Araki Yuuの今シーズンの洋服が全て揃いました。
ブランドのシグネチャーであるJerkin JacketやAtelier Coat、コートで言うと数少ない新型といえるSoutien Collarのものだったりもありますね。
あとは、Baggy PantsとワンサイズオールフィットのPyjama Pantsですかね。
少しずつ紹介しますね。
Araki Yuu
4B Jerkin Jacket
material _ wool 55%,linen 45%
button _ black brass
color _ deep grey
size _ 0,1,2 ※0と2は完売しました
ジャーキンジャケット。
これはブランドとして世界5着だけの生産です。
当店ではサイズ0〜2まで展開をしていたんですが、現在1のみの在庫ですね。
5着の生産でその全てを当店で取り扱いをしているわけではないです。
混率は、ウール55%(経糸)とリネン45%(緯糸)。
経糸は比較的太いウールですね。
こちらもメリノウールです。
ブラックなのですが、ウールの特性上かなり深い黒だと思いますね。
対して、緯糸はリネン。
経糸と比べると細めです。
そのリネンは、中白の状態で、いわゆる例えるならばデニムの経糸と同じような状態に設定してあります。
だから、薄っすらと既に芯の白い部分が覗いているようにも見えますね。
織りがドビー織機っていういわゆる凹凸感が生まれるようなものでつくられてるから、生地表面でいうとフラットな見た目ではなく、陰影が効いてます。
あとは、気持ち厚みを感じますね。
ドビーの特徴でもあるけど。
もともと個性的で雰囲気が強い生地ではあるのですが、リネンの芯が白い構造もあり、着ていくと見た目の変化も感じられて、より強い雰囲気になってくれると思いますね。
そういうのが好きな人にはすごく良いかも。
丈夫な生地でもあるし、とにかく着てくれたらオーケー。
気に入ってめちゃめちゃ着てて、数年後に気付いたら新品の時より奥行きが出て、すごく深みの感じられるジャケットになってたってことが起こる洋服かな。
衿の形状はスタンドカラーに分類されるかな。
テーラードカラーとはまた違った漢っぽさがありますね。
でも、この手の立ち衿型のジャケットに発生してしまう、チャイナ感並びに宗教感は皆無。
見た目の通り、テーラードジャケットとカバーオールが組み合わされたような設計です。
でも、どちらにも寄り過ぎてないし、少しインテリな空気が漂ってる。
ボタンはAraki Yuuらしくストレートに黒塗りの真鍮でつくってもらっていますが、今回は秋冬シーズンということもあり総裏地です。
無地のコットンですね。
袖裏はしじらのある細かなストライプ。
ここは少しだけオリエンタルな薫りを感じますね。
袖裏もコットンですが、身頃裏に比べるととても滑りが良好。
袖口に関しても手まつりやハンドのボタンホール、綺麗な額縁仕立ては健在。
Araki Yuu
Baggy Pants
material _ wool 55%,linen 45%
button _ black brass
color _ deep grey
size _ 0,1
こちらは先ほどのジャーキンジャケットと同じ生地のパンツ。
まあ、セットアップ組んでもらっても良いかな。
セットアップじゃなくても問題はないですし。
バギーと言いますが、めっちゃ太いとかではなく、ウエストはダーツ使いの賜物で、柔らかくフィットし、そこから裾まで力強くズドンと落ちるイメージ。
残念なことに着てる写真は撮ってないから想像してください。
こちらも黒塗りの真鍮ボタン。
着用と洗濯を繰り返していくと、表面のブラックコーティングが次第に剥がれ、ベースの真鍮がむき出しになってくる。 のですが、、
トップボタンは三つ穴。
もう、着るとかには一切関係なくなってくるんですが、今の時代、三つ穴のボタンってほとんど存在しないんですよ。
理由はミシンでのボタン付けができないから。
三つ穴だと。
二つ穴or四つ穴だとボタン付けミシンに対応できるのですが、時代の変遷とともにどんどん無くなっていったのが三つ穴仕様のボタンです。
Araki Yuuはそもそも全て手付けのボタンなのですが、豆知識として頭に入れておいても良いかもしれませんね。
Araki Yuuの洋服の特徴としてまた挙げられるのが、手縫いの補強の数々。
写真で見えるかどうか分からないですが、ポケット口の写真です。
通常、ポケットの口部分は両端に最も負荷がかかるため、カンドメミシンもしくはシングルステッチの複数回の返し縫い、リベットなどでの補強がされるのですが、Araki Yuuは全て手縫いの閂留め補強をしています。
現代的で商業主義の洋服づくりとは線を引き、100年以上前の洋服づくりを続けるブランドですからね、とても今では見ることの少ない仕様です。
バックには真鍮製のシンチ。 ベルトループ付き。
ベルトループは下部をウエストベルトに流し込み。
付属する2つのボタンで裾幅を変化させるBaggy Pants。
曲線でカッティングされた剣先型のストラップで調整してください。
裏側です。
裾まで近いくらいの裏地仕様です。
コットン100%。
裏はステッチが露出してないんですよ。
理由は、肌に当たるから。
肌に直接触れる裏側にも極限まで配慮しているAraki Yuu。
裏地の付け方も立体的で生地の滑らかな当たりだけではなく、下半身の動きに合わせて添ってくれる超機能を持った凄まじさ。
本体は裏はパイピング処理ですが、裏地と表地は鎖編みで繋ぎ合わされています。
これにより裏地の自由度はある程度確保されながらも、過剰に動きが出ない仕様です。
考えられてる。
見えない裏まできちっとしてますね。
こういうところを見ると洋服として信頼できますよね、ホント。
このBaggy Pantsに関しても先ほどのジャーキンジャケット同様、着続けると見事な変貌を遂げてくれると思います。
ジャケットの方はサイズ1だけになってしまったので、セットアップできる方は限られますが、超人を目指す方はセットアップのスタイルも良いかもしれませんね。
かなりのイッてるけど。
いろんな意味で。
ただ、やはりパンツのほうはジャケットよりもどんどん生地変化は感じられると思います。
上半身に比べて下半身の方が可動域は大きいし、洋服にかかるテンションも大きいですからね。
特にこれからの時期は汗もかきにくいから、昔お気にのリジッドのジーパンを買ったときのように鬼穿きすると凄そう。
もともと新品の状態でも強いけど、よりすんごい雰囲気になってくれそうですね。
細部を全て紹介してるワケじゃないけど、これだけ手を入れてつくられてるパンツですからね。
ジーパンの代わりに極上のワークパンツとして穿くのなんて良いんじゃないかな。
で、気付いたころには新品とは全然違う見た目へ。
こういうの好きな方は大好きでしょ。
Araki Yuu
4B Jerkin Jacket
material _ alpaca 100%
button _ engraved hord
color _ brushed herringbone brown
size _ 0,1,2
で、これが先日もチラッと紹介したJerkin Jacket。
現状サイズは全て揃っていますが、ストックはありません。
今シーズンはジャーキンジャケットは先ほどのと2種類での展開なのですが、どちらにするのか迷いに迷って頂いてる印象ですね。
こちらとしても、思いっ切り変化を楽しめて安心の色合いのwool linenタイプと、着たときにエゲつないくらい包み込まれ、生地組織の陰影と温かみ溢れるalpacaタイプとの極上の2種類で取り扱いをしているつもりです。
プライスもプライスだけど、2000円違いということもあり、どちらとどう付き合うかを見極めて頂けている印象です。
こちらとしてはどちらもサイコーパラダイスなものをご用意しているつもりですので、どちらを選んで頂いても構いません。
店頭に並ぶまでにできることを全力で注いでますので(僕じゃないです荒木さんが)、着古していきたいほうを選んでください。
こちらのジャーキンジャケットは水牛ボタンです。 Araki Yuu仕様の。
骨董品みたいなボタンですよ。ホント。
そういう雰囲気ムンムンに漂ってる。
今回このジャーキンジャケットをブランドサイドにオーダーするときに悩んだんですけどね、真鍮or黒塗り真鍮orホーンかで。
で、店頭に立ってるときもお風呂入ってるときも、ご飯食べてるときもずっと考えてたと思うんですよ。
半年以上前の僕。きっと。
なんか他の事を考えすぎてどう考えたか最近いろいろ忘れてるんですけど、届いてみたら正解だった。
トップ染め(繊維の状態で染色すること。染色方法で最もコストがかかり高級だが、色合い・風合い抜群)のアルパカとサイコーに高め合ってる。
そこにハンドのボタンホールとかもう激ヤバでしょ。
ボタンの箇所だけですんごい化学反応起きたと自負してますよ。これ。ホントに。
こちらは袖口ですね。
水牛ボタンの手付けに、ハンドボタンホール、狂いのない額縁仕立てに、裏地の手まつりの処理、袖口の開き留めには手縫いのカンドメ(ほとんど見えないけど)、そしてダークブラウンのヘリンボーンキュプラの袖裏。
袖口だけでザっとこんな感じ。
良いものつくってくれてますよ。
裏地は、生地染めのコットン100%です。
表地とのコントラストもバランス悪くないと思う。
もちろん全てのAraki Yuuの洋服に記載されるシリアルナンバーも搭載。
で、これ。
見てください。
ポケット口。
反対側も。
これ、今では廃れた仕様です。
南京玉縁。
だいたい玉縁は機械化されてしまっていることが多くなってるんですが、これはそうではない証です。
ポケット口の端の処理。
これが、南京玉縁。
この処理もここ最近かな? 更なる技術向上を目指すAraki Yuuが取り組んでいる仕様です。
近年でも更なる均質化、合理化、機械化が進んでいるアパレルマーケットとは完全なる隔たりを感じますね。
いわゆる古き良き洋裁技術の一つで、テーラーメイドなんて今ではあまり耳にしないワードですが、その一種なんですよ。
洋服づくりの高い技術を一着に注ぎ込むのって今の時代はそう簡単なことじゃないです。
そこに取り組もうとするブランドの姿勢は取り扱う店としてもすごく誇りに思う部分でもあるし、身の引き締まるところでもありますね。
Araki Yuuの洋服から感じることはすごくあるんだけど、やはり着るものですからね。
ウルトラヘビーユースしてもらえる方へ。
僕も着続けてるけど、この間写真撮ったときよりももっと馴染んできてる。気がする。 特にalpaca jerkin jacketのほうは柔らかな保温力もあるし、これから寒くなるときには重宝するんじゃないかな。
見てみてください。
あとは、冒頭に書いた通り他のもありますが、それは後日紹介しますね。
今日また山内からdeliあったので次はそれかな。
それでは。