こんにちは。
CASANOVA&COの野口です。
本日も、前回に続いてnonnotte。
今回は2つの生地、計5型をご紹介させてください。
どちらも、今シーズンの目玉と言えるものだと思います。
まずは、Suvin Gold Supremeから。
nonnotte
Draping Bias Sleeve Zip Up Blouson
color _ Caviar
size _ 3,5
nonnotte
Semi Mock Neck Smock Shirt
color _ Caviar
size _ 4,5
nonnotte
Draping Elastic In Tuck Wide Trousers
color _ Caviar
size _ 3,4,5
以上の3型です。
それぞれご紹介、、、の前に少しだけ生地にまつわる話を。
これです。
Suvin Gold Supremeのツイル(綾織り)生地。
今でもこの生地を初めて見た時のことは、とても鮮明に覚えています。
遡ること2年ほど前でしょうか。
知っていただいている方もいらっしゃるかもしれませんが、Suvin Gold Supremeを使って、カネタ織物さんに生地を織っていただき、ファッションいずみさんに縫製をしていただき、nonnotteの杉原さんとCASANOVA&COの別注アイテムをつくって頂いたことがありました。
ちょうどその少し前から、僕は身体を壊してしまっていて、数ヶ月まともに仕事すらできなかった状態だったのですが、久しぶりにお店に出てきた時にSuvin Gold Supremeの洋服のサンプル(だったかな?)が届いていて、それを見ながらスタッフみんなで話をしていました。
なんかみんな「ヤバイっすね」としか言えてなかった気もするけど、心底感動して、それを共有できることが楽しくて、すごく勇気づけられたことはその時の情景と共に今でも覚えています。
だから、その別注企画に関わっていただいていた全ての人に尻を叩かれたような、そんな気持ちでした。
...と、僕の個人的な話はマジでどうでもいいのですが、それくらい人を鼓舞する力を持ったものだと思うし、それがまたご紹介できることはとても嬉しいです。
ただその分、原綿のお話や生地にまつわる話は延々と話せてしまうと思いますので、その辺りはぜひまず店頭で触れていただいてから直接お話しさせてください。
まずはブルゾン。
形は24AWでモールスキンにて展開されていたものと同型ですが、フロントがジップアップに変更されています。
デザイナーの杉原さんが、春から夏にかけて室内で脱ぐ必要のない羽織りが欲しいという考えからこのブルゾン型にSuvin Gold Supremeが使用されているのですが、まぁホントに形と生地の相性が素晴らしいと思います。
このダーツ&ギャザー。
とんでもなく贅沢に分量を使ってnonnotteのフォルムを生み出しています。
肩線はありません。
つまり、前身頃と後身頃は肩をぐるっと越えて繋がっています。
背中心に接ぎはあるので、つまり前後が繋がった左右2つの大きな身頃がほとんどの箇所を占めていることになります。
それ以外のパーツは、脇下から袖先にかけての部分と、裾・カフス・襟くらいだと思います。
こんな高額であろう生地で、こんなに用尺泥棒なことやって大丈夫なんでしょうか。。。
このサイドからの見え方も圧巻。
僕(178cm60kg)でサイズ5を着用しているので、少し袖丈などは長いですが、それでもこのシャープな腕。
肩も身頃も一続きなのに、ちゃんと腕がある。
写真は撮っていないですがもちろん裏地はつかないので、Suvin Gold Supremeを肌でダイレクトに受け止めてください。
トップスでもう1型。
Semi Mock Neck Smock Shirt。
布帛でシャツ仕様なのですが、縫製のテクニックでカットソーのようにも見える。
ネックや肩のシームを、表からはステッチがほとんど見えないように仕上げているので、シャツのようでもあり、カットソーのようでもあるとても不思議なバランスになっていると思います。
ただ、カットソーのように伸縮性はないので、バックに3つボタンが付きます。
最低2つ開けていれば着脱はできると思います。
3回やればボタンの着脱も慣れると思うので、背中側のボタンに抵抗がある方は試してみてください。
ドレーピングシャツのようなオーバーサイジングではないですが、nonnotteがnonnotteたる所以である造形は健在です。
春先にロンT着るのもなんか違うし、普通にシャツ着るだけには飽きてきた、って方にはとてもいい選択肢だと思いますよ。
同生地のパンツとのセットアップも最高に良いと思います。
めちゃくちゃ潔い。
杉原さんのつくる洋服はセットアップで着ると、とても特有のムードが出てくれる。
なので今シーズンは、シャツとパンツで同素材で選べるように複数の生地で展開しております。
そのSuvin Gold Supremeのパンツがこれです。
先日ご紹介したヘビーブロードのパンツと同じ名前がついておりますが、少し仕様が異なります。
アウトシームがない設計で、裾はシャツのような細い三つ巻仕様。
このパンツも先ほどのモックネックシャツももちろん1重なので、これから暖かくなってきた時には驚くほど気持ちよく着ていただけると思います。
以上の3型が当店でのSuvin Gold Supremeのラインナップ。
そしてここからが、ジャガード。
nonnotte
C/N Kaftan Shirt
color _ DeepNavy×BlackTop
size _ 4,5
nonnotte
Draping Elastic In Tuck Wide Trousers
color _ DeepNavy×BlackTop
size _ 4,5
この2型です。
まずはこちらも生地から。
見るからに只者ではない感じ。
昨年夏の展示会で初めてこの生地を見て杉原さんに説明をいただいていた時、僕のメモとるのが追いつかなさすぎて、杉原さんに3回くらい同じ内容をリピートして話してもらった。
今考えたらリスニングテストみたいなことしてましたね。笑
(リスニングといえば、受験シーズン真っ盛りですね。受験生の皆さん頑張ってください。受験生これ読んでないと思うけど。)
その内容を簡単に要約すると、
・ジャガード織の総柄である。
・YVES SAINT LAURENT時代の師匠であるステファノ・ピラーティ氏が、ERMENEGILDO ZEGNAのクリエイティブ・ディレクターを勤めていた時のラストコレクションにこのような総柄ジャガードがあり、杉原さん自身もとても気に入っていて、今でも大切に履いているとのこと。
・そこで、今回杉原さん自身で柄のデザインを書き起こすところから始め、判からオリジナルでつくった。(ちなみに判をつくるのはめちゃくちゃお金がかかるらしい...)
・柄のデザインは、今シーズンの着想源となったアフリカの花やニシキヘビを意識しながら、トライバル模様やその哲学、さらには日本らしさをミックスさせ、昇華した。
・色は、ネイビー、ブラックのTOP糸、ボルドーで構成されて、一見するだけでは無地に見える。
本当にリスニングテストだったとしたら、この内容で40点くらいでしょうかね。。。
それくらい、深く深く考え抜かれた、杉原さんにしかつくることができないジャガードです。
そんな、African Super120’s Flower Jacquardと名付けられた生地で2型ご用意しております。
少し異なる民族性を感じさせるカフタンシャツのデザイン。
胸元には3つのボタンがつきますが、それを開いたとしても素肌が見えることはありません。
内側に共地が付いているので、実質的にはクルーネックのようなイメージです。
光の当たり方によって姿を見せたり、見せなかったりするフラワージャガード。
自然光で写真を撮っているので、写真では比較的に柄が強く見えますが、肉眼で見ると無地に見えている瞬間の方が多いと思います。
このように生地に動きが生まれると良い表情ですね。
めちゃくちゃかっこいい。。。
直立すると、アームがストーンと落ちます。
これもとっても綺麗。
そして袖口は開きの無い仕様です。
生地が生地なだけに、胸元含め表にボタンがついていない方がバランスが取れるのかもしれません。
動きの中では程よくボリュームを感じますが、ジャケットなどの羽織の中にも着ることのできるボリュームだと思います。
そしてパンツ。
この生地に関してはセットアップイメージではなかったので、別々で写真を撮ってもらいました。
形は先ほどのSuvin Gold Supremeのものと、同型、同仕様です。
nonnotteのこのパンツは、とにかくお尻から太もも裏にかけての生地の流れと溜まりのバランスが天才的に美しい。
こんな感じで歩いているときのように膝が前に出た姿勢になると、お尻と太もも裏の間にタポっとした溜まりが生まれる。
ヒップの頂点まではお尻のラインに綺麗に沿っているのに、突然体のラインから離れて空間が生まれているのが写真からもわかっていただけるかと思います。
そして足を地面に付くと、その空間が保たれたまま、溜まりが下に流れる。
で、両足に均等に重心が整うと、スゥーッと落ちる。
つまり、歩くという行為によって、溜まりが生まれ流れる、そしてまた逆の脚に溜まりが生まれては流れるという繰り返しが起きる。
これ、本当にすごい。
美しいです。
これは履かないと分からない。
Suvin Gold Supremeのパンツでも同様のことが起こるのですが、一応ああ見えてコットン100%なので、Super120'sのウールよりも少し折れたような角のある空間の生まれ方になってると思います。
その動きの中で柄も見え隠れするので、もう楽しみどころ満載です。
杉原さんのイメージでは、このパンツは土臭い感じのトップスと合わせて欲しいそう。
なぜなら、ステファノ・ピラーティ氏がそのように着ていたからだとか。
まぁもちろん合わせ方はお選びいただけたみなさまにお任せいたしますが、確かにデニムジャケットとか着古したスウェットとかと合わせたらカッコ良さそう。
替えの効かない唯一無二の生地であることは間違い無いので、みなさまのイマジネーションで楽しんでください。
そしてそして、最後になりますが、お知らせ。
今週末の2月22日(土)、デザイナーの杉原氏に在店いただきます。
おそらく閉店時間の少し前までは店頭に居ていただけると思います。
前回今回でご紹介したアイテムの他にも、昨年好評だったバランスジャージーシリーズ、今年新たに加わったウール天竺シリーズなどもご覧いただけます。
なので、土曜日は杉原さんと一緒にみなさまのご来店をお待ちしております。
気にしていただける方はぜひ見てみてください。