今日は、MOTHER HAND artisan。
今シーズンは、"CASANOVA BLACK"というカラーリングのセーターをつくってもらいましたが、遅れて到着。
今回の。
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MOTHER HAND artisan
GEEL
material _ SUPERFINE WOOL SUPER 100'S 75%,ANGORA 25%
color _ GRIGIO 6
fit _ PLUS FIT
size _ 3,4,5,6
※完売致しました
これ。
非常に軽く、とてつもなく暖かい、そして、その目の詰まりから、メルトンやフェルトかのような独特な見た目でありながらも、確実に存在する高級感。
そのような、他では滅多に見られないようなクオリティで仕上がってるMOTHER HAND artisanのセーターの登場です。
ブランドの礎である"ウール75%・アンゴラ25%"という混率のセーターなのですが、、、
通常モデルである、GENT(クルーネックタイプ)などのセーターよりも"分量を大きくをつくり、それを縮絨させて完成"させたシリーズです。
ただ、「大きくつくって縮絨させた」というセーターなのですが、多分、同じようなことをやってるブランドは、ほぼないと思うし、僕は見たことがない。
その理由は、縮絨させて狙い通りに縮めるということは、極めて難しいから。
って永井さんが昔言ってた。
セーターを通常よりも大きくつくって縮める工程は、全ての箇所が均等に縮むわけではないし、その差が出たり、歪んだり、形が崩れてしまうそうだ。
しかし、MOTHER HAND artisanは、"永井さんご夫婦"が自分たちでつくっているセーターである。
だから、糸のことから、編み地のこと、設計のことまで何から何まで、全部分かりきってるってワケですよ。
その上、ワールドクラスで類まれな技術を持ってる。
だからこそ、他の誰にも成し得ないセーターをつくり上げてるのがMOTHER HAND artisanがMOTHER HAND artisanである理由。
先日、このブログとインスタグラムでお知らせを致しましたが、1月5日をもってCASANOVA&COを離れます。
このブランドは、僕自身、バイヤーとして最初にバイイングをしたブランドであり、自分自身の澄み切った"好き"という気持ちで取り扱いを続けてきたニット専業ブランドです。
まあ、自分で言うのもなんだけど、"純粋に好き"であるものを紹介したいという精神性は、何歳になっても全然変わってないんですけど。
そして、僕が好きだと言えるものは、
"そのブランドの人(デザイナー)にしか、つくることができない"
と心から感じられる、唯一性のあるものである。
だから、そういう意味ではMOTHER HAND artisan、正真正銘そうであり、ホントに凄いものをつくり続けてる。
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縮絨し、かなり目が詰まった編み地には、芯を持ったコシが生まれ、ニットそのものの"自立"を感じる。
それにより、ハイネックやタートルネック系のセーターにありがちなギュッと詰まった首の詰まりではなく、首周りには空間を持たせてるネック寸法です。
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MOTHER HAND artisanで先に紹介をした、MONSやBASTOGNEのモデルでは少しボリュームがあるサイズバランスだったけど、こちらは、より全体がシャープになります。
だから、アームも無駄なくとても綺麗なアウトラインを描く。
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袖口も裾も、いつも通りリブの切り替えなどはありません。
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これまで何年も、何年も、このブログにMOTHER HAND artisanのセーターの特徴は書いてきたから、過去のものを見てもらえればそれで良いんですが、筒状になったアームの内側には、シーム(縫い目)は存在しません。
あんまり意識はしないとは思うんですけどね、でも、これにより"着用時の快適性"は格段に変わってくる。
というか、非常にシンプルな見た目に見えるのがMOTHER HAND artisanのセーターの特徴なのですが、そこには、"超理論に基づいた、超絶テクニック"が宿ってる。
外見では分からない"引き算の美"。
見た目では全然わからないけど、年数を経て着てると必ず感じられる"違い"。
具体的に言うと、本来は、目で見て分かるディテールが存在しなかったり、後から加えられる補強が、編み進める生産段階で組み込まれていたりと、セーターを奥底から知り尽くしてるから成せる技が満載。
だから、僕は、こう言う。
"神だ"と。
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先に書いたように、とても暖かく、軽く、鈍いけど光る縮絨された編み地。
僕の印象では、袖を通してから時間が経つほどに、自分の体温が伝わって柔らかくなっていくように思う。
これは、他では体験できないシロモノ。
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裏。
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前裾から編み進められるセーター。
前身頃を編んで、編み地の方向を変えて、家庭用手横編み機でそのまま編み進められるネック。
そのために、ネックには切り替えも何にも存在しない。
首周りへのスーパーパラダイスタッチである。
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写真で分かって頂けるか分かりませんが、縮絨されてることにより、裏の縫い目も超フラットになってる。
これすごい。
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着用。
今日並べたばかりなのにも関わらず、既に、サイズ3と4は完売ですが、身長167cm、体重52kgでサイズ3を着てる。
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お知らせしていたように、たった1日で既にサイズ5と6だけになってしまったけど、サイズが合う方は是非見てみて。
僕自身も、縮絨モデルが大好きで、現時点で6年間ウルトラヘビーユースしてるのがあるんですけどね、全然ダメにならないし、すごく良いの。
まあ、僕の場合は、あんまりお勧めできないし、以前永井さんに怒られたことがあるんですけど、洗濯機にぶち込んでセルフ縮絨とか言って、更に縮めて、そこに体をねじ込んで着てる。笑
そしたら、見事にマイボディーの造形を描いてる。笑
僕はそれはそれでかなり気に入ってる。
まあ、一番良いのは、付属する下げ札に記載の通りに洗濯とアイロンをしてもらうことだけど。
今日紹介したセーター。特に、このモデルは寒がりの方にも良いと思いますよ。
サイズ合う方は見てみてください。