こんにちは。
CASANOVA&COの野口です。
本日も、今週末から開催のDAN TOMIMATSUに関して。
今回、会期は4月12日(土)から20日(日)までとなっておりますが、皆様にお渡しできるのは大体2〜3ヶ月後くらいをイメージしていただければと思います。
なので、夏本番を迎えた時に、最後のピースとして”ジュエリー”が手に入るというイメージ。
まぁ僕自身は指も手首も通年で同じものをつけ続けているので季節を意識したことはないのですが、DAN TOMIMATSUほどの真の通ったジュエリーだと、夏の軽快なスタイルに与える”重み”がまるで違いますから。
その辺りを加味しながら選んでいただくのも楽しんでいただけると思います。
あと、店頭でオーダーいただくものの他にも、即売としてご購入いただきすぐに持ち帰っていただけるものも多数ご用意がございます。
ただ、サイズなどには限りがありますので、この辺りは店頭にてご案内させていただきますね。
さて、本日ここでご紹介するものは、タイトルにもある通り、「新作と真骨頂」。
初めてご覧いただくものもあるかと思いますが、それぞれ写真をベースにご覧ください。
まずは、ENLINKコレクションから、PT900を用いたシリーズ。
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DAN TOMIMATSU
”ENLINK” SPOOL RING BOLD
MATERIAL _ SL925 × PT900
人差し指についているのが、プラチナのENLINK。
薬指は私物のBESPEAKのリングなのでここではあまり気にしないでください。
BESPEAKは明日改めてご紹介します。
ご存知の方も多いかと思いますが、そもそものENLINKというシリーズは、”金の糸”を作るという聞いたこともないような技術が出発点にあります。
遡ること1400年ほど前。
時代で言うと、当時は飛鳥時代。
国家としての地盤が徐々に作られ始め、朝鮮半島から様々な文化や技術が伝来していた時代。
その名の通りこの時代は、飛鳥地方に都が置かれていた。
その飛鳥地方というのが、現在でいうところの奈良県。
DAN TOMIMATSUのデザインを行う富松さんは奈良県の出身で、今も奈良の吉野に拠点を置いて活動しているのですが、この”奈良県出身である”という縁故から生まれたENLINK。
飛鳥時代の当時は大陸から仏教が伝来したこともあり、仏像や仏具などを作る金工技術も発展していった時代とされている。
その中でも都であった当時の奈良県には、富が集まる場所であったこともあってか、”金を使って糸を作る”という技術が存在した。
何度も言いますが、今から1400年前の話です。その当時の人たちもかなりヤバい。
その技術は時代の変遷の中で途絶えてしまっていたそうなのですが、奈良県出身の富松さんは、現代のジュエリーづくりに応用できるような形で工芸技法として蘇らせた。
そのような技術を用いたのが、上にあるバングルのようなSL925とK18YGを使用したENLINKというコレクション。
僕自身もこのコレクションは大好きで常に身につけているのですが、DAN TOMIMATSUならではのボリューム感の中に、糸状になった金から放たれる強さと繊細さの共存がとても美しいと思っていた。
そしたら、今回プラチナがラインナップに加わった。
これも、めちゃくちゃかっこいい。
放たれるムードが、これまた全然違うのよ。
SPOOL RING BOLDはENLINKコレクションの中で最もボリュームがあるので、かなり迫力のある印象にはなりますが、それでもPT900ならではの”冷たさ”を感じる。
[index finger]
DAN TOMIMATSU
”ENLINK” SPOOL RING LONG HALFWIND
MATERIAL _ SL925 × PT900
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DAN TOMIMATSU
”ENLINK” SPOOL RING NARROW
MATERIAL _ SL925 × PT900
[little finger]
DAN TOMIMATSU
”ENLINK” SPOOL RING LONG HALFWIND
MATERIAL _ SL925 × K18YG
人差し指と薬指につけているのがSL925 × PT900のENLINK。
小指は4年ほど毎日つけている私物のSL925 × K18YGのENLINKです。
こうやって見るとK18YGのタイプとPT900のタイプで纏う空気感が全然違うことがわかるでしょ?
ゴールドの方は少しオールドなムードがあるというか、アンティーク感があって有機的。
対してプラチナになると、一気に無機質な冷たさが出てきて、とても手の込んだ工芸技法のはずなのにピンっと張り詰めたような空気が流れる。
このムードの違いを敏感に察知していただける方なら、SL925 × K18YGとSL925 × PT900を合わせて付けてもかっこいいと思います。
このプラチナも使い込んでいくと金属としてのシルバーとの特性の違いから見た目に変化は出てくるので、かなりストイックな見た目になっていくと思います。
ただその辺りはまだまだブランドとしてリリースされたばかりの新作なので、皆様の目で変化を目の当たりにしてください。
DAN TOMIMATSU
”ENLINK” ROPE SEW UNI NECKLACE
MATERIAL _ SL925 × PT900
いつものSL925のネックレスは、スライダー下がゴールドの糸で巻き付けられていましたが、こちらもPT900の糸。
類を見ないほど細かなベネチアンチェーンに対して、静かに調和しながら重みを与えるプラチナ糸。
当たり前のようについてるけど、この細さのベネチアンチェーンをコントロールできるオリジナルスライダーもハンパない。
新品状態ではスライダーを動かすときは少し硬いですが、使っていくとヌルヌルと動くようになっていきます。
このネックレスは実物を見ていただけると納得していただけると思う。
ネックレスで言うと今まで通り、SL925とK18YGのタイプ、K18YGのベネチアンチェーンのタイプ、そしてシルクロープもご用意ございます。
DAN TOMIMATSU
”ENLINK” SPOOL BANGLE WIDE HALFWIND
MATERIAL _ SL925 × PT900
名作、SPOOL BANGLE WIDE。
こちらもプラチナバージョン。
今までSL925とK18YGのコンビネーションで展開されていたENLINKは、すべて金糸をPT900に置き換えることができるので、バングルのNARROWバージョンもございます。
とっても凛としている。
このキリッとした繊細さのある緊張感がENLINKの強みだと思うのですが、PT900になったことでよりそれが加速した。
ぜひ、店頭でSL925 × K18YGとSL925 × PT900を見比べて悩んでください。
お次は、MATERIAコレクションから。凄まじいやつ。
DAN TOMIMATSU
”MATERIA” CHAIN BRACELET
MATERIAL _ SL925 × K18YG
とてもとても楽しみにしていた新作。
その名の通り、チェーンブレスレット。
富松さんやブランドのセールスマネジャーである椎木さん曰く、メンズアクセサリーを主に提案しているブランドにおいて”チェーンブレスレットをつくっていない”ブランドはほとんど無いそう。
逆に言うと、チェーンブレスレットはそれくらいメンズのアクセサリーとしては定番的な存在で、みんなから求められている存在。
でも、だからDAN TOMIMATSUではつくっていなかったそう。
安易につくってしまうと、”DAN TOMIMATSUのチェーンブレスレットじゃなくなってしまうから”。
ただ、要望があり、数年間という年月をかけて生み出された。
それがこのCHAIN BRACELET。
これは本当にすごい。
めちゃくちゃ”DAN TOMIMATSUのチェーンブレスレット”になってると思います。
絶対に実物を見た方がいい。
着眼して欲しいのは、ここ。
よくよく目を凝らすと、一つ一つのコマに金色の線が入っているのがわかると思います。
これ、K18YG。
ただ、このCHAIN BRACELETがヤバいのは、K18YGを使っているということではありません。
では、何がヤバいのか。
それは、このCHAIN BRACELET、コマの一つ一つが”手作業で繋がれている”ということ。
一般的なチェーンブレスレットは、専用の機械によって自動的にコマが繋がれていく。
そのため、瞬く間にチェーンの文字通り鎖状に仕上がっていく。
つまり、チェーンブレスレットという存在は、よほどの海外のラグジュアリーブランドのチェーンブレスレットとかじゃない限り、ほぼほぼ機械化された言わば”工業製品”なのです。
ただ、DAN TOMIMATSUでは、それを手作業で行う。
それだけでもヤバいのですが、このDAN TOMIMATSUのCHAIN BRACELETの特徴として、一つ一つのコマが”小さくて太い”。
コマが小さいことによってぐるっと一周つくるのに必要なコマの数が増え、その分コマを繋ぎ合わせる工程を繰り返す回数が増える。
さらにコマが細ければ加工もしやすく繋ぎやすいのですが、これはコマの小ささに対してとても太い。
だからこそ世の中に類似のないCHAIN BRACELETになっているのです。
とにかく手工業的な要素を強く持ったジュエリー。
それを象徴するのが、一つ一つのコマに入るK18YG。
コマを手で繋ぐ際にK18YGの板を挟み込んで、金継ぎのような要領で一つ一つを繋ぐ。
だから、K18YGという高級な素材を使っているということがすごいのではなく、DAN TOMIMATSUとしての在り方や職人の手仕事によるプロセスを可視化したという点で素晴らしいデザインだと思う。
世の中に氾濫しているCHAIN BRACELETとは根本的に違う、手工業としてのチェーンブレスレット。
ただそれでも、クラフト感溢れる手の跡が残ったような仕上がりは、DAN TOMIMATSUは求めない。
K18YGの金継ぎに手の跡を残しながら、ジュエリーとして整然とした風格に。
だから、身に付けた時に自然な美しさと自然な風格を感じます。
ゴツゴツとしていない小さなコマ。
一つ一つの太さと、コマ同士の密度。
このCHAIN BRACELETは円状に繋がっていて、先端部分を引き出していくことで手首の太さにフィットさせます。
そして、写真にあるようなコの字の形をしたSL925製のクリップを使って、長さがずれないように固定することができます。
なので、このように手の甲にかけてチェーンが垂れるような見え方になります。
すでにENLINKのバングルやRUBBER BAND BRACELETをお持ちの方は、垂れている部分を巻き付けたりしてスタッキングするのも良。
見た目や考え方の好みはそれぞれですが、この感じを悪くないと感じていただける方にとっては、一過性の流行や情報に囚われる事のないジュエリーだと思います。
これこそが、”心に作用するデザイン”という言葉が示すところなんじゃないかな。
価格は決して安くないですが、こちらもぜひ店頭でご紹介させてください。
そして最後に、DAN TOMIMATSUの真骨頂、DISSOLVE。
DAN TOMIMATSU
” DISSOLVE” SIGNET RING
MATERIAL _ SL925
DAN TOMIMATSUの中でも一際特別なコレクション、DISSOLVE。
エジプトのピラミッドの中から出土した純金の装飾品を着想源に、長い年月の中で不純物が溶け出し不均一な凹凸が生まれた状態を工芸技法として落とし込み、ジュエリーに反映させたというもの。
こればっかりは言葉では補いきれない”チカラ”を持ったジュエリーなので、実物を手に取ってみてください。
このSIGNET RINGは元来、印鑑のような役割を果たしていたとされている。
つまり、”あなたがあなたである証明”としてのジュエリーとして身につけられていた。
DISSOLVEは、生み出されるプロセスの途中から人間の手によってコントロールできなくなり、全く同じものをつくり続けるということが不可能なコレクション。
まさにその再現性を持たない性質と、時間の経過による自然現象を映し出したような姿が、SIGNET RINGの成り立ち示している。
DISSOLVEの象徴であり、DAN TOMIMATSUの象徴と呼べるリング。
裏側から見ると、凹凸が貫通していることがわかります。
ベースとなるシルバーもしくはゴールドに対して、他の金属を混ぜ合わせ、のちに融解させることでこのような凹凸が生まれるのですが、もう混ぜ合わせる段階からはアウト・オブ・コントロール。
どのような起伏・空洞になるのかは、神のみぞ知る。
そもそも製品としての基準をクリアできないことも多々ある。
とんでもねぇコレクションです。
[left]
DAN TOMIMATSU
” DISSOLVE” SIGNET RING
MATERIAL _ K18YG
[right]
DAN TOMIMATSU
” DISSOLVE” SIGNET RING
MATERIAL _ SL925
SIGNET RING、K18YGもご覧いただけます。
SIGNET RINGのK18YGは、DAN TOMIMATSUのTOP ENDと言ってもいいでしょう。
DAN TOMIMATSU
” DISSOLVE” RECTANGULAR RING
MATERIAL _ SL925
先ほどのSIGNET RINGは、その由来から小指につけることを検討いただくことが多いですが、このRECTANGULAR RINGは人差し指や中指でお選びいただく方が多い印象です。
SIGNET RINGと異なり、リング全体に3D状に起伏と空洞が生まれるので360度どこから見てもうっとりできます。
その分、冬場のニットの着用時やポケットに手を突っ込んだ時にリングの起伏に対して引っ掛かりが起こったり、構造上の脆い部分が欠けてしまうこともございます。
ただ、それがDISSOLVEの性質です。
器を落としてしまったら割れてしまうのと同じように、その脆弱性も愛でてあげる。
「俺のRECTANGULAR RINGはここが少し引っかかりがちなんだよねぇ〜、そんなところもかわいいねぇ〜、てのひら側に来るようにつけてあげよ〜」
みたいな感じで、愛でてあげてください。
とはいえ、そんなに脆いものではないので、普通に日常で使っていただく分には基本的に問題ありません。
DISSOLVEというかなり特殊な工芸技法を取り入れたジュエリーと向き合う上での我々の心構えとして、そのように思っていただけていれば嬉しいです。
RECTANGULAR RINGよりも厚みの薄いQUADRUM RINGもございます。
細幅ですが、その分形となるにあたっての難易度は上がるはずなので、こちらもかなりパワーを秘めたジュエリー。
僕自身もそうなのですが指が細い方や、女性の方にはこちらの方がしっくりくるかもしれません。
ぜひRECTANGULAR RINGとつけ比べてみてください。
DISSOLVEにはこのようなピアスもございます。
僕の耳には穴が開いていないので残念ながらつけることはできませんが、普段からピアスをつける方にはとても良いと思います。
実際お客様でDISSOLVEのピアスをつけていただいている方を見ると、とてもかっこいい。
僕はピアスのことには疎いのであまり多くを語ることはできませんが、DISSOLVEの魅力のことはたくさんお話しさせてください。
今回ご紹介させていただいたラインナップで、だいたい全体の半分くらいかな?
ホント到底全部は紹介できない。笑
こちらでご紹介していいないものも全てDAN TOMIMATSUの精神性が宿ったスバラシジュエリーなので、ぜひ気にしていただける方は店頭でご覧いただけましたら幸いです。
明日は富松さんが手がけるオーダーメイドリングのブランド、BESPEAKに関して少しだけご紹介させていただければと思います。