昨日まで"山内"の2025年春夏コレクションのオーダーイベントを行なっておりましたが、次は、"COTTLE (コトル)"。
期間は、8月24日(土)からスタートし9月1日(日)までの合計9日間で開催を致します。
・SenkohSuiu 「線香(閃光)翠雨」
・UNIFORM FOR LIVING 「暮らしの道具」
この2つのコレクションシリーズからなるCOTTLE。
現在、通常取扱の中では、"UNIFORM FOR LIVING"の中から、C.T.L DENIMを取り扱いしています。
これは、COTTLEの中の唯一の"既成服"のラインナップであり、それ以外のコレクションシリーズは、日本国内では、全てオーダー制をとっているブランドです。
その理由は、"必要としてくれる方のために、必要な分だけを届けたい"という考えのもと運営されているブランドだから。
僕にとって、COTTLEの渡辺さんは、レジェンド的存在。
自分自身が過去に所属した児島の洋服業界の"川上"の企業でその功績が語り継がれる人物。
ギャラリーショップとアトリエが併設したCOTTLE。
現在も、岡山県倉敷市児島にアトリエを構え、この場所で、極めて唯一性の高い洋服を生み出す。
これまでこの//subjunctionというブログで、何度も書いてきたことではありますが、
"自ら考えたものを、自らで形にする"という思想。
"民藝のものづくりが息づく、手工芸としての洋服づくり"という思想。
非常に限られた生地のバリエーションは、その中から特別な領域の"染色"を行なうことで、選択肢を与える。
しかし、その生地は"市場の通例を無視したような"ウルトラクオリティ。
また、洋服の設計、仕様においても、"通常"とはかけ離れたものだと僕は思う。
その洋服づくりを支え、ブランドの途轍もなく太い軸になっていることが、"つくり手の責任"という考え方である。
だからこそ、その分、コレクションの多くが"既成服"ではなく、オーダー制でもある。
COTTLEのコレクションを見ていると、今すぐ手にしたい。今すぐ欲しいという気持ちに駆られると思うが、それは、、、
我慢してくれ。
お渡しできるまでには、数ヶ月の時間はかかるけど、その分、手にした時の、トキメキが止まらない高揚感、ずっと見ていたくなる気持ち、大切に着続けていきたいと心底思わせてくれる洋服である。
先日、僕もCOTTLEにオーダーをかけていたパンツが出来上がった。
改めて、そのレベルを実感しました。
だから、それを次はお客様の皆様方へお届けします。
8月24日(土)〜9月1日(日)までの9日間は、ブランドのコレクションシリーズより、
LEAF VEIN = 「葉脈」 (SenkohSuiu)
GOLDEN WHEAT FIELD CORDUROY = 「黄金色の麦畑」 (UNIFORM FOR LIVINGだけど、SenkohSuiuでもあるかも)
この2つのシリーズを皆様にご覧頂きたいと思っています。
この2つに共通するのは、我らが"カネタ織物"さんでつくり上げたCOTTLEオリジナル生地であるということだ。
この、度肝を抜きに抜かされる2つの生地のコレクション。
"LEAF VEIN"。
"GOLDEN WHEAT FIELD CORDUROY"。
まじで、ぱねぇ。この2つ。
"葉脈"のような有機的な様子を表現した"LEAF VEIN"。
生地の混率は、
100番手単糸ハードマンズヘンプ 37%
80番手双糸アルティメイトピマコットン 33%
21d/8生糸シルク 30%
という組成。
<100番手単糸ハードマンズヘンプ>
ハードマンズ社のヘンプは、60番手以上の細いもので、ゴールドラベルという称号がつくそうだが、COTTLEでは、100番手という非常に細いものを緯糸に打ち込む。
植物繊維の中でもヘンプは、細い糸をつくるとなると、とても難しく、高い紡績技術を必要とするそうだ。
その中でも、100番手をひける無農薬栽培の上質な原料は、大変希少性が高い。
素材の価値と、紡績職人の持つ技術、ノウハウがあってこその銘品と言える糸である。
そのようなハードマンズヘンプを緯糸に使うことで、高温多湿な日本に適した着心地と、美しい素材のフシの模様、生地のハリを与えてくれるそうだ。
経糸には、アルティメイトピマコットンと、生糸のシルクがセットされる。
<80番手双糸アルティメイトピマコットン>
アルティメイトピマコットンは、高価なコットン原料であり、世界でも唯一、アメリカのドーシーアルバレス農場でしか栽培がされていない品種である。
他のオーガニックコットンと比べても、原料の風合いの良さに加えて、強力であり、経年での硬化も少ないそうだ。
ドーシーアルバレスさんが栽培する中でも"スペシャリティコットン"であり、COTTLEで目指す、経年美化という考え方にピッタリだったそうだ。
<21d/8 生糸>
同じく経糸に配置される生糸のシルクは、21d/8という糸。
これは、コットンに換算すると、253番手で8本取りということになる。
生糸のシルクが入ることで、生地への光沢と、しっとりとした保湿性が与えられる。
しかし、LEAF VEINの生地は、カネタ織物さんの"シャトル織機"で織り上げられる。
日頃、目にするような洋服で、使われることがほとんどない"生糸"段階のシルクは、パワーのあるシャトル織機では、常に"糸切れ"と隣り合わせ。
開発段階では、シャトル織機で生糸を使って織り上げることは、不可能だと思われたそうだが、カネタ織物さんの高い技術力があってこそ実現した。
それでも、糸が切れてしまう度に、織機を停め、途轍もなく細い生糸を手で繋いでいく必要がある。
シャトル織機に職人が付きっきりになり、織機を停止させながらも、時間とコストをかけながら、生糸を使うことを実現させたのだそうだ。
それぞれ3つの素材が、キメ細かく非常に整って織り上げられたウルトラオリジナル生地。
経糸には、交互にセットされた、生糸とアルティメイトピマ。
縦方向にキラッと光って見えるのが、生糸。
その隣にアイボリーっぽく見えるのが、双糸のアルティメイトピマ。
3つの素材が、途轍もなく美しく配置されているのが"LEAF VEIN"。
この生地は、その見た目も極めて奥深いものですが、その肌あたり、着心地も素晴らしい。
滑らかさ、しなやかさ、衣服内の快適性。
これ、ずっと着ていたくなる。
日常生活で。休みの日に。出かける時に。
いつも着ていたくなる肌触り。
それが最初だけではなく、時を経てもなお、より良さを感じられる生地してる。
<GOLDEN WHEAT FIELD CORDUROY>
このコーデュロイは、コーデュロイの概念が変わる。
ブランドの中で、"UNIFORM FOR LIVING"というコレクションは、オーセンティックであり、毎日の暮らしの中に馴染み、溶け込むような洋服。
SenkohSuiu : 世の中にない生地を0からつくる
UNIFORM FOR LIVING : 世の中に存在する生地、服をCOTTLEの解釈でつくる
という違いがある。
その中で、このGOLDEN WHEAT FIELD CORDUROYは、オーセンティックなコーデュロイの見た目をしてる。
しかし、世の中に存在しない、全く新しいコーデュロイなのである。
COTTLEで目指したGOLDEN WHEAT FIELD CORDUROYは、以下のようなもの。
"軽く柔らかく光沢があり耐久性のあるオーガニックコットン100%のauthenticな畝ピッチのコーデュロイ"
「軽く、柔らかく、光沢があり、耐久性がある」ということは、コーデュロイでは矛盾しており、普通に考えれば全てを実現することは難しい。
それは、畝がある特徴により、"軽く・柔らかく"すれば、密度を下げることになり、毛抜けが光沢の低下、耐久性が下がるということにつながる。
一方で、"光沢や耐久性の向上"を重視すれば、軽さと柔らかさは低下するというもの。
また、コットン生地の中でも、コーデュロイは、その生産工程も特性も特殊であり、現在では、コーデュロイの生地組織というものは"決まったもの"しか存在せず、新たな組織は開発しづらいという側面も持つそうだ。
だから、COTTLEのGOLDEN WHEAT FIELD CORDUROYは、凄まじい。
これまで過去のCOTTLEのイベントで、ご覧頂いたことのある方は分かって頂けると思うのですが、まさに、
"軽く柔らかく光沢があり耐久性のあるオーガニックコットン100%のauthenticな畝ピッチのコーデュロイ"が完成しているのだ。
混率は、コットン100%。
しかし、2種類のコットンを使っている。
経糸には、シャンカールオーガニックコットン(約30%)。
緯糸には、LEAF VEIN同様に、アルティメイトピマコットン(約70%)。
生地の割合の中、30%と70%で、それぞれのコットンが使われているが、つまり、経糸よりも緯糸の方が、大幅に使用量が多い。
カネタ織物さんとの開発で、経糸の密度を下げ、緯糸の密度をかなり高めることで、COTTLEの理想とするコーデュロイは完成した。
現在、世界を広く見ても、オリジナル組織のコーデュロイは、全然存在しない中で、COTTLEはとても難しいハードルを乗り越えて、オーセンティックな見た目だけど、全く新しいコーデュロイを完成させたのである。
そのような意味合いでは、GOLDEN WHEAT FIELD CORDUROYは、"SenkouSuiu"にも属するかもしれない。
"SenkohSuiu"では、生活の中にあるハッとした出会いや美しさを視覚と触覚で表現し、工芸的な美術要素を取り入れることで具現化するものというブランド定義がある。
ハッと気付きがあるコーデュロイである。
春夏も秋冬も関係ない。
年中快適で、非常に心地よいコーデュロイ。
一度触れると、誰もがその違いを瞬時に感じて頂けると思います。
冒頭に紹介した通り、COTTLEのオーダーイベントは、24日(土)よりスタートします。
また、初日の24日(土)は、COTTLEの渡辺さんが一日在店してくれる予定です。
追って紹介しますね。