透けるビーサン

一年前に発売したというか、オーダー形式で製作したビーサン。 ビーチサンダル業界に革命をもたらす、"透ける牛革"をトングに使ったビーサン。 もともとブランドのコレクションでは存在しなかったんですが、2年程前にPETROSOLAUMの荻野さんのアトリエに行ってたときに荻野さん自身の私物のビーサンがあまりにも衝撃的でそれがどうしても欲しかったから、それをベースに当店のエクスクルーシブとしてつくってもらったのがきっかけでした。 トングの部分は、レザーなのに透けているビーサン。 しかもビーサンであるのにも関わらず、全体のバランスが優秀。 一年前は、店頭での現物の販売は行わず、上限数量を定めて、僕自身が不慣れなインスタライブをやった後に、店頭とオンラインで同時にオーダー形式でのご注文を承らせて頂きました。 今シーズンは、たった6足のみの超限定販売ですが、現物販売をしますね。 PETROSOLAUM B-sandal material _ Transparent Cow size _ 40,41,42 price _ ¥26,950-(in tax) サイズに関しては、僕はPETROSOLAUMのシューズは、39or39.5を履いてるんですが、これに関しては40です。 足の実寸は、24.5cmなのですが、それで40のサイズです。 ですので、皆様の「実寸」の数値より、ハーフサイズまたはワンサイズ上げて頂ければ問題ないです。 ここで重要なのが日頃のスニーカーやシューズのサイズではなく、「実寸値」。 お持ちのモノのサイズ表記に惑わされないで。 サイズに関して不明な点があれば、ご相談ください。 そもそもこの革。 透けてる。厳密に言えば、半透明。 それを二重にしてます。 他に例を見ない、超絶的マテリアル。 一年前にこの「透ける革」を紹介したときに、このブログで書いてたのですが、当時のブログを引用すると、、 レザーというものは、もとの原材料は、原皮(げんぴ)と言うので、「皮」と表記します。 ただ、「皮」の状態ではそのまま置いておくと腐敗してしまうから、それを防ぎ、使い続けられるようにするために「鞣し(なめし)」という工程を行います。 「皮」から、「革」へ。 鞣しを経ることで変化します。 だから、レザーには表記上、二種類の漢字が存在する。 よく「皮」と表記してあるものがあるけど、それが本当なら製品として保てるのは一週間くらいでしょう。 だから完全に間違いですね。 「革」と書きましょう。製品は。 レザーも最初は、皮膚のようなもので鞣す前は、「皮」。 余談になるけど、"革"という漢字は、日本語でどのようなものに使われるかというと、 ・改革 ・革命 ・革新 などですよね。 それら全てに共通することは、「ある特定のことが起こったり、ある特定のことを経て、それ以前とは別のものに変化すること」を表す言葉だと言えます。 だから、世の中で革命が起これば、それにより新たな社会の流れになるので、その革命以前とは違う社会となります。 つまりは、レザーも「鞣し」という工程を経て、それ以前の「皮」とは異なる「革」へと変化するということです。 ということを書いてました。 でも、この「透ける革」は、"鞣していない"。 どこでも生産可能な革ではないのですが、荻野さんがいうにはオランダのタンナーさんのもので、企業秘密のレシピで仕上げてるものだそうです。 だから、ブランドサイドにも革の詳細は伝えられないそうです。 絶対社外秘ということ。 以前には、Rick Owensのコレクションで使ってたことがあったそうですが、このオランダのタンナーさんがかなり変わってるみたいで、世界でも極々僅かなブランドにしかこの革を提供しないそうです。 で、分かってることは ・100%エコレザー(完全なるノーケミカル) ・透けてる ・牛革 ・生産ロット毎に少し白っぽさが変わる ということ。 摩訶不思議革。 で、これを選んで頂いた方は、もれなく全員、履いてると裸足みたいに見える。 遠くから見ると。 だから、あの頃のワンパク感を見た目で取り戻せるってワケです。 クオリティの高い洋服が好きな漢の方々も、ときには、裸足で鼻水垂らして野原を駆け回った少年の心を思い出すことは大切でしょう。 まあ、ビーサンではありますが、クオリティに関してはPETROSOLAUMなので充分に信頼してもらえればオーケーです。 ただ、歩行に関しては、現在取り扱ってて、サイズがXLだけになっちゃったんですが、FEITのサンダルの方が歩きやすいです。あれは別次元。 しかしながら、しっかり足についてくるし、鼻緒の部分が二股で足指へのフィット感も申し分ないからビーサンどころか、その辺のサンダルよりは圧倒的に歩きやすいと思います。 ビーサンという存在からは逸脱したくなかったので、プライスはできる限り抑えられていますこれ。 比較的細身のシェイプが利いてるような形なのですが、足の裏に当たる部分は数ヶ月間ゆっくり鞣されたベンズレザー。 アウトソールには、天然ゴムと合成ゴムがブレンドされ、そこに滑り止めの役割のジュートを混ぜたものを施してます。 昨年の夏場にかなり履いて、実感したのがやはり濡れた路面でも滑ることはないし、ソールの削れが起こりにくいですね。 これは、アウトソールのゴムの密度にもよるとは思うんですが、天然ゴムと合成ゴムが相互にお互いを補完し合ってるように思う。 天然ゴムのメリットは、合成に比べて摩耗しにくいということがあるけど、夏場の高温になる地面の熱には弱い。 対して、 合成ゴムは、天然ほどは摩耗に強くはないのですが、熱に強い性質を持つ。 それにより夏の灼熱シーンでの着用には安心して使ってもらえるシロモノになってますね。 削れにくいし、丈夫です。 ビーサンというシューズの枠組みなので、やりすぎは禁物ですから、磨かれてはないですが、コバの処理もきちんとされてる。 そして、今年のビーサンですが、昨年と比べ、実は一箇所グレードアップしてる。 それが、この釘。 昨年のものをお持ちの方は分かってくれると思いますし、誰も覚えてないだろうけど、昨年のインスタライブでお話したのですが、以前は、絵画に使う用の「鉄」製の釘でした。 「鉄」は、使っていくと2種類の「錆び」が生まれる性質があるのですが、 ・赤錆び ・黒錆び のこの二つがある。 赤錆びは、鉄がボロボロになって腐敗していってしまう作用を持つもので、あまり良くない現象です。 対して、 黒錆び。 黒錆びは、新品状態にある鉄が、何かに反応して、自身を保護しようとするために「黒い膜」を張るような現象。 サンダルでいうと足の汗に反応して、鉄が自ら強くなろうとするメカニズム。 言うなれば、より強くなっていくポジティブな変化と捉えることができるもの。 昨年リリースしたビーサンは、無垢のベンズレザーに対して、履いていくとどうしてもこの黒錆びが発生してしまう現象が起こっていました。 この変化に関しては好き嫌いがあるし、好みの問題だと思うのですが、これにブランドが着目し、ビーサン用のオリジナルの「釘」つくっちゃった。 全然ファッションの畑とは違う、大阪の町工場に頼み、途轍もない生産ロットの壁があったそうですが、それを乗り越え、ビーサン用に生み出した"オリジナル釘"。 それにより黒錆びが起こらなくなったそうです。 だから、純粋にベンズレザーの色濃くなる姿をお楽しみください。 透けるレザーの革質でいうと、現物をご覧になったことがある方以外には未体験ゾーンだと思いますよ。 ブリンブリンでかなりしっとりしてる。 ちょっとこれは、今までの革の概念が変わるレベル。 いろんなレザーサンダルはあると思うけど、これだと、夏場にここにしかない見た目をつくりあげられると思いますよ。 そして、今回はこれも。 PETROSOLAUM B-sandal CASANOVA&Co. EXCLUSIVE material _ Crocodile color _ D.BRW size _ 40,41 price _ ASK(お問い合わせください) 今回は、これも登場。 40と41のサイズで一足ずつのみ。 ダークブラウンのクロコダイル。 つまりはONLY 2 PIECESのビーサンです。 世界で一番高額なレザー。 クロコダイル。 そのラグジュアリー素材をホントはめちゃめちゃチープな存在であるはずのビーサンに組み合わせたかった。 ブランドでビーサンを2足分しかつくれる革のストックがなかったから、それ全部使いました。 それだけ数が少ない革ってこと。 このクロコビーサンに関しては、価格はお問い合わせください。 でも、クロコダイルの性質をご理解頂ける方にとっては、衝撃的なプライス実現してます。 この時期になるといろんなサンダルが世界中のブランドから溢れてるけど、レザーサンダルになると当店では、FEITとPETROSOLAUM。 あまり声を大きく、見に来てとは言えないけど、お好きな方にご検討頂けたら嬉しいです。
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