こんにちは。
CASANOVA&COの中山です。
先日から告知させて頂きましたIRENISAのイベント。
IRENISA 25FW / LIMITED STORE
2025.09.20 (SAT) - 2025.09.28 (SUN)
ついに、今日。
ブランドより25FWの洋服たちが届きました。
まだ、いくつかは届いていない洋服もございますが、今回は洋服の写真も交えながらご紹介させて頂きます。
25SSのLIMITED STOREの時に書いたブログでも綴っておりますが、一個人として僕はかなりのIRENISAラバー。
僕が僕自身を表す洋服として、とてもしっくりとくるブランドがIRENISA。
今は縁があってIRENISAを取り扱う洋服屋で働いていますが、仮に前職のサラリーマンを続けていたとしてもシーズン毎に手にしていたと確信できますね。
今年のコレクションテーマは。。。
”Releasing Sensation”
人が綺麗だと感じる感覚を変容できないか。
物質や造形自体がもつ記憶(イメージ)を変換すること。
モノに宿る記憶と美しさの追求。
クラッシュ加工を施したコットンベロア
立体的なテクスチャーのナイロンコットンの二重織り
薄く漉きボンディング加工されたレザー
人の手で有機的に作られたプリーツ皺加工
揺らぎのあるシルクウールのカルゼ
あなたが貴方らしくあるのは、
他の存在があなたを貴方らしくさせているのではないでしょうか。
他の存在があなたを強くする様に、
着飾る行為が貴方を表現してくれて、
それは他者にも影響を与えることがあると思います。
装うという行為、
人には人が必要なのだと思います。
コレクションテーマのステイトメントの終盤。
装うという行為、
人には人が必要なのだと思います。
1人のIRENISAラバーである僕が25FWのルック画像が公開されてから、今年はムードの漂い方が濃厚だと感じていた。
装うという言葉があり、なるほどなと。
今回は装いに気品と落ち着きを宿した洋服をご紹介します。
まずはルック画の画像の中でも印象的な方も多かったのではないだろうかシャギー素材の洋服たち。
IRENISA
DOUBLE-BREASTED CHESTER COAT
color _ GREEN BLACK
size _ 2
キッドモヘアの糸をふんだんに使用し、シャギー仕上げを施した生地。
素材の光沢感がシャギー仕上げにより際立ち、繊細さを感じさせながら重厚感のあるFWシーズンのメインピースに相応しい風格を持っています。
コートは、膝下まですっぽりと隠れる着丈の長さと、セットアップも展開するIRENISAが得意とするフォーマルな洋服のつくり込みが相まって、着るだけで空気が変わりますよ。
コートをお探しの方は必見レベルですし、この洋服のためならコート着るわと言わしめれるほどの相当な説得力のあるコートだと思います。
IRENISA
BOXY BLOUSON
color _ GREEN BLACK
size _ 2,3
ブルゾンは、所謂なブルゾンのカジュアルなテイストはかなり控えたシックな印象。
ボクシーなサイズ感の中に、柔らかなバルカラーが馴染みつつも印象的なディティールになっています。
毛足の長いシャギー素材に適度な違和感とコントラストを効かせたポケット口のウルトラスエードは流石の素材使い。
色合いの相性といい、素材感もモヘアシャギーとウルトラスエードのどちらをも引き立たせる良い相性です。
頻繁に見える部分ではないですが、ここにも。
襟裏もウルトラスエード仕様。
ウルトラスエード特有の返りの柔らかさがふんわりとした襟に仕上げるIRENISAのラペルと相性がいいのではないかと思っています。
続いては、FWらしい素材ながらかなり変わった仕上がりとなったベルベット生地を使った洋服ですね。
IRENISA
ONE TUCK STRAIGHT TROUSERS
color _ DARK BROWN
size _ 2,3
まだ届いていないため撮影できていませんが、ブルゾン型の洋服もあるのでベルベット生地の洋服は2型。
事前に写真で見ていた感じと今まで見てきたベルベットの生地感から考え、想像していたのは柔らかな素材感だと思っていたのですが全然違った(笑)。
しかも、僕的にはかなりいい方向性で違った。
使用しているのはコットン100%のベルベットにクラッシュ加工を施した生地。
コットンを使用することで、ベルベット特有の艶やかな光沢が無く、そのかわりに若干のハリ感と乾いた様な質感があり、スエードレザーみたいな表情なんですよ。
そして、ハリ感のある生地に細かめなシワの入るクラッシュ加工が加わると、触って凹凸がわかるほどにシワがランダムに刻まれるわけです。
そうすると、ランダムなベルベットの光沢感に仕上がり品のある陰影が表情として浮かび上がってくる。
迫力のあるパンツというわけではないですが、静けさの中に個性が宿っている皮肉的な感じが僕はとても好きですね。
こういったバランス感がIRENISAの”日常の中で着飾る”を表していると思っています。
だから、僕はIRENISAを着ると心地よい自己表現になり。IRENISAラバーにならせて頂いた。
タックの入ったパンツですが、スラックスのような印象はあまり無いのでとても履いて頂きやすくもあると思います。
腰回りのつくりとシルエットは流石のクオリティ。
サイドアジャスターも新しいものになってますね。
クラッシュベルベットに合った、マットな質感に仕上げてくれています。
細かなところまで配慮されています。
今回の最後となりますが、IRENISAをお取り扱いしてきた中で初めてのジャンルですね。
デニム。
IRENISA
RAILROAD DENIM JACKET
color _ FADE INDIGO
size _ 2,3
こちらの生地も、まだ届いていないので撮影できていませんがパンツもございます。
デニムのセットアップも可能って感じです。
このデニム、コットン100%でフェードはしているのですが、どこか繊細なのにコットンデニムらしさも兼ね備えているんですよ。
シルクや化繊、再生繊維などではなく、あくまでもコットン100%のデニムでのこの繊細感を出しています。
しかも、パターンもなかなかえぐい。
前はセットインスリーブで、後はラグランスリーブ。
では、あるのですが!
そのライン取りといいますか、パターンは見た事がないし全然普通じゃない。
でも、実際に現れるシルエットと着心地を見て感じると見事と思わざるを得ない。
パターンの観点からしても、このデニムジャケットは全くもってワークウェアではないですね。
ボタンも水牛を使用していますし。
でも、ポケットのディティールはワークウェアである空気感を残してる。
目を凝らして向き合ってみると、綺麗めなワークウェアではなく装う洋服としてIRENISAが持つ技術と考えが色濃く反映されていることに気づいていただけると思います。
今回はイベント期間中に並ぶ多くのラインナップの中からのほんの一部をご紹介させて頂きましたが、追ってご紹介していきますのでお楽しみにして頂けましたら幸いです。
IRENISAのコレクションテーマを毎年拝読し、考えるのですが、IRENISAはコレクションテーマに据える事柄があくまでも洋服が持つ素直なパワーに向き合い続けているブランドだと感じます。
コレクションブランドは洋服を通じて世界へ訴えかけている力強いデザイナーの感性を覗き見る印象ですが、
IRENISAは着るという日常的な行為の中で、”着る”洋服にできることは何か、
IRENISAの洋服を”着る”ことで感じるもの・気づくものをいかに宿し日常を豊かにし、ひいては社会を豊かにする事ができないだろうか、
という精神性をとても感じます。
洋服ブランドとして社会の変化を見つめ、
その時その時のシーズンで求められている事・必要性があるもの(ものの流行ではなく、社会的な精神性や不足している価値観)は何か、
を軸にコレクションのラインナップや使用する生地に落とし込まれていると思います。
コレクションテーマを読んで色々と今年も考えていた中で、とても響いた言葉がふたつ。
「あなたが貴方らしくあるのは、他の存在があなたを貴方らしくさせている」
「着飾る行為が貴方を表現してくれて、それは他者にも影響を与えること」
それぞれの言葉を切り分けて考えることもできるし、繋がっている様にも思うふたつの言葉。
僕は個性が尊重される世の中へとなってきていると思いますが、その弊害として行き過ぎた個性の濫用も目立つ様になってきていると思います。
個性は正しく発揮されれば誰かの勇気になることもあると思いますし、はたまた、反面教師のように立ち直るきっかけになることもあると思います。
ですが、どちらも共通して、押し付けられ影響された場合は正しい個性の出会いではない様に思います。
「自然と自分の価値観や考え方の中に入っていた」くらいでいいでしょう。
着飾る行為は誰しもが日常的に行い、その行いはその人が表れるひとつだと僕は思っています。
その人にとっては日常的なことが自然と誰かの影響になっていたならばとても尊い伝播です。
そういった尊い伝播のサイクルの事までもを考えるデザイナーと洋服づくりを共に行う職人さんつくる洋服だからこそシーズンを重ねるごとに規模も認知度も向上してきているのだと思います。
イベント期間中の9/20(土)と9/21(日)はデザイナーのおふたりも店頭へお越しくださいますので、是非ともおふたりの言葉も交えて洋服をご覧下さいませ。