A.PRESSE Gジャンとシャツ
IRENISAのLIMITED STOREを開催中ですが、今日は、A.PRESSEを紹介させてください。
すごいのがあるから。
今日は、2nd TypeのGジャンとシャツ一つ。
どっちもフツーじゃない。
久しぶりにこういうこと書くんだけど、そもそもGジャンの"G"ってみんな何でか知ってますかね?
ジーパンも、ジージャンも"G"。
ジーパンなんて正式名称は、"jeans"なのに、"G"。
まあ、一番有名な説は、日本の戦後に"GI(ジーアイ)"というアメリカ兵の俗称があり、その兵士たちが穿いていた"パンツ"。
その「GIのパンツ」
略して、
"Gパン"と言われるようになったというのが一番有名。
でもね、その当時って、"pants(パンツ)"という言葉って存在しなかったらしいんですよ。
欧米でズボンは、正式には"trousers(トラウザーズ)"って言われてたから。
だから、この「GIが穿いていたパンツ」というのには、無理があるそうです。
じゃあ、何か。
この"パン"という言葉は、日本でズボンを意味する言葉ではなく、もっと社会の真相が見えてくる。
今でもニュースで当時のことが取り上げられてるけど、"慰安婦"。
この女性たちがいなければ、もしかしたら今のように"Gパン"や、"Gジャン"という言葉は存在しなかった。
かもしれない。
当時、日本に滞在したアメリカ兵たちも大変だったそうですよ。
唯一の癒しだったとも言えるのが、慰安婦との時間だったそう。
アメリカ兵と慰安婦が何をするのかは、全員想像つくと思うけど。
その性行為をするときの音で例えて、当時は慰安婦の方は、裏では"パンパン"と呼ばれていたそうです。
そして、"パンパン"は仕事だけではなく、GIから日本にまだ入ってきていなかった"jeans"を買うか貰うかして、市場に流した。更なる収入を得るため。
当初は、そういう裏の社会から発生し、少しずつ日本の市場に流通し始めた。
"GI"が穿いていたジーンズを"パンパン"が得て、販売者は、"パンパン"から仕入れる。
"GI"と"パンパン"、その両方の字をとって、
"Gパン"という言葉が生まれたそうです。
これが、最も有力な説と言われてる。
と、何かの文献で見た。
事実かは、知らないですけどね。
でも、そうなんだろうと信じてる。
由来は、興味深いもの。
ということで、今日は、"GI"が着ていた"ジャンパー"。
"Gジャン"をまずは、紹介しますね。笑
A.PRESSEのレベル、今回もすんごいから。
あと、今回は、久しぶりにマイクロスコープも登場させます。シャツのほうで。
A.PRESSE
2nd Type Denim Jacket
material _ COTTON 100%
color _ INDIGO
size _ 44,46,48
まずこれ。
Gジャンのキング、2nd。
前回紹介したのは、XXタイプのジーパンでしたが、その加工も見事。
でも、今回のも見事なレベルなの。
A.PRESSEの重松さんが何着持ってるか知らないけど、オリジナルの50サイズの2ndをこのGジャンの48相当にし、いろんなオリジナルの良いところを忠実中の忠実に再現した、"スーパーGジャン"。
これヤバい。
僕は、半年前の展示会で、A.PRESSEのデニムシリーズを見たときに、ホンットに感動したから。
自分が追い求めてきたデニムの中で、ここまでのレベルでつくってるブランドは、ないから。
あと、以前のXXの時にも書いたけど、それを均一なクオリティで本生産して、商品にできるブランドは、マジで、ない。
このプライスで。
だから、今回もお好きな方は見てもらうと良いと思いますよ。
オリジナルが好きな方であればあるほど、このクオリティに驚愕してもらえると思うから。
まあ、少しディテールを紹介しますね。
まず、この生地。
僕が大汗かきながら、暑さのために集中できずに撮影したこの写真を見るだけでも、分かってもらえると思う。多分。
当時モノ特有の、"タテ落ち"。
広く、フラットに、面で落ちるのではない。
当時の紡績や製織の品質上、どうしても仕方なく発生してしまった、この"ムラ"。
これを岡山県の児島のクオリティで再現してる。
毛羽立ち、色ムラ、ねじれ。
もう、こういう細かいところだけ見ると、信じられないくらい状態の良い、本物ヴィンテージですからね。
これは、長年研究を重ねられてきた児島の素晴らしいクオリティを物語ってる。
ヤバいわ。岡山県。
でね、生地だけではなく、加工も本物。
直接肌に触れる上衿の折り返し部分のフェード、衿先のアタリ、衿の内部の縫い代のアタリ。
こっちも。
各所の縫い代部分のアタリもカンペキですよ。
色が濃く残る箇所と、色が抜けるところ。
全てA.PRESSEの重松さんが持つ、オリジナルの個体の良いところを完全再現。
フロントポッケのダブルステッチの内輪と外輪の距離を合わせるための、三角形のステッチも健在。
そして、僕はこれ大好きなんだけど、身頃と、裾ベルトの縫い合わせの箇所のねじれによるアタリ。
これは、バッチバチに"整理加工"されてしまったデニム生地では、全然出ないんですけどね。
これね。
ここは、着て洗っていくと、どんどんねじれていって、そこにアタリがついて、着なきゃ絶対に生まれない色落ちが出てくるの。
そのフェードの卵が、確実に、確実に、存在してる。
ちなみに、"整理加工(せいりかこう)"って言うのは、
・防縮加工
・毛焼き加工
・スキュー加工
っていう、3つ。
デニムの生地を織った後に、原反の状態で施すの。
僕は、その3つをどれもやってない、"生機(きばた)"が一番好き。
どうでも良いと思うけど。
ちなみに最初は、ボタンだけピカピカですが、これはA.PRESSEのオリジナルのものみたいですよ。
鉄製のボタンで、着てると時間の経過で錆びてくるみたい。
そうしたら、辻褄合いますね。
オリジナルと同じで、見返し端には、セルヴィッチ付き。
バック。
フロントの方は、基本的には、オレンジステッチが多いです。
ただ、後身頃や身頃脇、アームの箇所なんかには、イエローステッチが使われています。
これってオリジナルのもそうだったですかね?
もう、どの箇所がオレンジでイエローでって覚えてないんだけど、どうだったかな。
もちろん、オリジナルの個体によってはオレンジやイエローやごちゃ混ぜになってるものもあると思うけど。
これ。
オレンジステッチとイエローステッチが混在するアームホール。
やっぱりね、インディゴカラーに対して、この色糸使いは、永遠の憧れですよ。
これは有名な話だと思いますが、ジーパンが東海岸(ニューヨーク)とかで本格的に誕生してたら、ステッチは、ネイビーかブラックになって、もっと洗練された見た目になり、ここまで現代に残るようなものになっていなかっただろう。って言われてますからね。
やっぱり、色使いが明るい西海岸(カリフォルニア)で量産されたのが、ここまでの後世に残るものになったって言われてますから。
こういう生地同色や、単色ではなくて、配色ステッチになってることは、とても重要なことだと思いますよ。
リベット、カンドメ、仕様、完全な当時モノ。
錆びる鉄のボタン以外。
でね、縫製仕様は、オリジナルと同じく、"巻き縫い"のオンパレード。
僕は、アームホールに多方向からの巻き縫いが交錯する景色がすんごい好きなのよ。
本縫いでは絶対に出せないムードがあるから。
ほら。
オレンジとイエローの巻きが乱立してるのが、美しいでしょ。
まあ、A.PRESSEのこのGジャンに関しては、アームホールだけ、地縫いありの巻きなんですけどね。もはや、表の見た目が本物過ぎて、そんなことどうでも良くなった。
それくらいかなりのレベルって思ってもらえたら良いですよ。
オリジナルだとこのコンディションなら、めちゃくちゃ高額だろうし、気軽には扱いづらくなっちゃいますからね。
前回のXX同様に、これをテキトーに着てもらうのがベストですよ。
そうしたら、オリジナルの2nd着てるのと識別できなくなるから。
僕は先日、A.PRESSEのXXをご購入頂いたお客さんが、それを穿いて来てくれたんですけどね。
そのA.PRESSEを本当に、リアルで、当時のオリジナルと見間違えた。
そういうレベルになりますよ。
A.PRESSEのデニムシリーズは。
今回はジーパンはないけど、明日からは、Gジャンです。
そして、もう一つ。
シャツ。
A.PRESSE
Dog Ear Shirt
material _ COTTON 85%,CASHMERE 15%
color _ WHITE
size _ 2のみ
これ。
このシャツも、皆様に紹介できるのをとても楽しみにしてた。
ベースは、重松さんが持つ、ラルフローレンの古めのスタンドカラーシャツ。
なんだけど、、、
ヴィンテージの再現だけではなく、A.PRESSEのもう一つの最大の特徴。
もともと、フツーなものを"最上"にする。
ということがとても現れてるの。このシャツ。
そのときの展示会でね、A.PRESSEの重松さんに、「福ちゃんこれ見て。」って言われて見てみたの。
で、確か3色くらい並んでたのかな?
その中で、一つだけ、僕が目を離せなくなった生地が今回のこれだった。
こんな生地見たことない。
そして、目が錯覚かのようにおかしく見える生地。
僕は習慣的に、生地の表面ではなく、その組織や糸使いとかの、生地の奥の方を見るんですが、いつものように、そうして見ようとすると、焦点が合わなかったんですよ。
見たところが見れない。笑
そんな生地意味わかんない。
しかも、コットンベースで。
重松さんが言うには、スイスのALUMOの生地だそう。
ALUMOで、あまりフィーバーせずに残っていた、いつの時代のものか分からない生地。
情報も不明なことが多い生地らしいですが、重松さんがその残ってるのを全量買いとったみたい。
確かそんなこと言ってた。
その生地が、ベースとなるラルフローレンの珍品のシャツと相性がピカイチだった。
確かにね、全然カッコいいとは言えないチェック柄の生地ですが、ウルトララグジュアリー生地です。これ。
85%のコットンは、スイスコットン。
で、あとの15%がカシミア。
それが、ワタの段階で混ぜられた、"混紡"の生地ですね。
ホワイトをグラウンドに、複数色のカラーリングの色糸で構成されたチェック。
写真じゃ伝わらないけど、深層中の深層から、エゲツない輝きを放つ生地なんですよ。
これは、全員が驚いてくれる。はず。
スイスのALUMOが誇る、通常のシャツ地の技術だけじゃなく、"起毛技術"まで詰まった生地。
僕は、知らなかったんですけどね、ALUMOは、表面を起毛させるテクニックも相当みたいです。
コットンとカシミアが混紡された糸が柔らかく毛羽立つ綾織り。
それでいて、僕が遭遇した、生地の奥の方に焦点が合いにくくなってしまうようなミステリアスな現象も搭載。
圧巻の柔らかさと肌触り、そして、決して高そうな生地に見えないのに、むちゃくちゃ極上のフランネル。
サンプルを見た状態ではあんまり分からなかったけど、今回、店頭でマイクロスコープを見たときにその理由が分かった。気がした。
これ。
コットンにカシミアが混紡された"フランネル"なのに、圧倒的に美しい糸。
途轍もなく均整がとれ、糸そのものが光ってる。
コットン系の糸は、"カード糸"や"コーマ糸"、"コンパクト糸"などに分かれるんですが、フランネルという生地や糸の太さの特性、毛羽立ちの多さから、コーマ糸やコンパクト糸ではなさそうに思う。
そうなると通常では、糸そのものの光沢が失われるのにも関わらず、この糸は"光ってる"。
嘘だろ。
こんなの初めて見たぜ。
年始に当店で販売したThe CLASIKとのGIZA 45の330番手四子撚りと遜色ない糸の光りのレベルですよ。
グラウンドの白い糸だけではなく、全部の糸が光ってる。
そして、いかにも柔らかそうな優しい毛羽立ちに、ムラのない製織。
これ、ヤバい。
ほら。
何回も見て。
更に拡大。
毛羽立ちがあるのに、毛羽までが輝いてるの。
嘘だろ。これ。
それに加えて、A.PRESSEの重松さん。
更なる着心地の向上を目指し、衿やカフスの芯地は、全て柔らかい"フラシ芯"を内蔵してる。
だから、既にワンウォッシュかけられた洗いの影響で、もう今から衿とカフスが膨らんでるの。
しかも、柄合わせもカンペキ。
ちなみに、ボタンはツヤ消し貝ボタン。
これ、手にして頂いた方は、もうネルシャツはこれを機に卒業しても良いかも。
そういうレベル。
まあ、プライスは、9万円超えますからね、そのハードルは健在してるけど、これは、どこにもないシャツだと思いますよ。
当店でも、唯一のコットン系のネルシャツですから。
Gジャンもネルシャツも現状の状態ではなく、着て、洗って使っていくことがベスト。
Gジャンは、見た目がオリジナルにより一層寄ってくる。
シャツの方は、もう脱げない肌当たりになるでしょうね。繰り返し洗うと。
圧巻のラグジュアリー。
A.PRESSEは、明日8月11日(木)から発売しますね。