こんにちは。
CASANOVA&COの野口です。
本日は、先日の続き。
このイベントについてです。
LUGGAGE LABEL limited store -温故知新-
2025.12.06(SAT) ~ 2025.12.14(SUN)
今週末から始まるこのイベントでは、𠮷田カバンの中のLUGGAGE LABELというブランドにフォーカスを当て、皆様にご紹介させていただきます。
このLUGGAGE LABEL、先日のブログでも簡単にご紹介しましたが、ブランドとしてのスタートは1984年。
つまり41年続いているブランド。
”90周年”というワードが桁違いすぎて感覚がバグってきているけど、会社として90年ブランドとして40年以上続いているというのは、もはやメゾンブランドの領域に近い。
そんなLUGGAGE LABELは、80年代後半から90年代にかけては、”𠮷田カバンといえばLUGGAGE LABEL”と言われるくらいの筆頭ブランドだったそう。
今のイメージではPORTERが𠮷田カバンを代表するブランドとして認知されていると思うけど、当時最初に火がついたのはLUGGAGE LABELだった。
当時のファッションシーン、特にいわゆる”裏原系”と呼ばれるようなカルチャーの中でクローズアップされ、今風にいえば”バズった”LUGGAGE LABEL。
なので、当時を知るオーバー50のお客様には、もしかしたら懐かしいブランドなのかもしれません。
ただ、今回僕たちがクローズアップするのは、新たなLUGGAGE LABEL。
新LUGGAGE LABELは、"Wen old wisdom new"=温故知新 というテーマに基づいて展開される3つのシリーズで構成されます。
それぞれ、”OLDNEW”、”TRUE BLUE”、”FILAMENT”と名付けられた3つのシリーズ。
最初に発表されたOLDNEWでもまだ2年くらいしか経っていないなので、まだまだ若い商品群たち。
それに加えて、それぞれのシリーズの生産のハードルの高さから、今まではほとんど直営店でしか展開されなかったシリーズ。
なので、こうやってセレクトショップにフルラインナップで並ぶのは激レア。
もしかしたら、史上初なのかもしれない。
それくらい生産に対して”攻めた”ものづくりをしているのが今回ご紹介するLUGGAGE LABELです。
ということで本日から各シリーズのご紹介をさせてください。
今日は、”TRUE BLUUE”。
名前の通り、青いカバン。
TRUE BLUEに色展開はなく、この深いブルー1色で6型の展開となります。
そもそもなんだけど、TRUE BLUEのこの深い青は、本藍染め。
僕はこの2ヶ月くらい本藍染めに対して色々と考える機会があったのですが、この”本藍染め”という染色技法も𠮷田カバンと同じジレンマを抱えているんじゃないかと感じていました。
知られているようで、知られていない、というか。
知られているからこそ、見えていない部分が大きい、というか。
”本藍染め”という言葉が先行してしまい、尚且つその構造が熟したものであるからこそ、そこにある歴史や藍との向き合い方に対してまで目が向かなくなってしまう。
先日のブログに書いた𠮷田カバンについてのことと近しい現象だと思う。
だからこそ、本藍染めというものに対してはまた少し踏み込んでみようと考えております。
だから、そこはまた今度ね。
ただ、TRUE BLUEの本藍染めにおいて重要なのは、化学的な薬品や溶剤を一切使用していないということ。
このTRUE BLUEの藍染めは、名だたるブランドの藍染めを手がける東京の壺草苑さんが行っています。
TRUE BLUEでは、その100％自然由来の本藍染めを、コットンラミーの生地でつくったカバンに対して行います。
タテ糸コットンの、ヨコ糸ラミー。
ラミーのムラ感は感じられるけど、かなり端正な表情の生地。
そこに走るステッチはリヨセル糸での縫製。
ポリの縫い糸では染まらないし、綿糸では粗野な感じが出過ぎてしまうところでのリヨセルという選択なのかなと思います。
トグルに使われるのは、鹿の角。
そしてそれを留めつけるのは、フルベジタブルタンニンの牛革。
金属製のリベットやスナップなどは一切使用しない。
お気づきの方も多いかもしれませんが、ここまで紹介したすべての要素が自然由来のもので出来上がっており、TRUE BLUEは全てが生分解性を備えた”土に還るバッグ”なのだ。
この生分解性という性質に対して、着たり使ったりすることに対してのメリットをどう考えるべきかは、それが生分解性を備えているかどうかではなく、その生地やアイテムとしての完成度で図るべきだというのが僕の根本的な考えです。
ただ、人間が日々大量に生み出し日々大量に廃棄している洋服やカバンという産物が、循環するエコシステムに組み込まれる点を考えると、生分解性というキーワードを無碍にすることはできないと思うわけです。
だから実際に使用者が土に埋めるかどうかではなく、その制約の中で美しい製品をつくることのハードルにトライしたこと自体が、90年続く企業だからこその責任感だと思う。
これは本当にめちゃくちゃかっこいいことだと思う。
そんなTRUE BLUE、ここからは1型ずつ簡単にご紹介させてください。
LUGGAGE LABEL
”TRUE BLUE” DRAWSTRING BAG
まずは、LUGGAGE LABEL唯一の巾着バッグ。
写真の通り、ストラップのスライダーに鹿の角、ストラップエンドにベジタンの牛革を使用しています。
ホーンが2つ付く贅沢仕様。
スマホや財布、カードケースくらいなら余裕で入るサイズ感。
350mlくらいのボトルなら追加で入りそうです。
手持ち用のハンドルで持つことはもちろん、ドローコードでワンショルダーの肩掛けも可能です。
あと、TRUE BLUEシリーズには共通で、底面の負荷がかかる部分にはヘリンボーンテープで補強が入ります。
LUGGAGE LABELとして、ひいては𠮷田カバンとして、カバンたるもの物を入れて持ち運ぶ役割に不足があってはならないという強い意志を感じます。
LUGGAGE LABEL
”TRUE BLUE” BUCKET BAG
こちらはオープントップの小さいショルダーバッグ。
ギリ文庫本が入るくらいのイメージです。
改めて、これもシリーズ内では共通するのですが、ホーンのトグルに留めるベジタンのストラップはヘリンボーンテープに括り付けられます。
一般的にはリベットなどの金属パーツを使いたくなるところですが、こういうところにはかなりアナログさを感じる仕様を用いるのがTRUE BLUEの特徴であり魅力。
だからこそ、強度を保つために返し縫いがしっかりと入りますが、その精度がホントに素晴らしい。
”一針入魂”の言葉の通り、狙い澄まして同じ穴に返し縫いの針を落としている。
これは𠮷田カバンでは標準クオリティかもしれませんが、これだけの歴史と規模を誇るチームがこの基準をベースとしてものづくりを続けているのは本当にヤバい。
持つとこんな感じ。
ショルダーストラップの長さはこんな感じで結んでいるだけなので、簡単に調節可能。
ショルダーとしても、手持ちのバッグとしても、好きなように使ってください。
僕はストラップ長いまま手に巻きつけて手持ちにしますけどね。
LUGGAGE LABEL
”TRUE BLUE” SHOULDER BAG
LUGGAGE LABEL
”TRUE BLUE” SHOULDER BAG (L)
ショルダーバッグの大きい方と小さい方。
こちらも先ほどのBUCKET BAGと同様オープントップで、ホーンのトグルを使ってトップを留める仕様。
SHOULDER BAGの方でiPadが入るくらい、SHOULDER BAG (L)で13インチのノートPCが入るくらいです。
こちらがSHOULDER BAG。
小さい方ね。
こちら、ラージの方。
大きくなればなるほど、コットンラミーの生地の光沢感やリヨセルステッチによる自然なパッカリングが強く感じられて、個人的にはTRUE BLUEの空気感が伝わりやすいのかなと思う。
カジュアルながら精緻なものづくりということで、HERILLのパンツとWONDER ROOMのWHALEで合わせてますが、まぁカジュアルなスタイルならなんでもOKだと思います。
LUGGAGE LABEL
”TRUE BLUE” FLAP SHOULDER BAG
LUGGAGE LABEL
"TRUE BLUE" FLAP SHOULDER BAG (L)
最後は、フラップ付きのショルダーバッグ。
FLAP SHOULDER BAGがBUCKET BAGと同等程度の大きさ。
FLAP SHOULDER BAG (L)は、SHOULDER BAGと同等程度の大きさだと思ってくれたらOK。
フラップ付きのものは、こうやって底面からレザーの留め具が出てきます。
使い込んで本藍染のコットンラミーに褪色が起こって、牛革は色が焼けてキャラメル色になってきたら完成形。
相当迫力のあるバッグになると思います。
小さい方でこんな感じ。
スマホバッグみたいな感じでも良いし、サコッシュ的な使い方ができるサイズでもある。
大きい方でこんな感じ。
むちゃくちゃいかしてる。
𠮷田カバンの堅実なものづくりがベースにある上で、かなりストイックな素材選定、江戸時代から続く”本物の藍染め”が乗っかっている。
だから、世の中の藍染めアイテムってちょっとクラフト感が強く出てしまっているものも多いけど、TRUE BLUEはかなりキレッキレ。
その分合わせる洋服に求めるハードルも高そうだなと思うけど、まぁこれを読んでくれている皆様なら大丈夫でしょう。
そしてなにより、”本藍染め””生分解性”というキーワードをこの水準で成立させる上では𠮷田カバンが培ってきた技術力が必要不可欠。
というか、𠮷田カバンでしかこのTRUE BLUEのコンセプトをこのクオリティで出すことはできないと思う。
その意味ではコンセプトのキャッチーさは先行するかもしれないけど、きちんとTRUE BLUEのバッグを見るとかなりクリティカルだと思いますよ。
その意味では、3つのシリーズの中では最も玄人好みかも。
実物の迫力はマジでハンパないので、ぜひ店頭にて見てみてください。
明日は”FILAMENT”をご紹介しようと思います。
楽しみにしててください。