お知らせしているCOTTLE。
先日、少し紹介した"LEAF VEIN (葉脈)"に続き、今日は、"GOLDEN WHEAT FIELD CORDUROY"。
ブランドのコレクション内で、"UNIFORM FOR LIVING"に位置するこのシリーズ。
先日お知らせした"LEAF VEIN"は、SenkohSuiu。
SenkohSuiuでは、世の中に存在しない生地を0からつくるという定義がある。
対して、UNIFORM FOR LIVINGでは、世の中に存在する生地、服をCOTTLEの解釈でつくるという、分けた考え方をしている。
当店でも現在は、店頭販売を行なっている"C.T.L DENIM"もデニム。
"GOLDEN WHEAT FIELD CORDUROY"は、コーデュロイである。
デニムとコーデュロイ。
既に世の中に存在する生地や服だ。
以前に"C.T.L DENIM"のことについては、記載をしたのですが、やはりそのデニムも素晴らしい。
僕は、COTTLEのデニムが、デニム界でNo.1だと思ってる。
そして、"コーデュロイ"。
この生地、服もまた、昔から存在しているものである。
前々回のブログで記載をしたが、COTTLEのGOLDEN WHEAT FIELD CORDUROYは、
オーセンティックなコーデュロイの見た目をしていながら、全く新しい組織で出来上がっているもの。
COTTLEが大事にしていることは、"つくり手の責任"。
コストや膨大な手間がかかってでも、クオリティを最重視する。
このことをブランドで、声を大にして言っているのだ。
コーデュロイの生地は、大体、中国製の安価なものが中心で流通しているのである。
品質が高いと言われる日本製のコーデュロイも、決められた組織設計のものばかり。
加えて、コーデュロイは、他の生地とは、出来上がるまでに経る生産プロセスが少し違う。
そのような他の生地との"生産プロセス"の違い、生地の構造の違いから、新たなコーデュロイを開発するのには、すごくお金がかかるんだって。
あと、めっちゃ難しいみたい。
しかも、それが出来上がっても、"その違い"を買い手に明確に感じてもらわなければならないから、果てしなくハードルは高い。
そのような理由から、現在では、どのブランドも"コーデュロイの開発"には、トライすることがなく、いざ取り掛かっても途中で断念してしまうことになるそうだ。
だから、全く新しいと言えるコーデュロイは、壊滅的に存在することがない。
これが、事実である。
ただ、COTTLEは違った。
渡辺さんは、マジで行き切ってる。
このようなことこそ、僕が思う、数少ない"レジェンド"である要素。
現在では、COTTLE以外で目にしたり、流通するコーデュロイは、先日のcalmlenceの奇跡のようなウールシルクコーデュロイ(デッドストック)を除き、はっきり言って、見て触ったところで何も感動を覚えない。
あっ、イザベラもありましたね。当店には。イザベラのコーデュロイはイタリア製のすげーやつです。
以上のcalmlenceのデッドストックと、Isabella Stefanelliのイタリア製Tea Dyeくらいしか、「こっ、これは。」というようなものはない。
一般的に、謳い文句的に、太畝だとか、親子コーデュロイだとか、いろいろ言われますが、大体が、パッと視覚的に感じられる"畝の太さ"の違い程度。
生地そのものの肌触りや、膨らみなんて、どれも一緒じゃないですか。
コーデュロイの毛が立ってても、その質感は、触る前から大体想像できてしまうし、どれも100発100中で、ベースの部分はそれなりに硬い。
だから、「コーデュロイが好きなんですよ。」って言う人には、未だに出会ったこともないし、見たこともない。
この、COTTLEのGOLDEN WHEAT FIELD CORDUROYを見るまでは。
先ほども言ったように、このブランドは、
大きくかかってしまう費用的コストや、膨大な手間がかかっても、目指す"クオリティ"を最重要視する。
と渡辺さん自身が言ってる。
特に、COTTLEは、現在、世界に羽ばたいて行ってる真っ只中であるが、規模が大きいブランドではない。
だから、誰もがやり切ることができなかった"コーデュロイ組織"の開発も、少量生産であれば、尚更、コストがかかってしまうのだ。
それでも、渡辺さんが目指すクオリティを最後までつくりあげた。
カネタ織物さんと一緒に。
その素晴らしいコーデュロイ。
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これ。
写真で撮っただけで、既に"光ってる"コーデュロイ。
経糸は、インドのシャンカールオーガニックコットン。
緯糸は、LEAF VEINで使われるコットンと同様に、"アルティメイト・ピマコットン"だ。
生地の構成は、経糸と緯糸が3:7の割合で織り上げられている。
緯糸のほうが、倍以上使用量が多い。
そして、コーデュロイの大きな特徴である"畝"。
これは、全てが緯糸である。
GOLDEN WHEAT FIELD CORDUROYが目指したもの。
"軽く、柔らかく、光沢があり、耐久性のあるオーガニックコットン100%のauthenticな畝ピッチ"
というもの。
このことは、前々回のブログにも記載したが、コーデュロイの通例では、どれかを実現すると、どれかが正反対のものとなってしまう。
だが、それを見事に叶えたのである。
果てしなく、途轍もなく、凄まじいコーデュロイだ。
COTTLEの渡辺さんは、言う。
「焼き直しをしただけのコーデュロイではないものをつくることを目指した」と。
その言葉は、先述の通り、"ものづくりに責任を持つ"という精神、
コストや労力がかかっても、"クオリティを最重要視"する精神、
この2つからなる、"全く新しい組織設計のコーデュロイ"。
具体的に。
"UNIFORM FOR LIVING"のコレクションシリーズとして生み出すために、authenticなコーデュロイの見た目をしている必要があった。
でも、単なるこれまでの"通例の焼き直し"では、目指すものにはならない。
秋冬のイメージのあるコーデュロイを、年中心地よいものとして、使いたくなるように。
そのことに一緒に取り組んだのが、"カネタ織物"さん。
カネタさんも、ものづくりに対して、とても情熱がある方だ。
これまで2回、当店の店頭に立ってもらったことがあるから、話をして頂いたことがある方は、分かって頂けると思う。
僕は、現在もこれからも、当店に在店をしてくれたことのある、カネタ織物さんや、山栄毛織さん、葛利毛織さんという機屋さんが日本の良いものづくりを支えていかれる方々だと思う。
そして、そのようなカネタ織物さんだが、メインで使う織機は、"シャトル織機"。
結論から言うと、
・アルティメイトピマを使ったもの
・シャトル織機で織り上げたもの
・オリジナル組織で織り上げたもの
この3つの要素を持つ、コーデュロイは、超絶的な希少価値があり、それこそがCOTTLEのGOLDEN WHEAT FIELD CORDUROYが持つ
最大の特徴となったのだ。
ちなみに、そもそも、シャトル織機で織られたコーデュロイ自体が非常に貴重らしい。
だから、これ、みんな見たほうが良い。
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圧倒的な膨らみ。
柔らかさ、軽さ。
これは、宇宙レベルの領域。
様々な検証を行いながら、新組織の開発に取り組んだそうである。
最初は、上手くいかず、辿り着いたのが、、、
経糸(ベースの部分)が低密度。
緯糸(畝の毛となる部分)が高密度。という組織。
だから、上の写真を見ると、ベースの部分は、糸の組織が見てもらえるんじゃないかと思います。
更に、生地を光に当てて、反対から、、、
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これ。
なんとなく分かりますかね??
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光が抜けているのが、ベースの部分。
光が通らず、色が濃く見えるのが、コーデュロイの畝の箇所となる。
普通のコーデュロイでは絶対にこうはならない。
もっとベースもギッチギチで硬くて、こんな感じで光も通らないし、それに伴って、畝の毛も硬め。
だからと言って、柔らかくするために、全体の密度を下げてしまうと、コーデュロイの抜け毛が激しく起こってしまうのだ。
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これを見てください。
特に、右の親指の先。
コーデュロイのベース生地とは、全然比べ物にならないほどの、もの凄い緯糸の束の数が分かって頂けるでしょうか??
ギッチギチに畝の箇所の緯糸が打ち込まれ、それがブワッと一気に花開いてる。
これは、めちゃくちゃ難しいハードルを乗り越えたもの。
正真正銘、柔らかく・軽く・光沢があり・耐久性がある。
めちゃくちゃ気持ち良くて、膨らんでいて、心地よく空気が通る。
これこそ、まさに"代替が効かないコーデュロイ"。
というか、そのことを考えると、コーデュロイであって、コーデュロイではないかもしれませんがね。もはや。
そのくらいのクオリティをしてますよ。
皆様、腰を抜かしてください。
昨年、ご覧頂いた方は、もう一度、驚愕してください。
そして、カラーバリエーション。
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さっきから登場してる、無染色のECRU。
GOLDEN WHEAT FIELD CORDUROYの風合いが最高潮に感じられる無染色だ。
ちなみに、想定以上の余分な毛羽をなくすために普通のコーデュロイでは、"ガス焼き"を行なうこともあるそうですが、焦げて色が僅かに変化するそうですので、そのままをご体感頂けるように、COTTLEではガス焼きしていません。
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<ASAGI INDIGO (浅葱染)>
本藍染の濃度を調整して、空を突き抜けるような浅葱色にしたもの。
コーデュロイといえば、サマーコーデュロイなどもあり、カリフォルニアのスケーターやサーファーのようなイメージにしたと渡辺さんは言ってる。
目を惹く鮮やかブルーだけど、これを乗りこなせば、ちょーカッコいいと僕は思ってる。
あと、実物はかなりの高級感です。
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<AKANE (茜染)>
続いて、ASAGI INDIGO同様に目が覚めるようなピンク。
茜の木の根を原料にしたものだそうです。
これは、全てのGOLDEN WHEAT FIELD CORDUROYで、最も手にするハードルが高いものだと思いますが、昨年は、これでショートパンツをつくった(しかもレングスをめっちゃ短く変更)ド変態のお客様がいました。
お渡しの時には、ハンパなく似合ってた。
メチャいけてるAKANE。
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<MORDANT BLACK (媒染液染)>
こちらは、とても珍しい染色。
天然染色などで、染料を固着させたり、より黒っぽく色味を出すために使用する"媒染(ばいせん)液"。
通常では、焙煎は、鉄やアルミなどを"媒染液"として、そこに天然染色を施した布や服を入れる。
COTTLEでは、その媒染液のみで色濃く染色したという非常に珍しい染色方法だ。
それに、使う媒染液は、上に挙げたようなものではなく、"木酢液"という僕はCOTTLE以外では聞いたことがないもの。
あまりに高価な媒染液であるため、多分ほぼ使われていないっぽいです。
その木酢液を惜しみなく使用しているそうです。
これを使うメリットとしては、通常染色である"反応染め"や着古した風合いを出すための"硫化染め"などよりも、経年美化を生み出すためのポテンシャルが高いといいます。
染色方法にも、非常に重きを置くCOTTLEならではの手法と言える。
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<AUTHENTIC INDIGO (本藍染)>
ブランドで欠かすことのできない存在である"本藍染め"。
一切のノーケミカルで、美しい藍染の色合いが特徴だ。
特に、GOLDEN WHEAT FIELD CORDUROYの本藍染めは、実物を見てもらったら分かると思いますが、非常に色が濃く染まってる。
それと、驚くような光沢が特徴。
類まれな美しさを誇る本藍染めだ。
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<HARVEST BROWN (媒染染 + 天然染色3色 = 合計4色)>
"GOLDEN WHEAT FILED CORDUROY"を象徴するカラーリング。
「収穫」を意味する"HARVEST BROWN"。
アンティークフレンチウェアの一つにブラウンコーデュロイの特徴的な色味がある。
時間を経ても、色濃く残る美しさは独特な色相の経年美化を感じていたそう。
時が経っても単調ではなく、箇所によってや、光の当たり、一日の中の時間帯によっても色合いが複雑に見える様子。
COTTLEが理想とするブラウンであり、今だけではなく、この先にも美しい経年美化を遂げてほしいと考えられたオリジナルレシピ。
"媒染染め"したコーデュロイを、更に"天然染色を3色、それぞれ別々に染め重ねる"ことでできた色合い。
多彩な色彩表現と色味の変化を"コーデュロイの畝の中に閉じ込める"という染色だそうだ。
100年前のアンティークフレンチウェアのように、COTTLEの洋服も100年後のアンティークウェアとして残るように。と願いを込めた染色方法です。
ちなみに、天然染色の色合いは、COTTLEの渡辺さんでは珍しく、ヒ・ミ・ツ。
長年愛用することで、それぞれの天然染色の色合いが少しずつ顔を覗かせてくれるかも。
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<MORDANT INDIGO 媒染染め + 本藍染め>
黒藍。
本藍染めを行なったコーデュロイに、更に媒染染めを施したもの。
先述の通り、AUTHENTIC INDIGOは、GOLDEN WHEAT FIELD CORDUROYでは、かなり光っている。
それに更に、媒染染めを重ねることで、黒味に近い、深い藍色を目指したもの。
コーデュロイの畝や、着用時の動きによって、奥深くからの藍色が感じられる。
一見するとブラックのようにも見えるけど、そんな単調なものではない。
この深みは、圧巻。
COTTLEの染色の凄みを強く感じるカラーリングです。
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以前も紹介した、"金継ぎ水牛ボタン"も健在。
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豊かな発色にもとても映える"金継ぎ水牛ボタン"。
これは、見ものだ。
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"UNIFORM FOR LIVING"に属するコレクションですので、ワークウェアタイプの洋服もあるのですが、そちらには、デニムシリーズでも紹介したこちらのボタンが付属します。
あとは、洋服の仕様としても、コーデュロイという生地を使ったコレクションである分、長年の着用でも野暮ったい見た目にならないように細かく設計をされています。
"LEAF VEIN"では、高密度な生地である分、ハンドステッチやそのステッチワークにも目が行きやすいコレクションですが、畝に伴った膨らみのある"GOLDEN WHEAT FIELD CORDUROY"も見えにくいですが、全く遜色ない。
その細部の仕様は、やはり全てCOTTLEしてる。
着た時に、気付ける凝った仕様や、あまりにもスムーズに使えて気付けないような箇所もあると思いますが、"UNIFORM FOR LIVING" = 「暮らしの道具」。
着心地、機能、整った見た目。
所有者、着用者のことを第一に細かく設計しているコレクションシリーズです。
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CORDUROY ZEN JACKET。
色は、MORDANT INDIGO。
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壮絶な裏側。
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HARVEST BROWN。
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ASAGI INDIGO。
当然だけど、カラーリングで、全然印象が違いますね。
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同じくZEN JACKETの無染色ECRU。
無染色には、無染色の大きな魅力がある。
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C.T.L NEO TYPE 2nd CORDUROY JACKET。
"LEAF VEIN"では存在しないタイプのブルゾンです。
AKANE。
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CORDUROY CHAMPETRE BOUQUET JACKET。
こちらは一重。
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AUTHENTIC INDIGO。
CHAMPETRE BOUQUET JACKETは、袖口の表地見返し幅が大きいこともあり、大きく袖を折り返しても良いと思う。
まあ、期間中に実物でお試しください。
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CORDUROY GURHKA PANTS。
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ASAGI INDIGO。
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CORDUROY GURHKA SHORT PANTS。
噂のショートパンツ。
まあ、今回は、お渡しが11月〜12月くらいなので、こちらをオーダー頂くようなマニアックな方はあまりいないと思いますが、非常にイケてるパンツです。
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CORDUROY BAKER PANTS。
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あとは、帽子やバッグなども。
加えて、ジャケットが1種類と、コートが3種類もあります。
この辺りは、当店では初めての登場です。
"LEAF VEIN"も"GOLDEN WHEAT FIELD CORDUROY"も、どちらも、写真にない色と洋服の組み合わせももちろん可能です。
当日は、結構な量のサンプルをズラッと並べることができると思います。
お知らせしていたように24日(土)は、COTTLEの渡辺さんが一日在店してくれます。
期間中は皆様のご来店をお待ちしてます。