今日は、Marvine Pontiakのシャツを紹介しますね。
7月から秋冬の括りでシーズンデリバリーがあったのですが、今回は8月デリバリーのものを。
8月デリバリーと言いながら、秋冬ですが、これにて今回のシーズンは完納となります。当店で取り扱いを行うマーヴィンポンティアックのシャツは20AWシーズンはこれにて完了。
今回は2種類のタイプでそれぞれいくつかのバリエーションがあり、
計5種類のラインナップです。 今回もまたシャツづくりというところに於いては非常に偏った(良い意味で)シャツが到着しました。
当店で取り扱いを行う他のシャツと大きく異なり、まさにマーヴィンしてる。
よくよく見るととてもマニアックなシャツのラインナップとなります。
まあ、情報がそう多くないブランドではあるとは思うのですが、他店舗さんで説明をされていることもいろいろとあると思うので、また少し違ったことに触れてお話しますね。
最初の写真は、Military Shirtsの剣ボロ部分。
剣ボロというのは袖口にカフスがあって、そこにつながる袖の開きの部分の名称ですね。
この処理方法は、ある種ファッションカルチャーの中でも語られる仕様の一つなのですが、通称「いってこい」始末。
変わった名前ですが、古着のワークウェアなどで見られるような剣ボロ開きの生地端処理の仕様です。
一枚の生地でパイピングのように袖の生地を挟み込み、片方のカフスからもう一方のカフスまで一枚続きで処理される方法。
だいたい一般的なシャツは剣ボロ部分は片方ずつそれぞれに生地端を始末されることが通例なので、今では珍しいですよ。
それぞれ、どちらが良いとか悪いとかは好き嫌いあると思いますが、 どんな方法を使って洋服を完成させているかということもこういった洋服のジャンルでは重要視されることだと思うので、着てしまうと何ら影響はないですが、文化的側面を感じられる仕様です。
そもそも洋服とは、和装文化だった日本人が欧米に憧れを抱いたことからスタートしていますし、そういうファッションDNAを刺激する要素の一つと言えるんじゃないかな。
Marvine Pontiak shirt makers
Regular Collar 3Button Shirts
color _ Green&Navy Stripe
size _ one
レギュラーカラーのフロントフルオープンのシャツ。
袖口が3つボタンとなります。
カフス部分にも3タック。
レギュラーカラーシャツということでブランドの中でも最もスタンダードなスタイルのシャツとなるのですが、その分Marvine Pontiakを楽しんでもらえるシャツじゃないかと思います。
ホワイトベースにエメラルドグリーンに近いグリーンと細いネイビーの2種類のストライプ。
いわゆる最近のストライプとは違ったどことなくオールドスタイルなジャンルのストライプだと思います。 生地の質感は滑らかではあるのですが、ザ高級シャツのようなウェットな質感ではなく、独特の乾いたようなタッチですかね。
インテリな配色にも見えますが、形がMarvineしてるから決してそれ一辺倒には見えません。
すごくいろんな分野が集結したような感じ。
この見た目の懐の深さがさすがですね。 とてもユニーク。
それでいて、縫製ピッチはドレススタイルに振り切ってるし、誰がどうみても上質なシャツのステッチワークしています。
あとは、やはり衿とカフスの芯地かな。
ご存知の方は多いと思うのですが、Marvine Pontiakは完成してから全てのシャツを製品洗いし、その後タンブラーに投入してドライ。
一般的にはこの手のシャツはしっかりとプレスをかけてパッチパチのおニュー感を出すのですが、その逆やってますね。
だから、ブランドの考え方がとにかく着て、汚れたら洗ってくれってこと。
丁寧に手洗いをして、その後に家庭でアイロンをかけるシャツではなく、夏場でも着ていて汗かいたらこのシャツで拭って、それ着て帰ったら洗濯機にダイビングさせてオーケーなシャツということ。
少し話が逸れましたが、世の中に数あるシャツでいうと、度重なる洗濯により、衿とカフスが劣化していくような変化が起きる場合があるんですよ。
それは、中身に使用する芯地に接着芯というものを使うから。
衿とカフスの間の接着芯は、基本的には持続して生地に貼り付いたままの想定なので、洗濯を繰り返すことによって少しずつ剥離が起こってしまいます。
もちろん、接着芯を用いることのメリットも多くあるのですが、僕はやはりシャツを着て、とにかく洗うことを推奨する性分なので、洗濯がポジティブに働く「フラシ芯」というものがすごく自分には適ってるかな。
まあ、反対にフラシ芯仕様にすることによっての生産上のデメリット(生産に手間がかかるとか)は確実にあるのですが、高頻度で着用したときには、購入してから月日が経ったことによってマイナス面が少ないほうが良いじゃないですか。
どうせ買うなら。
なんなら、むっちゃ着たから新品よりも気に入ってるくらいのほうが良いと思う。
そういう考え方に賛同頂ける方には、Marvine Pontiakのシャツは良いと思いますよ。
見た目が嫌いじゃなければ。笑
Marvine Pontiak shirt makers
Regular Collar 3Button Shirts
color _ Navy
size _ one
同じ形の生地違いです。
緯糸が浮き上がっているような生地ですこれ。
バックはセンターボックスプリーツタイプです。
こちらも3ボタンですが、裾脇は五角形のガゼットです。
先ほどのストライプのも共通ですね。
マーヴィンのシャツはこういったガゼットや、バックのプリーツ、袖口のタックやギャザーの仕様など、それぞれのシャツのテーマに合わせて変えられています。
全てが同じではないのがシャツを熟知したデザイナーの仕事ですね。
浮いた糸が生地に動きを出してる。
単なるネイビーのフラットな生地だとただのクリーンなシャツに成り下がってしまいますからね。
こういう生地との組み合わせがシーズン毎に期待するところですね。
フロントは胸ポッケが一つ。
最もMarvine Pontiakのシャツスタイルを楽しんでもらえるものだと思いますよ。
Marvine Pontiak shirt makers
Military Shirts
color _ Yellow Orange
size _ One
次は別のタイプ。 冒頭の写真にもあったものですね。
これは今シーズンのブランドの中でも最も生地に限りがあり、生産数が少なかったものです。
限定数も聞いてるんだけど、ブランドのショールームに行ったときに真っ先に惹かれてその場で確保してもらったのがこれ。
こんな生地のシャツ他に今誰がつくってるんだってくらい振り切ったカラーリングだと思います。
ただ、太陽がよく似合う色じゃないですかね。
今は暑いけど、そういう時期に袖を捲くって汗を垂らしながらも、着るのが似合うシャツ。
まあ、灼熱の炎天下では何着ても暑いから、出かけるときに持っていって、屋外では車内放置、屋内で汗が冷えたら強すぎる冷気から体を守るために使ってもらえるのが良いですね。今時分では。
で、またとても変わった生地組織ですね。これ。 グラウンドはオレンジに対して、随所に浮き出るイエロー。
柔らかくて、ふんわりとした当たりなんだけど、やっぱりどこか枯れてるのよ。
マーヴィンバランスですね。
丸く角がとられたカフスに、オリーブカラーの猫目ボタン。
Military Shirtsの名の通りの仕様です。
オレンジとオリーブが年代を感じるムードを出してくれる。
この令和の時代に生み出されたシロモノとは思えませんね。この組み合わせは。
裾脇には先ほどのシャツとは異なり、三角形ガゼットが配置されています。
脇下。
脇線を中心に左側が前身頃。 右側が後身頃です。 後ろの方が袖の分量を大きくとってますね。 これにより腕の稼働を向上させています。
単なる大きなシャツは余白があるだけだけど、これは着用時の運動量を考え、不快感を与えないシャツに格上げされてます。
バックはサイドプリーツです。 これもミリタリー仕様ですね。
Marvine Pontiak shirt makers
Military Shirts
color _ Gray Stripe
size _ One
これも同じミリタリーシャツ。
アイスグレーに近い色合いのグレーですね。
マーヴィンのシャツは全てコットンなのですが、これはコットンでありながらも独特な生地表面のしじらが見てとれます。
アイシーなグレーに、縦方向のシワ。
そして、ブラウンとホワイト、ネイビーが配置された織りストライプです。
バックスタイルもMarvine特有の分量。
ボタンは先に同じ。
好き嫌いがはっきりと分かれそうだけど、好きな人にはすぐにハマってもらえると思います。
あと、表面のしじらの関係で肌離れが良いですねこれは。
夏場にも長袖シャツ着る人にはこれも良いかもしれませんよ。
完全に色の抜け切ったうっす薄のブルーのジーパンにこのシャツとか良いかも。
そういういかにも古臭そうなスタイルが許されるのがMarvine Pontiakならではですよね。
Marvine Pontiak shirt makers
Military Shirts
color _ Brown
size _ One
こちらでラストです。 ソリッドなブラウン。
こちらのシャツに関しては、とても滑らかってわけではないんですが、ブランドの中では滑らかなタッチで品の良さがある生地です。 生地だけ言うと。
構築がミリタリーシャツしてるので、上品なシャツにはなりません。
猫目ボタンだし、フロントにパッチポケット2個もあるし。
いかにもミリタリーでありながら、労働シャツ。
ただ、最初は光沢のある生地なのですが、マーヴィンに最も適した「着る、洗う」のエンドレスリピートでどんどん見た目が変貌してくれる優秀な潜在能力を持っていることを匂わせてます。
最初の段階から洗いのパッカリングが既に備えているから、今後の伸び代をとても期待できそう。
ボタンはさっきまでの2つとは異なり、ボディと同色。
しかしながらのこの構築の美しさは健在です。
今日、紹介したMarvine Pontiakのシャツは5種類全て¥33,000-(税抜)です。
それぞれに全然違う見た目に振ってますので、選ぶ時に頭を悩ませてください。
着用時の見た目はインスタグラムに掲載していますので、それ見てもらえたら良いです。
それでは。