということはとても大事だと思います。
当店CASANOVA&COは、現在、女性のお客様にご来店を頂くことは全然多くないのですが、時折、来店頂いたカッコいい女性の方々にnonnotteの洋服を勧める僕。
一通りnonnotteの話をした後に「騙されたと思って着てみてください。お願いします。」って言うんですが、そしたら、これまで全員が買ってくださった。
それってそういうこと。
マジで、綺麗に見えるから。nonnotte。すごいですよ。革命を起こしてる杉原デザイナー。
そして、僕自身もその洋服づくりに心底感激し、今まで杉原さんといろんなことをやってきた。
この洋服づくり、デザイナーのことを、皆様に知ってもらいたいと常々思ってる。
だから、皆様、知ってくれ。いや、知った方が良いと思う。
この洋服を深く知ると、ホント、価値観変わりますから。
そういう洋服です。
nonnotte
Seamless Collar Oversized Shirt
material _ COTTON 72%,WOOL 28%
color _ Original Geometric Taupe Top
size _ 3,4,5
続いて、こちら。
オープンカラーの"ような"形状になった一重仕様のシャツジャケット。
衿の箇所は、通常のオープンカラーではなく、パターン線の構造で、台衿から上衿までが一続きになり、更に、フロント前合わせの箇所を衿付近から緩やかにカーブさせることにより、衿が綺麗に開くように設計されたもの。
シームレス一枚衿。
一枚衿だけど、台衿の機能をもちゃんと持ってる。
生地は、尾州の三星毛糸さんでのオリジナル。
混率は、コットン72%とウール28%。
2つの素材を入れ、着用、洗濯後のそれぞれの素材の縮率差を利用して、複雑な表情になることを考えられてる生地。
杉原さんが言うには、ハウンドトゥース(千鳥格子)の組織の"角"のある箇所を組織図で壊し、それを繋いだオリジナル組織だそうだ。
そして、そのオリジナル組織を"ブロークン ハウンドトゥース"と名付けたそう。
なんと、7色もの色糸を使ってつくり出しているから、実物は相当複雑な色合いしてる。
もちろん、ドレーピングを駆使した"杉原フォルム"は健在。
こちらもバックヨークを起点にした後身頃のドレープは見てとれると思います。
カフスは、AUBETT時代からご覧頂いているマニアックな方は、分かる仕様かも。
カフスが手の甲にかかって、緩やかに外に広がる。
我々が好きなカフス構造です。
着て洗うと、洋服全体の一層の複雑な見え方になってくれるように設計されたものです。
服の形状を設定する段階から、そのフォルムが決まるのがnonnotteの洋服ですので、洗濯をしても型崩れとは無縁。
どんどん洗って着てもらうのがベストだと思います。
あと、杉原さんがいうには、生地にシワが全然入らないみたいです。
だから、臆せず着てもらうのが相応しいと思いますよ。これ。
nonnotte
Draping No Collar N Jacket
material _ WOOL 75%,CASHMERE 25%
color _ Taupe
size _ 1
次はこれ。
"リバー縫製"が施された"N Jacket"。
リバー縫製のシリーズは、今回のnonnotteのコレクションで全部で5つあるのですが、当店は4種類を取り扱いします。
その内、既に納品してもらってるのがこれ。
"N Jacket"。
これは、ブランドで初めての登場となるのですが、杉原さんはノーカラーのジャケットが好きだそうです。
でも、それが洋服の構造上、これまで疑問視するものしか見たことがなかったそう。
それをnonnotteとして、杉原さんの知見と経験、好きなエッセンスとを注ぎ込んだジャケットです。
ドレーピングに費やした時間が、今回のコレクションで最も長期となったそう、このN Jacket。
杉原さんの理想は、こうだ。
・少し落ちる肩線であること
・パンツのポケットに手を入れた際に、袖口に生地のボリュームが出ること
・後ろが少し短く、前が長い裾
・アームの適正な分量をしていること
・身頃の切り替え位置がセオリーよりも少し後ろにあること
これを満たす構造のジャケットをつくったというもの。
リバー縫製の構造線が美しいが、鬼のように"高い袖山"だそうだ。
一般的なノーカラージャケットは、シャツの袖くらいに袖山(袖の頂点のこと)が低く、非常にカジュアルな構造になっているものが中心的。
でも、nonnotteでは、肩パッドも入れない中で、袖山を高く設計し、ノーカラー特有のカジュアル感を消すことを考えた。
そして、着用しているのは、サイズ1。
通常のnonnotteは、3,4,5という3サイズ展開。
これは、ブランドの想定では女性サイズというもの。
ただ、レディースパターンというわけではありません。
メンズ想定のものが小さくなったバランスです。
僕は、このリバー縫製のジャケットを体が大きな男性が着るということを想像できなくて、自分くらいの小柄な男性、もしくは、女性に適してるのではないかと思ったので、サイズ1のみの取り扱いです。
上記のように、パンツポケットに手を入れた際に、袖口に生地が貯まることを想定されているので、僕が着ても袖丈は充分に長いです。
袖口に入るスリットを折って着ると良いバランスの袖丈になってますね。
途轍もなく綺麗なカーブを描くフロントの合わせ。
素材自体は、ウールカシミヤビーバーというものです。
比較的薄めのウール75、カシミヤ25のメルトンに"両面起毛"をかけたもの。
その両面起毛は、"リバー縫製"が非常に綺麗に仕上がるのだそうです。
また、リバー縫製は、裏地も芯地も不要な、その軽やかな仕上がり、シームの柔らかさが圧倒的ですが、それはnonnotteの立体裁断のフォルムを形づくるのにとても適しているそう。
軽く、暖かく、仕上がりも、洋服のフォルムも綺麗に出来上がるという、秋冬のnonnotteの顔でもある洋服です。
明日か、明後日に残りの3種類のリバー縫製のものが紹介できると思います。
外のフォルムを崩さないように、ポケットは内側に配置される。
リバー縫製は、中国で行われるものが多いのですが、nonnotteのは奈良県です。
杉原さんが言うには、国内No.1の腕だという奈良県のリバー縫製工場。
その仕上がりの美しさも際立ってますからね、とても良いものだと思いますよ。
nonnotte
2-Tuck Wide Tapered Trousers
material _ WOOL 100%
color _ Deep Black
size _ 3,4,5
次は、こちら。
フロントツータックのトラウザー。
まず、nonnotteのパンツは全て、着ている人の、足の付け根がどこから始まってるのか分かりません。
そして、トップス類と同様に、足のラインが表に出ない造形をつくっているため、着用者の方のスタイルが良く見えるという設計。
パンツは、既成服では難しいという方が今も多くいるように思いますが、nonnotteであれば、そのフォルムは、先述のように"設計されたサイズさえ適正なもの"を選べば、狙った造形が演出されるというもの。
これはとてもすごいことだと思いますよ。
生地は、尾州の山栄毛織さんでつくった"ドスキン"というもの。
ブラックフォーマルの分野で由緒正しきドスキン生地は、"Deer Skin"が変化した生地なのですが、とても高貴な生地。
特に、山栄毛織さんは、もともとブラックフォーマルにとても特化した機屋さんでもあるため、そのクオリティは絶品。
これまで、nonnotteでは、山栄毛織さんの生地は、バックサテンギャバジンという生地をコレクションで使用してきましたが、バックサテンギャバは二重織り組織。
ドスキンは、繻子織り(しゅすおり)の一重組織なのですが、構造上、糸の使用量がバックサテンギャバよりも多いそうです。
また、山栄毛織さんは、使用する織機が"両口開口低速レピア織機"というものであることを以前に紹介したことがあるのですが、糸が奥の奥まで詰まり、その上、素材そのものの膨らみが存分に出てくれるのが特徴の機屋さんです。
この"両口開口低速レピア織機"というのは、山栄毛織さんならではの超特化織機。
だから、とても綺麗な生地で、深いブラックの非常に良いムードが出てくれますよ。
nonnotte杉原さんが設計したフォルムが見事に出ながらも、生地そのもののドレープ性も非常に高いレベルで出てるトラウザーです。
SUPER 110'Sの糸を使い、60番手双糸の糸で織り上げたドスキン。
また、本来だともう少し仕上げで、ウォーム感をアップさせるそうですが、nonnotte用に山栄毛織の山田さんが透明感のある仕上げを開発してくれたそうです。
パンツの構造と、生地の質感がとてもマッチングしてると思いますよ。
nonnotte
Draping Crotch Box Pleats Trousers
material _ WOOL 100%
color _ Deep Black
size _ 3,4,5
次は、これ。
先ほどと同じドスキンを使用したトラウザー。
しかし、これはブランドとして、新たなもの。
先述の通り、"足の付け根が分からない"という構造。
これ。
フロント股部分のアップです。
前立てはファスナーフロントなのですが、股部分のタックにより"大きな面"が出来ていることが特徴。
これは、デザインのためのタックではなく、nonnotteの造形を生み出すために開発した新たな"Drapingシリーズ"。
アウトサイドシームはなく、山栄毛織さんのドスキンが見事に揺れ動くもの。
足のラインは全く露出せず、どこを見ても見事なドレープの造形が生み出されるというトラウザー。
裾は、揺れ動く生地が制限されることなく、よりドレープが出るために他のパンツでは滅多に見ることがないものを採用。
見覚えがある方もいるとは思いますが。笑
この仕様は、画期的。めちゃめちゃイケてる。
パンツの裾の仕上げ革命が起こってると思いますよ。
nonnotte
Draping No Collar N Jacket
material _ WOOL 100%
color _ Deep Black
size _ 3,4,5
最後は、これ。
先ほど、リバー縫製で紹介した"N Jacket"。
さっきのリバー縫製のものは、リバーの仕様上、身頃高になってるのですが、こちらは"袖高"。
リバー縫製のタイプは、軽量なうえ、柔らかく形が出るのに対して、ドスキンタイプのものは、そのドレープが強いです。
そのため、こちらは最小サイズを3からに設定してオーダーしています。
こっちの方は、ドスキンセットアップがベスト。
深いブラックと生地の艶、そしてドレープ。
セットアップスタイルとかなり相性良いと思う。
先ほどのリバー縫製のN Jacketは、袖口がスリットを設けられたものでしたが、ドスキンタイプは、nonnotteのオリジナル仕様です。
表からは袖口にボタンが見えませんが、見えないところに配置。
また、ボタンホールも袖口の内側"額縁仕立て"をボタンホールに変化させた仕様です。
杉原さんと話をしていると、洋服のいろんな細部の仕様をいつも考えてるのを感じるんですよ。
それも意味のあるものを。
洋服構造の膨大な引き出しを持つデザイナーだと常々感じる。
ポケットに手を入れた時に溜まりが出る生地。
それもドスキン生地ととても相性がよく、生地の陰影が最大に発揮される構造です。
新たなものが色々ありますからね。
まだ6つしか紹介してないけど、楽しみにしていてください。
また明日紹介しますね。