こんにちは。
CASANOVA&COの野口です。
本日も、今週末から開催のこちらのイベントに関して。

WONDER ROOM ESSE
collection 003 launch event
2026.02.28 (SAT) - 2026.03.08 (SUN)
先日ご紹介した通り、WONDER ROOMは今回のcollection 003から"ESSE(エッセ)"という言葉が加わり、WONDER ROOM ESSEとして表現を深めていく事になります。
ブランドが考えていることや目指していることが変化したのではなく、より鋭利に、それでいてより優しく人を包むための"本質"への挑戦。
phase2の始まりってことです。
もしWONDER ROOM ESSEにファンクラブがあったとしたら会員番号一桁代だという自負のある私ですが、このphase2、つまり"WR/ESSE"が多くの人にとってのessentialになることを確信した1着があります。
異次元の天竺パンツ。
それが、今日ご紹介する[PEBBLE]の[The Step]。


WONDER ROOM ESSE
The Step
material _ [PEBBLE] cotton 100%
color _ BLACK
size _ S,M,L


WONDER ROOM ESSE
The Step
material _ [PEBBLE] cotton 100%
color _ OLIVE
size _ S,M,L
今までのWONDER ROOM同様に、WONDER ROOM ESSEでも独自開発した全ての生地に名前をつけていますが、今回から型にも名前がつきました。
つまり、PEBBLEという生地の、The Stepという型、ってことです。
どちらもWR/ESSEを体現するヤバい生地とヤバい形なので、ご紹介しますね。

まずは生地について。
PEBBLE(ペブル) = 小石 の意味。
今までもブログで何度もご紹介していますが、WONDER ROOM ESSEの生地開発を行う圍さんの開発スタイルはかなりのストロングスタイル。
圍さんの経験をもとに考えられる全ての可能性を試し、着て洗うところまで含めてテストを膨大な回数繰り返す。
"しらみつぶし"とか"ローラー作戦"という表現が最も適切だと思う。
そしてその中で、上手くいったポイントと上手くいかなかったポイントが圍さんの中で蓄積されていく。
長い時間と夥しい回数のテストを経て蓄積された感覚の中から選び抜いた要素を、小石をひとつひとつ積み上げるようにして掛け合わせていく。
このような工程から生まれたのが、PEBBLE。

PEBBLEの特徴について、簡単にまとめます。
マニアックな話をご所望の方は、28日(土)か3月1日(日)にご来店ください。笑
PEBBLEの原料となるワタはタンギス綿。
これは実はブランドでファーストシーズンから展開されているスラブ天竺"SHADOW"と同じ原料です。
しかし、異なる紡績工程を経て異なる番手の糸となるので、糸ベースで考えるとPEBBLEとSHADOWは別の糸を使用している事になります。
まぁ、同じ遺伝子を持つ兄妹、みたいな感覚です。
SHADOWの場合、上質な原料に強制的に凹凸を生み出す独自開発マシンを用いてスラブ糸をつくりますが、PEBBLEの場合は一度紡績した糸にMVS加工を施して糸に強さを与えています。
僕自身はMVSは紡績方法として認識していたのですが、紡績した糸に対しての加工としてのMVSという選択もあるそうです。
MVS加工を施した糸は、MVS紡績とほぼ同様に糸表面の毛羽立ちが抑えられ、ピリング(毛玉)耐性も向上します。
そうしてつくられた強くて綺麗なオリジナル紡績のタンギスMVS加工糸を、改良された吊り編み機に双糸引き揃えで突っ込み、鬼の超度詰め。
糸番手で言うとSHADOWの糸よりも細いそうですが、双糸引き揃えで吊り編みの超度詰めにしている分、弾力のある肉感と抜群のキックバックを誇ります。
さらにMVS加工によって生地表面の天竺らしい"ほっこりさ"が消えて、引き締まった糸が地の目の奥からはっきりと見える。
ここまで理解した上でもう一度この写真を見てください。

くっきりと見える地の目に対して直角方向にスラブのような凹凸が走っているのが分かるかと思います。
これは限界まで度詰めにする事によって糸の逃げ場がなくなり生まれてしまう凹凸なのですが、今回のPEBBLEではこの凹凸が出るか出ないかのギリギリを狙って度目の詰め具合を調整している。
度目が甘くても、度目を詰めすぎて凹凸が出過ぎても、PEBBELの良さが引き立たない。
ここはFRIENDやEGGのジャガード裏毛を生み出した職人さんの技。
数多のハイブランドの天竺裏毛素材を手がけてきた聞いていますが、僕の中ではPEBBLEの顔つきの端正さはNo.1。
比較対象が存在しない革命的な天竺になっていると思います。

今回も圍さんが送ってくれました。
結果的にPEBBLEの開発へとつながる事になった、圍さんがつくる生地の中のごく一部のテスト生地たち。のうちのごく一部。笑
糸のテスト、番手のテスト、度目のテスト、加工のテスト、、、
そしてその結果からそれぞれの相性を検証し見極めながら突き詰めた、PEBBLE。
言葉にすると簡単に聞こえますが、先述した通り圍さんはここに辿り着くまでに、これ以外の可能性を全て試した上で、潰している。
そんな生地開発は誰も真似できないし、だからこそ誰も真似できない天竺が生まれました。
今回このPEBBLEが生まれたことは、"ESSE"としてのスタイルを確立する上で不可欠なことだったように感じます。
もしPEBBLEが無かったら、ESSEにはなり切らなかったかもしれない。
それくらいWR/ESSEが目指すスタイルとPEBBLEの存在は不可分のものだと思う。
では、なぜそれほどまでに"ESSE"のスタイルに不可欠だったのか。
それは、普通の天竺ではできない表現を可能にした、という事にあると思います。
言い換えると、布帛という選択肢を持たないWR/ESSEが”天竺を天竺に見せない”表現に挑戦することを可能にした、と言えると思う。
そしてその上で生まれたのが、The Stepというパンツ。

PEBBLEのThe Stepは一言で言えば、「天竺のスラックス」。
つまり、形だけで言えば、布帛という選択肢を持たないWR/ESSEが表現するスラックス、というイメージ。
少し仕様を紹介します。

この写真でこのパンツの空気感は察していただけと思います。
信じられないほどに美しいアウトシームのトリプルステッチ。
天竺素材の縫製でこんなにバキバキなものは見たことないです、、、
そしてそのアウトシームはスラッシュポケットのポケット口の角度に合わせてくの字に屈折する。
アウトシームとポケット口のラインを合わせることで、ポケット口の上端をウエスト帯内側に流し込んだ時に余計なもたつきや段差がなくなるので、PEBBLEの厚みや天竺素材特有のカジュアルさをよりスッキリさせるための仕様だと思います。
個人的には濱田さんらしい仕様だと思いました。

ポケット口は閂ドメ。
ベルトループ下端はウエスト帯に流し込み。
バックポケットは片玉縁。
完全にスラックス仕様です。

アウトシームとインシームのトリプルステッチに対して、尻グリは品よく。
ここまでやっちゃうとワーク感出ちゃいますからね。
このあたりの出し引きもかなり絶妙。

ウエストはベルトループ&ゴム&ドローコードのフル装備スタイル。

さらに内側だけ布帛を当てて、腰のホールド感をサポート。
フル装備スタイルと合わせて、きちんとしたウエスト位置で着用できるようにしている点から、このThe Stepをただのイージーパンツとして考えていないことは明白。

ジップフライですが、前開きではないので着用時には太ももあたりで少し止まりそうになると思います。
ただ、ウエストのゴムはしっかり伸びてくれるのでご安心ください。

ほんのりとテーパードしていますが、着用するとほぼストレートの感覚です。
今日の朝かなりバタバタしていて圍さんと電話しながら写真を撮っていたのですが、パッとハンガーに吊るしただけでこのフォルム。
ヤバいでしょ?
履いてみたいでしょ?
履いた姿、見たいでしょ?
、、、明日写真撮ります。すみません。
でもこれは履いたらみんな感動してくれると思うので、ぜひ期待してください。
パッと見では天竺に見えないし、だけど天竺特有の伸縮とキックバックでめちゃくちゃ楽だし、汚れたり汗をかいたら洗濯機で洗えばOK。
愛する猫ちゃんうんちしたてのお尻で膝の上に乗ってきても笑顔で受け入れることができる。
シャツやジャケットで合わせても違和感ゼロで、そのくせに公園やアスレチック遊具でも抜群のパフォーマンスを発揮。
出張の時とかの長時間の移動で座りっぱなしでもストレスフリー、なのに見栄えは程よくピシッとしてくれる。
さらには綿100の天竺なのにほとんどシワも気にならない。
そして、通年着れて、男前なフォルム。
パーフェクトなスラックスだと思うし、これは圍さんの天竺でしかつくることはできないと思う。
僕たちはファッションが好きだし、もちろん色んな好きな洋服を使い分けて着ることに楽しさを見出すのは変わりはないと思う。
それでもきっと多くの人にとってPEBBLEのThe Stepは10年後でもクローゼットに残る服だと思うし、色違いで増えていったり、買い直したりする洋服になると思う。
それくらい直感的にカッコよくて、生活の中での守備範囲が圧倒的に広い。
それを実現したのは、この1着の生地がPEBBLEであるから、そして形がThe Stepであるから。
常識を超えた圍さんの生地開発、それを咀嚼してタイムレスな強さを持つ形を与えた濱田さんのデザイン。
以前、WR/ESSEチームの誰か(圍さんか濱田さんか岡本さん)に言われて、心に残った言葉があります。
「生地が10年もつほどタフだとしても、洋服がそれ以上にタフじゃなきゃいけないんです。」
と。
WR/ESSEは極上の天竺裏毛を生み出すブランドだと思うけれど、彼らが売っているのは生地ではないし、そのテクニックではない。
あくまでそれらをふんだんに使った"洋服"なのだと。
だからこそ、縫製も生地以上に頑丈で、どんな時でも着たくなるくらいに美しい縫製であることが目指すべき"タフさ"であるとして、それを実現するために自分のアトリエに様々な工業用ミシンを導入し、高い技術を持った縫製師さんを生産チームに迎えた圍さん。
WR/ESSEの洋服が縫い終わるまでを自分の目が届く場所で完遂し切れる環境を自ら作り、特殊な生地と複雑な仕様だからこその縫製の難易度の高さに苦戦する様子も全て自身の目に焼き付けて、その熱量も全て僕たちバイヤーにぶつけて、次なるクリエイションに繋げる。
洋服がタフであるためには、時代や流行、もっと言えば着用する人の心の変化を超えたものでなければいけないとして、そのためにデザインやパターンの当たり前や既存の価値基準を疑いながら、真の意味での"美しさ"や"かっこよさ"を追求する濱田さんが、圍さんの生地に形を与える。
WONDER ROOM ESSEは、
"極上の天竺裏毛を使った洋服"
をつくるブランドではなく、
"極上の天竺裏毛を使った洋服でしか生み出せないスタイルで人の生活"
をつくるブランドになったと感じています。
PEBBLEのThe Stepはそれを体現する1着だと思います。
明日にはもう一つのWR/ESSEのスタイルを体現する洋服であるTシャツと合わせて、着用した状態もご紹介しますね。