超絶シャツ まもなく

 

世の中に存在して当たり前な繊維。

コットン。

 

 

世界には、110種類以上のコットンが存在すると言われていますが、その中でもいわゆる僕らが好きなコットンは僅か全体の5%しか存在しません。

 

 

好きなコットンって何かというと「長繊維綿」なのですが、世界にいくつかある特定の地域でつくられた素晴らしいコットン。

 

 

早いもので7月の頭くらいから2020AWシーズンがスタートしようとしていますが、一発目からもはや逃れられない人は多いかもしれませんね。

 

 

まずは、シャツからスタートします。 2種類です。

どちらも激ヤバ。

 

 

最初の写真は、コットンの糸なのですが、「幻のコットン」と言える代物です。

シーアイランドコットン。

漢字で書くと海島綿。

 

 

このコットン、全然流通していないんですよ。

 

 

ホンッッット、手に入らないですから。

 

 

世界の高級コットンの中でもKINGのような存在ですが、まず出会えないんですよね。

 

 

当店でも2020SSシーズンにAraki Yuuがデッドのシーアイランドを使用していましたが、それくらいですね、最近は。

 

 

繊維長が長いのはもちろんですが、細く、繊維の一本一本が輝くような光沢に満ち溢れた素晴らしい綿繊維。

 

 

その、シーアイランドコットンを100%使用したシャツ地。

140/2 「140番手双糸のシーアイランドコットンのポプリン」です。

 

 

一つずつ解説します。

 

・番手(ばんて)=一定の重さに対する長さの基準です。

※綿番手(英国式綿番手):重さ1ポンド(453.6g)で長さ840ヤード(768.1m)ある糸を1番手。

つまり140番手は、その140倍の長さ。 →453.6gで107534mもの長さがあるのが140番手。

 

・双糸(そうし)=2本の糸をねじって組み合わせて、1本の糸にしたもの。

 

・シーアイランドコットン<海島綿(かいとうめん)>=カリブ海で育まれる「幻のコットン」。柔らかさ、滑らかさ、しなやかさ、光沢が最強。

 

・ポプリン=シャツ地に代表される緻密な強撚平織物。14世紀のローマ法王に由来する。

 

 

というもの。

まあ、簡単に言えば、 めちゃくちゃ良い生地。

 

 

140番手というのは、だいたい一般的なシャツ地は60番手〜80番手くらいだから、数値が高いのは分かってもらえると思います。(数値が高くなればなるほど、糸は長く・細くなります。通常は10刻み。)

 

 

この生地も一般的なシャツ地と比較してもらうと違いを見てもらえると思います。

だいたい60番手くらいかな、60番手単糸の平織りの一般的なシャツ地です。

単糸=糸が1本。 一般的なシャツ地と、、

再び登場、今回のこのシャツ地。

どちらも同じ倍率、同じ範囲での拡大写真ですが、糸の数、キメの細かさなど感じてもらえると思います。

 

 

そもそも、、

生地には経糸(たていと)と緯糸が存在します。

経糸は赤で示した縦方向の糸です。

緯糸は黄色で示した横方向の糸。

この経糸と緯糸が交互に交差することによって平織りの生地は生まれます。

 

 

そして、双糸ということで"2本の糸が捻じれて1本の糸になってる"のがわかるのが緑の丸で示した部分。

 

 

一般的な単糸のシャツ地と比較すると、そっちには2本の糸がねじられたような箇所がない。

 

 

そもそも双糸使いすることによって糸の強度は格段に上がります。

3倍とかだったかな? 単糸で使うよりも双糸にしたほうが、強度が高まります。

 

 

本来では、140番手は細く繊細な糸なんですが、双糸使いすることで強度を上げてヘビーユースに耐えうる生地にしています。

 

 

日常使いできる耐久性もありながら、シーアイランドコットンのみが持つ繊維のダイヤモンドの極上さは感じてもらえると思いますよ。 この生地は。

 

 

そして、もう一つ。

これ。

こちらはもう一つのシャツ。

 

 

200/2。

200番手双糸です。

 

 

当店でもここ数年、コットンで言えば140番手が最高番手でした。

 

 

それを遥かに超える数値が登場。

200。

 

 

先ほどの計算式で言えば、 453.6gで153620mもの長さになります。

もはやアホ。

 

 

しかも、ただ繊維が細く長いだけではない。

コットンの最高峰、ギザコットン。

 

 

ギザは、ギザ1〜ギザ90くらいだったかな?見つかった順番に数字が付いているのが特徴のコットンの種類ですが、これはギザ45。

 

 

お好きな方は一発で分かると思いますが、ギザの最高は45ということは既知のこと。

 

 

僕自身もこれまでたくさんのシャツを追い求め、様々なブランドのその極上さを体感してきましたが、これはまた別次元ですね。

 

 

ギザ45の持つ繊維の滑らかさ、柔らかさ、光沢だけじゃなく、更に200番手というエゲつない数値に仕上げているこのシャツ。

もはや、袖を通したら100人中100人の方が驚いてくれると思います。 全員。

そのレベルです。 驚愕の肌触り。

 

 

まあ、着心地で謳いたいんじゃないですが、どうせ着るなら肌に当たる度に不快極まりない洋服よりも、良い方が良いじゃないですか。 こちらの生地のほうはこれから暑くなる夏には袖捲くって着てもらってもすごく快適だと思いますよ。

 

 

繊維が糸になる段階での糸の撚りは強く、毛羽立ちも少なく、柔らかで、いかにも上質なこの生地。

 

 

今回は2種類のシャツを用意していますが、

シーアイランドコットン140/2は、レギュラーカラーのホワイト。

ギザ45の200/1は、細かなストライプのバンドカラーです。

 

 

ちなみに、衿とカフスの芯地は、仮接着芯ですが、一度洗って仕上げしてます。 だから、フラシ芯状態ですね。

もはや着てみて硬いなとか、気になるところが皆無だと思いますよ。

 

 

もうそろそろかな。

 

 

7月の最初のどこかのタイミングでスタートします。

 

 

僕も最近シャツはこればっかりですね。 着ても洗っても楽しめる。

 

 

このシャツから当店の秋冬シーズンはスタートする予定なのですが、買うとか、買わないとかどちらでも良いですし、そこは皆様にお任せして、委ねたいと思います。当たり前だけど。

 

 

ただね、この2つのシャツは洋服がお好きな方、特にシャツがお好きな方には是非見てみてもらいたいと思っています。

一つ、こんなシャツもあるんだなという世界を知ってもらいたいのが洋服屋としての気持ちと、僕たちのやってることによって多少服好きとしての引き出しに幅を持たせるという意味として。

 

 

でもね、このシャツ見ると欲しくなってしまう人は結構いるんじゃないかと思います。

まあ、突飛な見た目ではないですが、

やはり好きかどうかというのはそれぞれの嗜好になりますね。

 

 

だから、実際に見てもらえるのが一番かも。

 

 

で、どうしても繊維のことが伝えたかったのでその気持ちが先行しちゃいまして、今回のブログではシャツの見た目が分かる写真を撮ってませんので、また近いうちに紹介しますね。

 

 

僕も心躍ってるシャツだから楽しみにしてもらえると嬉しいです。

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